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さようなら、フリーランス。(四方山話的閑話)

働き改革のご時世、何を言っているのかって? ええ。「フリーランスはぁ〜気楽な家業とぉ〜来たもぉんだぁ〜っ」、と思っていた時期が私にはありました。流行病が来るまでは。

はい。2021年現在、まだ続いてます。フリーランスな生活。地方でね。でも気がついたんです。「そろそろ大きな嵐が来るぞ」と。

専門はウェブサイト関係。構築じゃなくてコンテンツ設計。LPも含めた広告設計なんかも含んだ、いわゆるウェブマーケティングが主体です。
時々WordPressサイトのメンテナンスとか、セットアップもやってます。

あれ? ことほむ 合同会社ってなんなん? って思えるかもしれませんが、こちらは仲間4人で共同運営する組織で、まだみんなが余裕で食っていけるだけの利益はありません。そこで役員に課せられている「足りない分は自分で稼ぐ」部分にフリーランスが当てはまります。

最初から食っていけるようになってから、いわゆる法人成りすれば良いじゃん。って経営コンサルの先生から言われそうですが、当初はその予定だったのですよ。取引の問題で法人を立ち上げておく必要があったのです。そして、立ち上げた初年度にイロイロあったのですよ。イロイロ。

ここで愚痴っちゃなんですが、本来なら年商1千万円は超えてました。だからその時点でフリーランスは全員辞めてても良かったんですよ。

まあその話は別の機会にでも。(することがあれば)

フリーランスの限界が見えてきた。

齢50も過ぎてくると、新しい技術の習得にも…とは言いません。わりと勉強している方なので、若い子に比べたら習得には時間はかかりますが、それなりに取り込めてます。

そうじゃない外的要因に、フリーランスのままだとまずいねの影がちらほらしはじめたのを感じています。

それは仕事がないんじゃなくて、多すぎるんっす‼ いや多様すぎるか。

ひとえにフリーランスと言っても全ての業界等しくではなく、自身が関わるウェブマーケティングとことほむ 合同会社の仲間がかかわるデザインに関することに限定していると思ってください。

ただ、ひょっとしたら他の業界でも当てはまるかも? 参考位になるかも? と思って眺めていただければ幸い。

まず、ウェブマーケティングにおいては[やることが多くなってきた]に加えて、[マネジメントできる人(会社)が僅少]なことです。

たとえばKPIを測定するLP設計のあと、タグマ―ジャーでの作業、ボタン・ページそのもののデザイン作業、レスポンシブしたときのウィンドウサイズをjsで取得する設定やUI動作といった一連の埋め込み作業やスクリプティング作業に加えて、LPへ誘導するためのバナーそのもののデザイン、コピーライト、写真撮影、ストックフォトやイラストなど権利関係のチェックといった工程を乗り越えて運用に入ります。

この作業、一人ではなかなかにしんどくてミスも多発しがちですから、フロントエンドとデザインと調査・確認に分けて作業する必要が出てきます。で、それをちゃんとマネジメントしてくれる人が必要なんですよね。

それぞれの担当を分けたとして、ちゃんとマネジメントしてくれる人って…すごく少ないと感じました。そのため、結局上工程の人がマネージャー兼任することとなるのに、工数請求できないというジレンマに陥ってきます。(結果的に自分でやることとなる)

同じクライアントで、同じ仕事ばかりなら、チームが固定されて良いのですけど、フリーランスっていろんなプロジェクトに顔を出せるのがメリットなため、チームが固定されにくいんです。固定されたらされたで、そこに依存することとなるため継続リスクが発生しますし。

そもそもクライアントにリソースがないからアウトソースされている

という現実なので、リソースが足りたらわざわざ外注に出す必要はないわけです。しかもクライアント側にまわってみたら、一人分の人件費を外注費に回す程度の予算がほとんどなので、中間マネジメントの人が入っても、予算増額にはならないんですよ。よほど大きなプロジェクトでない限り。

これ、法人運営側の立場としてはっきり言えることだけど、売上予想のブレ幅が確定しない間は、絶対に予算増額なんて無理です。他にも足りないリソースがあるので、そこへも分配する必要があるけど、資金調達額が少ないスタートアップにとっては無理なんです。だから、内製する部分は内製化して、本当に必要な部分だけアウトソースするようにしてます。ことほむ 合同会社は。

