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観光ウェビナーで「シニア世代に期待」って出てくるけど、ちょっと待って。

団塊ジュニア世代、いろいろ気がつこうぜ!

昭和46年〜昭和49年生まれまでが団塊ジュニア世代。(僕らです)

いや、実際色々気がついていると思うんですけど、思いたいんですけど、ひょっとして実感できてないんじゃないですか? まだ自分たちよりも上の世代がマーケットだって思ってません? 今の自分の役職とか考えても、本当にもうマーケット引っ張ってる世代なんですよね。それも実際は2010年頃からずっと。でも観光系って未だにシニア世代狙いとか話が出てきたり、アグレッシブなのはシニア世代とか、結構な頻度で話を聞いちゃいます。ただ宿泊業とかはわりとしたたかなので、そういう話に惑わされないところが多い感じを受けますけど、プロモーション考えているセクションからはやたらと…。(あえてどことは書かないけど)

人口ピラミッドを改めてよく見る。

たぶん下図の人口ピラミッドから、60歳以上80歳未満のセグメントを話している印象があって、この図を見るとたしかに団塊世代なので人口は多く見えるんですよ。他にも現地聞き取り調査でこの世代の解答率が高かったりと、移動にアグレッシブな印象が残るんですよね。

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でもこの話って、2010年頃にeコマース業界で話されていたこととよくにてて、蓋を開けると実は地域差がありました。当時僕がいたのは長野県で、ECサイトの運営アシスタントや構築をしていました。
そこでは東京でセミナーを聞いてきた業者さんから、これからはシニア向け製品の通販やツアーパックに力を入れる話が多かったです。
しかしツアーパックはアルプス縦断ツアーの人気が高かった以外、あとはそうでもなかったという結果が出てました。温泉ツアーパックはむしろ若い人の利用が多かったですし、その他通販商品でもシニア向けには山岳グッズ(アウトドア用品)はものすごく売り上げたのですが、たとえば県内産の加工食品などは、シニアよりも中年層に人気があったという結果も見てきました。(データが公開できないのが残念です)

それまでは売れないのはデザインのせいとか、価格設定がマッチしていないんだとかであれこれやっておりましたが、聞いてきた話と違う! と言われだしたのは3年位経ってからです。それからはターゲットセグメントを下げていった印象がありますけど、もろもろプロモーションを司るセクションは…というと…未だシニア世代セグメントを中心に続けている印象が…。

RESASで地区別に人口ピラミッドを見る

2010年頃の話って確かに60歳以上80歳未満の人口って多いんです。でもそれ以上に生産年齢人口のほうが遥かに多いんです。日本全国を集計するとシニア世代の山と団塊ジュニア世代の山が見えて、団塊ジュニア世代のほうがちょっと山が低いので、シニア世代が優位みたいな印象が見えちゃいます。
おそらくそこが勘違いするポイント。あるいは意図的かも?

東京都を見てみます。ここだけ見ると全国統計とは違って、山があるのは団塊ジュニア世代を含む生産年齢人口です。老年人口はまぁ多いんですけど、2010年は退職金を持ってるし、体もまぁまぁ動くので観光にでかけた人たちも多かったため、シニアが目立っていたのでしょう。
しかし2020年に注目すると、60歳だった人は当然70歳になるわけで、実際は体に何らかのトラブルを抱えていてあまり遠出できなかったり、この10年で行くとこはみんな行った世代と考えたほうが自然です。

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愛知県も2010年は似た感じですが、東京都と大きく違うのは車社会。運転して移動する車社会では、観光に対して移動距離に影響しているはず。また車に慣れていると、公共交通や集団移動を嫌う傾向にあると考えていたほうが良いですね。

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最後に大阪府。ここも東京都に似ている社会で、車より公共交通での移動が多く、特に近畿内での移動が多い特徴があると記憶しています。大阪の特徴は山が2つ目立つことでしょうか。東京や愛知と比べて老年人口が目立ちます。東京都と比べて生産年齢人口が5%ほど低く、老年人口が5%ほど高いことから、相対的に10%も差が出てしまっています。

