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彼を知り己を知れば百戦殆からず

有名な『孫子』の謀攻編の格言です。
続けて、「彼を知らずして、己を知れば、一たび勝ちて、一たび負く。彼を知らず、己を知らざれば戦うごとに必ず敗る」と記されています。

現代においても、日常の何気ないコミュニケーションでも、この「彼を知り己を知れば百戦殆からず」から想定出来ることがたくさんあります。

何事に於いても、自分以外の状況をよく知り分析し行動することで、自分にとって不利益を被る出来事を防ぐことができる可能性が高くなります。

そして、自分自身の出来ること・望むことを理解することで、回避すべき事柄・取り組むべき事柄が明確になります。

自分を取り巻く外の状況が近くても、その人が何を望むかで選択するべき行動は異なります。

例えば、同じくらいの移動距離で山・海に行くことのできる場所に、会話が出来るくらいの位置に2人の人がいます。
2人はそれぞれ山・海に行く意思があります。

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しかし、2人は互いにどこへ行くのかを把握していません。
ですが…「出掛けよう。準備をしよう」と徐ろに準備を始めます。
相手がどこへ行くのかは知りません。
それなのに、お互いに必要なものを言い合っているようです。
山へ行く人「登山靴持ってけよ!草を払うナタもあったほうが安心だな…」
海へ行く人「ビーチサンダルだろ。濡れた時のためにバスタオルも必要だな」

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何故か話が噛み合わない。
「なんで登山靴なんだよ」「ビーチサンダルなんて危ないだろ」
「山へ行くんだろう」「いや、海へ行くんだよ」

そうですね、行く場所が違えば、持っていくものも異なります。
楽しむことだって異なります。

日常の中で、会話が成立しない時、内容は違えど、「相手が何をみて、何をしようとしているのか?」を理解しないままコミュニケーションを行っているケースが殆どです。

海に行く人は、相手が山へ行くんだったんだと知り、手伝うことにしました。
昨今、キャンプを楽しむ人が増えていることはNEWSで知っています。
山では今キャンプをする人が多いからな…そんなことで、
「テントに寝袋、携帯コンロは必要だな」と言います。

でも、山へ行く人は怪訝そうな顔です。
どうやら、そんな装備は必要ないようです。

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山へ行く人は日帰りのハイキングに行くつもりだったようです。

相手が何をしたいのかを理解しないまま、自分が思いつくがままに山に行くのに必要なアイテムを伝えても、全く必要のないことでした。

上記で説明したかったのは「相手の目的を知らなければどこまでも的外れになるよ」ということです。

個人間のすぐに取り返しの効くことなら「そんな小さなこと」と感じられるかもしれません。

しかし、これが利益・損失を生じる事柄であった場合、そうはいきません。
相手がどのような行動をするのか、何を望むのか…正確に情報を集め、分析し、行動に移す必要があります。

そして、自分が何が出来るのかを理解し能力を把握することです。
相手が求めることがらを理解し、協力したいと考えたところで、自分のキャパシティを超えていることは困難なこととなります。

しかし、キャパシティを超えていると自分が理解できていれば、それを補う方法が見つかるかもしれません。

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個人やその他でやりとりが成立しない場合、目的の不一致が一番大きい要素です。
一番厄介なのは「己を知らない」ため、本当の目的を自分が理解していない場合です。
自分の正当性を主張したいがために、「相手が悪い」とする人もいます。

方向性の不一致…自分は山に行きたいと思っていたのに、海に行きたいと思っている人が多く、嫌々きたけれどやっぱり嫌で「なんでこんなところに連れてきたんだ!私は来たくなかった!無理矢理連れてきた人が悪い!!」というようなケースです。

自分に対する自分の理解が深まると、相手への理解も深めることができます。
まずは、自分を見つめることで、別の世界が見えてくるのかもしれません。

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