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WASH OUT!! TALK LIVE vol.5

WASH OUT!! PROJECTではこのコロナによって影響を受け、困難な状況にある人々の問題解決のために寄付を募っています。
その寄付先の状況やコロナによる影響を幅広く知っていただくために、毎回現場で活動されている専門家、活動家をお呼びして「WASH OUT!! TALK LIVE」を開催しています!

第5回目となった今回は、ラオス、カンボジアを中心に訪問看護、小児医療に取り組まれているフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN代表の赤尾和美さんにお越しいただきました。

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国際保健医療の最前線で長年活躍されている赤尾さんだからこそのお話に、個人的にもとても胸が熱くなる内容でした。本日も、トークライブの内容を紹介していきたいと思います。

1)医療従事者という社会的ポジションの影響
今回、赤尾さんのお話は長年携わられている途上国医療から始まりました。設備が十分でない、医療従事者の衛生観念に課題がある等、途上国ならではの医療現場のお話から、特にラオス(タイやベトナムに囲まれている海のない東南アジアの小国です)は経済発展から取り残されていることもあり、医療現場も大きく改善していかないという現場の状況も伝えていただきました。

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(引用元: https://www.travel.co.jp/guide/matome/2934/)

その中で、医療従事者の倫理的な問題という部分が大きいというお話をいただきました。衛生観念や設備というものは経済の発展や、教育の普及によって徐々に改善していくものではあります。しかし倫理的な問題、例えば患者さんを家族を助けるような思いで真心を込めてケアする精神や何としても助けようというマインドが欠如しているという問題は、このような時代の経過とともに改善していく問題ではありません。
特に医療が発展していないラオスのような国では、医療従事者は社会的にポジションのある人になりやすいです。そのため、このような奉仕の精神だったり、寄り添う精神というのが社会の構造上生まれにくくなるということも併せて紹介していただきました。このような部分に対してフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANさんは、「Compassionate care」(家族のような真心を込めたケアをすること)を大切に教育や支援を行っているとのことでした。

2)伝統医療と西洋医療の位置づけ
次に印象的だったお話がラオスの農村地域で行われている伝統医療と赤尾さんたちが行っているような西洋医療の衝突に関するお話でした。
農村地域では多くの人々が伝統医療(祈祷や呪術のような形での医療行為)に頼って生活を送っています。西洋医学の視点から見れば、伝統医療は未開の文化のようなものではありますが、人々はこのような医療形態を信じていますし、祈祷を行いたいという理由で病院を退院したいと願い出る人もいるほど、彼らの生活の根幹に根付いているものでもあります。

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(引用元:https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/laos-tsurezure/2013/07/20130710-seireisinnkou.html)

そのため、赤尾さんからは伝統医療を未開の文化として否定することから入らず、どのような位置づけで西洋医療と補完しあえるかを模索していくことが大事ということをお話いただきました。
例えば、伝統医療では治らない=十分な祈祷が行われなかったという結論付けをしています。しかし、これでは病気やケガが治らなかった人の親族はそのことについて自身を責めたりということが起こってしまいます。そこに対して西洋医療は正確な診断と適切な処置という部分で補完をすることが出来ます。
このように人々の精神の拠り所は伝統医療のまま、それで対応しきれないような病気やケガに対して適切な処置を行う西洋医療という位置づけをすることで2つが衝突するものではなく、共存するものへと位置付けられるというお話でした。

3)不急かもしれない。でも、不要ではない
最後に、現在の新型コロナウィルスの影響についてお話をいただきました。ラオスは感染者数が少ない状態の中でも早急にロックダウンを行い、厳しい対応を取ってきた国です。ムラの中でのコミュニティや結びつきが強いので、もし村の中で感染が拡大した場合には、手洗いや消毒のような予防のためのインフラがないことも相まって、感染拡大が起き、厳しい状況になったことが見込まれます。そのため、政府の対応は効果があったと言えると赤尾さんは語ってくださいました。
しかし、その一方でロックダウンのような行動制限は、通常医療にとっては大きな障害となっています。赤尾さんは主に訪問看護(中心地で病院に来る人を診るのではなく、農村等の医療の届かない場所に出向いて看護を行うこと)を行っていますが、このロックダウンによって訪問先への移動が制限されてしまっている状況です。通常であれば、訪問看護によって人々の健康状態を確認したり、必要に応じて処置を施したりということが出来るのが、この状況では訪問が出来ないため、必要な処置をすることが出来ず、医療を必要としている人々に医療が届けられないということが発生してしまっています。ラオスの人々にとってはコロナそのものよりも、今患っている病気を治療できないことの方が危険性が高いです。そのような場所に医療を届けることこそが本当の意味で必要な支援だと思います。

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(引用元:フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN)

最後にフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANさんが運営されているラオスのラオ・フレンズ小児病院についてもお話を伺いました。現在、コロナの影響を受けて、ラオ・フレンズ小児病院の資金源であるイベント開催が出来ない状態になっており、資金難の状況になってしまっているということでした。子供たちの命を守れなくなってしまうことはもちろんですが、今までの医療普及の努力がこのコロナウィルスの影響で途絶えてしまうということが、実際に起こってしまう可能性が迫っていきています。フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANさんではこの病院継続のためのクラウドファンディングを実施していますので、ぜひ皆様もご支援いただければと思います。
https://readyfor.jp/projects/LFHC-covid19-SOS

今回、赤尾さんのお話を伺い、医療という人命を守る最後の砦が新型コロナウィルスの影響で崩壊してしまうということは何よりも防がなければならないことだと感じました。
私たち日本では新型コロナウィルス感染による医療崩壊が危惧されていますが、3密を避けたりソーシャルディスタンスの確保、消毒等の徹底が出来る環境の中で生活をすることが出来ます。つまり、日本の医療崩壊は私たち自身の努力で防ぐことが出来ます。しかし、今回お話いただいたような途上国の医療施設の崩壊は人々の行動制限のような形では防ぐことが出来ません。だからこそ、このような場所に本当の意味での支援が必要であることを強く感じました。

そのため、今回WASH OUT!! PROJECTとしての寄付第1弾として、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANさんへの寄付をすることを決定しました。私たちと皆さんの思いが支援という形で、ラオスの子供たちの命を守ることと医療の普及の継続に繋がることを願っています。

今後もWASH OUT!! PROJECTでは、このような本当に支援を必要としている場所に、支援をすることを目指し、トークライブの開催と寄付の募集を継続していきます。今後とも応援よろしくお願いします。

※HPを改良しましたので、ぜひのぞいてみてください。
https://www.wash-out.com/


文責:杉谷


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