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魚の神様からの贈り物


ある日、石巻に住む友人から、我が家の子どもたちへと、新鮮な魚介類が届いた。

友人は元々東京で働いていた。ちょうど1年前、スーパーマーケットが好きという共通の趣味を通じて知り合い、仲良くなった。

とてもユニークな経歴の持ち主で、東京で働く前は、石巻で震災復興支援の仕事をしていたそうだ。魚屋さんで働いていた経験があり、魚にめっぽう詳しかったので、私は友人のことを魚の神様と呼んでいた。

東京では、保育士の資格を活かし、キッズシッターとして働く傍ら、ベンチャー企業でも働いているというバリバリのパラレルワーカーだった。しかも仕事だけではなく、災害が起きると、そこへ駆けつけて、なにか自分にできることはないかと、ボランティア活動もするパワフルウーマン。

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世の中には、こんな生き方をしている人もいるのか……。全く異なる分野の仕事をかけもちしながら、縦横無尽に活躍する友人を見て、会うたびに、たくさんの学びと刺激をもらっていた。

そんな友人から「新型コロナウィルスの影響で、東京での仕事が少なくなってきた……」との話しを聞いた。大丈夫かな? と思っていたら、気づいたときには宮城県石巻市へ引っ越していた。なんという柔軟性だろう。

世の中には、ものすごい行動力で人生を歩む人がいる。

まさに友人はそのタイプだ。東京の仕事はリモートワークで続けながら、魚の販売も手伝っているのだという。相変わらずパラレルでパワフルだった。そんな友人(通称:魚の神様)が魚を送ってくれたのだ。

大きな発泡スチロールを開けると、たくさんの魚介類がびっしりと詰まっていた。本マグロ、白魚、穴子、カレイ、ゆめかさご、あさり、毛ガニ、まさにその箱は、海の宝箱のようだった。

どれも立派で、キレイで、素人目にも新鮮なことがよく分かる。新鮮なものは新鮮なうちにいただきたい。

がしかし、ここで一つ問題がある。

私はこの素晴らしい素材の数々を、調理できるだろうか。調理は嫌いではない。でも魚料理はどうもハードルが高い。はっきりいって自信がなかった。

でもやるしか無い……。友人からオススメの調理法を伝授してもらい、調理をすることにした。

1:アクアパッツァ

「あさりとカサゴなら、アクアパッツアがオススメ!」
アクアパッツア……! これまでの人生で作ったことなど無い。友人は「できるよ。かんたん!」と言う。それは料理ができる人の発言だと思う。そう思いながら、どうしたものか、と考えていると、先日購入したヘルシオホットクック(水なし自動調理鍋)のレシピブックに載っていることを思い出した。

そうだ、ホットクックに任せよう! この采配は間違いなかった。レシピブックのとおり、材料を投入して、ボタンを押すこと25分、アクアパッツアは完成した。信じられないぐらい美味しい出来栄えに、家族全員無言で食べた。

アクアパッツア

2:白魚のかき揚げ

「白魚は余裕があれば三つ葉とかき揚げがオススメ、余裕がなければ卵とじで!」と言われた。かきあげも卵とじも捨てがたい。でも、せっかく生の白魚があるのだ。ここはオススメのかき揚げにすべきだろう。ということで、かき揚げを作った。自分で作っておいてなんだが、とても美味しくて、びっくりした。家族も大絶賛のうちに、かき揚げは売り切れた。

白子かきあげ

3:毛ガニは素直にそのまま

毛ガニはボイルされていたので、まるごと一匹、無心でほじくりながら食べた。子どもたちは「え……カニの茶色いところ食べるの?」と戦々恐々の眼差しで見つめていた。分かる。私も子供の頃、カニ味噌を食べる大人が信じられなかった。でも、大人になった今、心の底から美味しいと思った。

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4:本マグロ

本マグロは、一滴のドリップも出ていない、きれいな柵の状態で届いた。「お刺身か漬けがオススメ!」とのことで、素直にお刺身にした。食卓に並べた途端、信じられないスピードで子どもたちが食べた。子どもというのは本当に正直だ。私が席を立っている間に完食していた。

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ここまで来て、もう食べ過ぎじゃないか?と思いつつ、美味しいものは新鮮なうちに食べたいという欲が出る。

5:穴子の白焼き(関東風)

もう一品だけ……。最後に穴子を焼くことにした。「白焼き」がオススメとのことで、さっそく焼き方を調べてみる。関東風と関西風の焼き方があることが分かった。関東は蒸し焼き、関西はいきなり焼くらしい。

子どもたちも食べそうなので、ふっくら仕上がる関東風の蒸し焼きにチャレンジすることにした。友人が「皮目がバリっとするまでしっかり焼いた方が良い」というアドバイスをくれたので、言われたとおり焼き目がつくまで焼いてみた。ふわっとした上にバリっとして香ばしくて、わさび醤油が最高だった。

穴子2

なんというか、豪勢すぎる夕食だった。新型ウィルスによる自粛生活で、食事作りにも疲れてきているのに、気づけばキッチンに立ちっぱなしで、夢中で調理していた。

でも不思議と全然苦ではなく、美味しいものを食べることができて、家族も美味しいと言ってくれる。なんとも幸せな時間だった。良い素材は、料理のしがいがある。

一通り調理法を教えてくれた友人は、「魚料理ってやったら楽しいよね。習慣化したら良いよ」と教えてくれた。せっかく一歩踏み出したので、これからはもう少し積極的に魚介類を購入して、調理してみよう。

美味しい魚を送ってくれただけではなく、魚料理へのチャンスを与えてくれた友人は、やっぱり魚の神様だと思った。

おまけ:カレイの煮つけ

翌日、煮付けにして無事に完食!

カレイのにつけ


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今度は父の日に注文しよう。


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