見出し画像

茶の湯暮らしのための古町家(明治築)修繕(DIY)レポートその2

ビフォー

2017年からはじまった和雪庵リフォーム作戦続きです。(その1はこちら
物件選びの記録はTumblrにまとめてあります。

建物の中で最も痛んでいたのは二階でした。とくに壁表面はかなり痛んでいて、塗り直すとかなりの予算を割く必要があります。二階は主に事務部屋として利用するので、そんなに予算をかけられません。というわけでDIY壁塗を頑張りました。まずはビフォーから。

画像1

画像2

窓枠と壁に隙間があり、外が見えてました。また窓自体も木製なのですが相当傷んでおり、そのままでは使えない状態です。

画像4

ガラスは割れていました。

画像80

画像7

最も大きな壁面では右下に穴が空いていました。この壁の向こうは水屋の天井裏になります。

画像3

そしてなにより、押し入れの天井板の一部がなくなっており、なにか得体の知れないモサモサしたものが覗いています。

画像5

藁のようですが…なぜ??

画像8

押入れの中は棚で仕切ってあって、そのままでは少々使い勝手が悪そうですので、ここもなんとかする必要がありました。

画像6

あと、壁に謎の大穴が空いていました。窓の下方なので、ヒーター系のなにか? の跡かもしれませんが、これを塞ぐのに苦労しました。

画像9

2階作業レポート

まず取り掛かったのが畳の撤去。そして押入れの棚板撤去と壁紙(本当の紙)の撤去です。古い新聞が出てくるかと思っていましたが、昭和38年のものでした。(それでも十分古いと思いますが…)養生の代わりにもなるのでそのまま敷いておきました。

画像11

画像10

がんばって棚板を外しました。

画像12

画像13

さらに押し入れの天井板も外して、藁? をおろしました。天井裏がよく見えます。そしてこの藁、何かの巣かと思いましたが、そうした痕跡もなく謎のままです。

画像14

画像15

画像16

次に行ったのが隙間埋め。補修には石膏パテを使っています。吉野石膏のタイガーパテを使っていたましたが、セメダインの軽パテのほうが楽かもしれません。水分の調整が難しいです。

画像19

画像18

画像17

画像20

画像21

角の穴はコンセントボックスを追加して、あらゆる方法で穴埋めを試しました。見た目以上に大きな穴なので、本来は壁をある程度壊して塗り直すのですが、そこまでしたくなかったので。電源コードが見えていますが、水屋の天井を撤去した際、裏側から電気屋さんが見つけてくれたので、配線してくれました。

画像22

とにかく作業が細かく大変でしたが、この作業のおかげで隙間は現在でもありません。

画像23

画像24

次は養生を強化して表面処理の下準備に入ります。

画像25

養生強化のあと、下地シーラーを塗りました。二階壁面で5個使いましたので、約20kg塗布したことになります。塗布にはローラーを使いました。

画像26


下地作業の後にやっと表面材です。今回はフジワラ化学の珪藻土を利用しました。二回だけで3缶消費しましたので約30kgです。

画像27

まずは目立たないところから塗り始めて慣れてから、表面を一気に仕上げました。

画像28

画像29

二階は二部屋あるのですが、一つは蓬色でもう一部屋は青色にしました。

画像30

画像31

塗りながら壁面の凹凸に気がついた部分をパテで埋めながらという作業を繰り返し、壁の塗り直しだけで1ヶ月ほどかかりました。

画像32

画像33

とにかく、体中汚れるのでヤッケは必携です。

画像34

こうして珪藻土塗布作業をなんとか終えたところで、電気配線とフローリング化に着手なのですが、この作業はプロにおまかせしました。片付けながら床板にナンバリングして、外してもわかるようにしてあります。それにしてもゴミの量が半端ないです。

画像35

画像36

画像37

床板を外して電気配線作業と同時に、1階の天井裏が汚れているので、合わせて掃除をしました。

画像38

画像39

画像40

天井裏を見ていると、当時の製材所の札が貼ってありました。

画像41

画像42

富山県の射水の方から取り寄せたみたいですね。天井板が見えている間に、大きな隙間は金網でガードして、外からの侵入を防ぐ加工をしました。

画像43

掃除後は床板と天井板の間に断熱材を入れ、主に防音効果を高めます。直下が茶室なので。

画像44

画像45

画像46

このあと床板を閉じて下地材が貼られました。

画像47

画像48

画像49

次に窓枠のアルミサッシ化が完了し、プロの作業で残るのはフローリング材を貼るのみとなりました。

画像50

この間に光ファイバーの取り込み口取付作業などが進みました。

画像51

画像52

画像53

エアコンの取付用下地材

画像54

ここまででプロの作業が終了したので、残った壁面の作業を進めます。押し入れ内の壁がそのままなので、ここを加工しました。

画像55

画像56

画像57

また大穴の空いている壁面がそのままだったので、漆喰を下地として塗り、珪藻土で仕上げました。

画像58

画像61

その後押し入れ内の残りの壁を漆喰仕上げしていきます。ここは塗装業をしていた弟のちからを借りました。自分たちでやるより3倍ほど速い速度で塗っていましたので、プロとの差を感じた瞬間です。

画像59

画像60

画像62

忘れてはいけない押入れ天井板も水屋と同じ方法で作業できました。

画像63

画像64

アフター(ほぼ完了)

主には壁面と床面の改修作業でしたが、柱の塗り直しや天井板の隙間を埋める作業、照明の取り付けなどをこなした写真が以下です。押し入れ内の壁面はフローリング板のままではなく塗装しました。

画像65

画像66

画像67

画像68

画像69

画像70

画像71

画像75

画像76

画像77

この時はまだ障子紙を貼っていません。引っ越し完了後、障子紙・襖紙の張替え作業をしました。また収納の関係で階段上に物置を増設しています。

画像72

手前の板はとりはずせます。

画像73

こちらの壁も珪藻土で塗りました。

画像78

画像79

画像74



いいなと思ったら応援しよう!