なぜ、田舎のおじいちゃんは近隣住民に100%GIVE出来るのか
以前、アダム・グラントさんの『GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代』という本を読んだ。
そこにはGIVER(与える人)になる重要性が書かれているのだが、正直難しいと感じた。
人間はGIVERになろうとしても搾取される側になってしまいがちだし、
何らか自分にメリットを与えてくれる人によくしたいと思うはずだ。
損得勘定で動いても仕方がない。
しかしGWに帰省をし、祖父が損得勘定抜きに他人にお裾分けをしている姿を目の当たりにした。
祖父母宅での体験
私は実家の徳島に帰省した際、近所の祖父母宅に決まって顔を出しに行く。
今回、行った時には祖母が大鍋でグリーンピースと卵の煮物を作っていた。祖母秘伝の調味料から作り出される他に類を見ない最高のご飯のお供である。私も昔から好きで、作ったと聞くとたちまちタッパーを持って貰いに行っていた。
そんな時に祖父が畑仕事から帰還するとこう言った。
「お、グリーンピースできたんか。じゃあ隣の〇〇さんに持っていこう。」
「この前〇〇さん他の人にもお裾分けして全然足りんかったらしいから2倍くらい詰めるか。こりゃ喜ぶぞ〜。」
そう言って大鍋の半分くらいの量をジップロックに詰めるとご近所さんに配りにいった。
祖母は時間をかけて作ってはいるので、やや呆れ気味ではあったが、祖父のキラキラした目に負け「あの人ほんまにお人好しやろ〜」と笑った。
なぜGIVEできるのか
上記の場合、祖父は100%GIVEする姿勢である。
確かにお裾分けで配るとその分ご近所さんがお返しをしてくれるわけではあるが、祖父自体それを目的にしておらず、むしろお返しはいらないからねというスタンスだ。
なぜその行動が取れるのか考えてみると、
「余裕」「関係性」「誇り」のような要素があるように思う。
簡単に内容を挙げると以下である。
余裕
祖父は生活にも時間にも余裕を持っている。食糧に困っていることもなければ、時間にも余裕があり、常に心の余裕を持っている。
それによって他者に〜しようという気持ちになっているのだと思う。
関係性
祖父母は、ご近所付き合いを大事にしているというよりも単純にご近所さんのことが好きなのだ。だから、好きな人のために尽くしたいと思うし、尽くされた側も100%の善意が伝わるので嫌な気もしない。
誇り
農作業を営む祖父は”職人気質”である。自分の作るもの・生産するものに誇りがあり良いものということを信じてやまない。だからこそ、お裾分けするもの関しても自信を持って「他人に喜ばれる」と思い行動ができている。
祖父から学ぶGIVERになるために必要なこと
まずは自分の気持ちにゆとりを持つということ。
人を満たすにはまず自分を満たすことが必要である。毎日仕事に終われ、心身が疲弊すると他者に与える前に自分が枯渇してしまう。まずは自分が気持ち・時間・金銭的な余裕を持つことが重要である。
他者を愛するということ。
祖父のご近所さんへの愛情のように、周囲の人を好きになることが重要だ。私が営業として働く上でも非常によく言われるのだが、相手(お客様)のことを心から好きになり相手を思った上での提案であれば、筋を違っても決して咎められることはない。他者を愛することで、自分も自然とGIVEできるようになるし、された側も変な気持ちにせずに済む。
自分の持つ何かに誇りを持つということ。
祖父は食べ物に対して誇りを持っていたので、他者に喜んでもらえると確信をしGIVEできていた。決して食べ物でなくても良いので、自分の何かに誇りを持つことで率先してGIVEしたい気持ちになれるはずである。
う。
まとめ
毎日仕事に追われて心身が疲弊してしまうと、他者に与える前に自分が枯渇してしまう。
・GIVEするためにはまずは自分が満たされること・自分を満たしてあげること
・そのうえで他者を愛し関係性を深めること
・最後に自分が他者に与えられるものに誇りと自信をもつこと
を意識したい。
せわしない社会だが、自分も祖父に倣って100%他者に貢献できる人になりたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?