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杜賀 季
2023年5月3日 00:46
嗚呼、いつくしや厳島二度目の逢瀬は 杪冬に 枯れた紅葉 憐憫の情紺の海に千の真珠が落ち 斜陽が皆を照らしだす熟れた柿の実 目尻の皺 揺蕩う乳房 牡蠣の如し嗚呼、美しや厳島いと艶やかな その肌に 醜い愛撫 果たしては含羞恥辱の狂宴か 我らは正に白痴なり我の心ここに在らず 嗚呼、悲しきかな厳島あの子の恋慕は何処へやら離れる度に醒めゆくわ寒風沁みる首元に 卑し