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ダンスに縋って生きてきた


小学校2年生の時、パッと頭に思いついたのがダンスを習いたいだった。すぐお母さんに「ダンスやりたい」と言って、ダンスの体験に連れていってもらった。

そこで出会った先生には、小2から高3までお世話になった。わたしの大好きな先生で、ダンスを続けるきっかけの先生だ。

ダンスを始めたころは、とにかく楽しいだけだった。踊っている時間がとても楽しくて、もっと上手くなりたいと思うようになっていった。

私は小学生の頃、B型特有の自由奔放さと、それなりにあった学力、また運動神経はとてもよかったのである程度クラスの中心人物になれていた。間違いなくあの頃が1番輝いていたと思う。まだ自分に自信があったし、みんなの注目の的になるのも苦ではなかった。

それが中学生に入ると、周りが部活動で自分の実力を発揮したり、勉強はすればするほどついてくる難易度になってから、私は化けの皮が剥がれたみたいに、学力も運動神経も普通の女になっていた。見た目は言うまでもなくブサイクだった。そこで私に残ったのが、小学校からずっと前向きに取り組んでいたダンスだった。

小学生である程度人気者になってしまった私は、周りからの評価をなによりも気にするようになっていた。周りの人に褒められないと価値がないと思い込んでいた。自分自身を褒めてもらえるもの、自分が頑張れば評価されるものとしてダンスは私の中の武器になった。

しかし、ダンスの方でも挫折経験があった。小学校後半からあるスタジオに通い始め、週5で夜遅くまでレッスンを受けるようになった。そのスタジオはプロになりたい子たちが集まるところで、とにかく上手くなるために基礎からみっちり練習するような場所だった。

わたしは、踊っている自分が好きだった。踊っている空間、人に見られている快感、それが味わえたらなんでもよかった。もちろん上手くなりたかったけど、それは人より上手く、というより自分の中で上手くなれたらそれで十分だった。

週に5回も、友達と遊ぶ時間を削ってまで練習しても、色んな人と比べられ、自分のできていないところを散々否定されて、どんどん自信をなくしていった。

それでもダンスが好きだったからやめることはなかった。先生からの評価は低かったが、外部の先生や、生徒のお母さん方から褒められることが増えた。ダンスはスキルも十分必要だが、人によって個性があり、好みも違う。うまいだけが全ての世界じゃないことをそのスタジオで知ることができた。

ただここで、私はダンスを自分の中の唯一の武器にしてしまったことから、ダンスそのものを否定されるプロのダンサーになるのは無理だと悟った。否定されても辞めない強い心も、日々上手くなろうと努力を積み重ねることも、わたしにはできない。コツコツ努力、が向いていないのだ。

それでも自分なりに続けてきたダンスのおかげで、わたしは中学校でも体育のお手本や、学級委員長など色んな所で注目の的となった。そこで、人前で踊るのはまだいいけれど、人前で喋るのは向いてない、人に教えるのは向いてないと悟った。それでも当時は、小学生の時はできていたのに、、と落ち込んで自己嫌悪に走っていた。仕方ない。

結局ダンスは大学になってからも続けて、就職先もダンスの先生を選んだ。それが今、1番わたしの中でストレスなのだ。

ずっと頑張ってきたものだから、ダンスの実力も、ダンスを好きな気持ちも、充分なほどあるはずだ。

教えるのが怖い。こんなにブサイクなのに可愛い振りを踊っていてごめんなさい。面白くないレッスンをしてごめんなさい。楽しいかな?喋れなくてごめんなさい。こんなことばかり考えてしまう。

私は人前に立つと喋れない。雑談ができないのだ。ダンスの先生は大抵場を盛り上げるために喋るのが上手い人が多い。その方が場持ちもするし、みんなのテンションもあがる。他の先生もそうだ。可愛くて、おしゃべりが上手な、面白い人。

でも、みんながみんなそうじゃなくていいはずだ。これはわたしの勝手な意見で、こうあってほしいという願望だが、ダンスを習いにきたわけであって雑談をしにきたわけではないのだから、ダンスだけ教えてればいいはずだ!!もうこう思うしか、わたしの心は立ち直れない!!

わたしが根暗だから、根暗な子、静かな子に寄り添えるような先生になりたい。そう思ってもいいはずだ。みんなが皆んなパリピで可愛くある必要なんてないはずだ、ダンスにそう言う差別もいらないはずだ!!!

なんて言ってみたが、どうなんだろうか。
いまいち、すっきりしないかも。

ただ、実力がなくて教え下手よりもお手本ができるくらいの実力があればダンスは教えれるはずなのだ。結局は、先生の真似をして自分でどうにかしなきゃいけないのがダンスだから。自分がそうだったから、きっと大丈夫。そう言い聞かせよう。大丈夫。

またダンスと自分について、外見コンプレックスについては話そうと思う。また今度!


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