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年齢だけのターゲティングは危険

人間、自分の認知できる範囲しか感覚としてつかめません。交流が多い人でも年齢層は固まりがちです。また団塊ジュニア世代の僕らはIT黎明期で、それよりも上の世代は完全にスタンドアロン型専用機またはペーパーメディア世代。そしてプロモーションを考えるセクションの決済を持つ上の人達は…このペーパーメディア世代ということが多い(というか同年代で会ったことがありません)のですよね。

この世代の方たち、かつてなんらかの代理店と付き合っていたり、実際そのもので天下ってきたいたり。現状50歳代でもネットワークによるITマーケティングとか携わってきた人じゃないと実感していない人が多い中、それ以上の年齢の方は失礼ながらITマーケティングについて全くわからないと思います。とくにデータの見方。何に注目して、何が変化点で、何をすべしか。なにせIT黎明期以前は確実に全国平均データか、極端に偏ったセグメントを中心にした聞き取りアンケート結果しかありませんでしたから。

それでも結果が出ていたのは、テレビや雑誌の存在があったから。自分が見ていたものはたいてい他人も見ている。その情報は全く同じもの。だから行動が似るし、タイミングも揃う。当時のマーケティングを知るコンサルタントさんからは『日本人は羊の群れ』と言われ、声の大きな人が「こっちだっ」と叫ぶとそっちに向かって動き出す。その感覚がIT黎明期より上世代の感覚です。

人口ピラミッドというデータも当時はありましたが、地域ごとで云々はあまり使っておらず、最低でもテレビ放送キー局単位。ほとんどが全国ネット単位なので、年令によるセグメンテーションが主流の時代。ものづくり現場はそうでもなかったのですが、販促現場がこれなので、今プロモーションを考えているセクションでなんかズレがある違和感。心当たりがありませんか?

なんでこれを書いたのか

実はとある地域のプロモーションを司るセクションが全く機能していなくて、マーケティングはおろか、ウェブサイトの作り方そのものも雑。Googleが必ず検索結果に反映すると思っているのか、メタタグもOGタグもなくて、Googleサーチコンソールすら入っていない…。

過去の蓄積をすべて捨てて、まっさらから始めている状態ですが、その初っ端がこの状態。さらにその内容はやっぱり古い。セグメンテーションできていないし、スマホで見られるようには(たぶんコーダーがそうしてくれた)なっていますが、スマホ向けのコンテンツ文字数になってなかったり。ちなみにそのエリアは件の関東圏からのアクセスが多いので、アフターコロナでどうなっていくのか見当がつきません。(ちなみに2021年4月2日現在もまだGoogle検索で出てきません)

昨年からそこの担当者と話をしていて、RESASのグラフを見ながら色々検討していたのですが、結局上司からの稟議が降りず、頑なに自分の知っているマーケティングを誇示して譲らなかったそうです。その結果が現状で、担当者も年度初めの異動となり、結局これって利用者が一番被害を被るパターンへと落ち着いてしまいました。

観光の経済効果は広く浅く影響するので、こうしたプロモーションを担当するセクションの方針が間違ってしまうと、影響が顕在化するまでに時間がかかってしまいます。そのときに舵を切り直しても遅いですし、これを判断した上役はすでに居ないでしょうから、責任の所在はあやふやになってしまいます。地域経済を活性化なんて大それた事は言いませんが、観光は地域の賑やかしさという空気感を作り出しますので、せめて寂れた感が出るのを防ぐために、団塊ジュニア世代、もっと頑張ろうぞ。



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記事を読んでくれてありがとうございます。(_ _)
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「ことほむ」ではゲームコンテンツ・アニメーション作品設定時代考証、観光プロモーション企画・マーケティング・デザイン企画をやってます。僕はWordPressとマーケティング担当。妻が和雪庵という茶室を開いており、茶書研究・茶道体験・お茶ゼミを開催していますが、流行り病で閉庵中です。