見出し画像

銀の匙

ふと、「銀の匙(中勘助 著)」を読みたくなりました。

「銀の匙」を知ったのは、伝説の灘校国語教師と呼ばれた橋本 武氏の、中学の3年間をかけて「銀の匙」1冊を読み上げる国語授業をテレビ番組で紹介していたものを見てからでした。

橋本 武氏の『「銀の匙」授業』は、通読する→寄り道する→追体験する→徹底的に調べる→自分で考える(各章のタイトル付け→要約→自作の『銀の匙』づくり)の順を追うことで進められたそうです。(引用:「橋本武」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』)

テレビを見たのはずいぶん前のことです(私はもう10年テレビを持っていません)
正確には少し違うかもしれませんが…「銀の匙」を読み、興味を色々な方向に広げ、銀の匙に出てくるエピソードを自分で追体験…例えば、実際に凧揚げの凧を作って遊んでみたりする、ということにとても感銘を受けました。

人は、自分の体験からしか、物事を把握することはできません。
どれだけわかったつもりになっても、どれだけ親しい人でも、他人から聞いた体験談と自分の認識は、「百聞は一見にしかず」と言われるように、実際には異るものになります。

追体験では、エピソードに出てくるように、凧を作ってあげてみることを通して、自分には見えたこと、聞こえてくる音や、体で感じる感覚など、様々無ことに気づくことができるでしょう。

それを、今度はエピソードと比較して…

自分の視点を学んで、自分なりの表現を行うことで、自分以外の視点の存在も実感でき、国語の力を身につけるのはもちろんのこと、コミュニケーション能力も上がるのではないかと思いました。

大人になってみて、「好之者不如楽之者(これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)」という論語の一説が腑に落ちましたが、何事も楽しんで取り組むことが身になり、価値を生み出していくものだと感じます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?