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厳島

嗚呼、いつくしや厳島

二度目の逢瀬は 杪冬に 枯れた紅葉 憐憫の情

紺の海に千の真珠が落ち 斜陽が皆を照らしだす

熟れた柿の実 目尻の皺 揺蕩う乳房 牡蠣の如し

嗚呼、美しや厳島

いと艶やかな その肌に 醜い愛撫 果たしては

含羞恥辱の狂宴か 我らは正に白痴なり

我の心ここに在らず 

嗚呼、悲しきかな厳島

あの子の恋慕は何処へやら

離れる度に醒めゆくわ

寒風沁みる首元に 卑しき傷 はしたなく

霧消しゆくこの想い 旧懐 痛快 愚か也

嗚呼、さもしいわ厳島

磯の匂いがまだ恋しい

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