潤沢にスタートアップの資金を用意するためには、ぶっちゃけ一度国外に行くしか無いのが現状。日本国内では無理。評価システムが違うんですよね。

まあ、そんなクライアント側の事情も察しながらやってるんですけど、この状態のまま死ぬまで同じ作業を繰り返すのか? とか思ったら、絶対にどこかで破綻します。人的なリソース部分で。

つまりどこかで成長戦略を組む必要が出てきます。よほど良い人脈と良いクライアントに恵まれた環境を維持できていなければ、売上維持なんてずっと続くものではない。

となると、チームの固定とある程度の流動性を考える必要が出てきます。もうこの悩みが出てきた時点でフリーランスでやり続けることの限界だと思えます。そもそも、自分が本当にやりたい仕事だったのか? って考えると余計に限界点が見えてきます。

そして感じる嵐の予感。

いろいろな人と話していると、流行り病後の世界は、またもとに戻るように考えている風潮を感じます。

…残念。元戻るわけ無いじゃん。表面的には動きが見られるでしょうけど。

ちゃんと把握しないとやばいのは、「子供も大人も、おじーちゃんおばーちゃんもオンラインに慣れた」ってこと。

そして対中包囲網の問題。大手企業の対応と経産省の対応は、また米国政府の方針が変わるかもしれないと期待してる部分が垣間見えること。もちろん他にも想定しているのだろうけど、対外的に発表されているコメントを見かける限り、大陸依存が透けて見えます。

あれかな。大陸進出の事業計画で甘い汁を吸っちゃった部長クラスが、自分の判断は間違っていないって、意固地になっちゃってるのかも。

豪州も英国も欧州も(あのドイツでさえ)対中政策を取り始めているなか、米国だけ見ててもしょうがないし、共産国家の歴史を見ても、発展することがないことは証明されているのに。目先の利益に目がくらんでいるのか?

このままだと早ければ8月くらいに、非常に手痛い仕打ちを受ける大手企業が出てくるのではと、気をつけてみています。(豪州・英国・米国の対中貿易関連の法律に注目)

これによって、何が起こるのか全く予想が付きません。企業に派遣が多い構図から、派遣切りがあるかもしれないのは予想の範囲ですが、そのくらいの痛手で済むのか? です。少なくともそうなった場合、地方では受け皿はどこになるのか、潤沢に受け皿が機能しているのか、全く読めません。

こちらの地方議会を見てても、そんな議論どこにも出てこないですし。

そうなった場合、ウェブマーケティングもデザインもおそらく仕事激減すると思います。正確には二極化かな。出すところは出して、出せないところはプッツリ切る。今までもそうでしたしね。

これは嵐が来る前触れと見たほうが良いのでは?

嵐は破壊するだけじゃない

嵐が来たら終わりじゃんっ! って思ったら負け。

嵐は破壊されるものもあれば、逆に嵐を利用して急成長するものもあります。対外的な事象は大企業ほど影響が大きい反面、国内企業の場合、業種によっては嵐なんて、そんなの関係ねぇってなところも多々あります。

ただフリーランスの場合、割と強力なエンジン(資産力)を持った小舟ならともかく、手漕ぎ(自転車操業)の場合は乗り越えられないかも。

だから小さくても良いから、エンジンのついた船を用意したい。

たまたまイロイロあったことに加えて、流行病と重なったスタートアップのことほむ 合同会社は、小さなエンジンを積んでいる状態で荒波にむかうことになりそう。ただフリーランスの手漕ぎ状態で向かうことを考えたらかなりの安心感があります!

Hello world!

ことほむ 合同会社は、フリーランスがあつまってスタートアップしたわけですが、それぞれの仕事をまとめるということを辞めました。設立当初は寄せ集めて売上を作ろうって思っていた時期、ありましたよ。もちろん。

でも、それはきっぱり辞めました。エンジンを強力にしていくには、資産になるものを「生産」しなくてはいけません。ありがたいことに、最近ではモノ以外のデジタルデータでも資産化できる生産物として認知可能になってきました。

その波にうまく乗っかれば、一気に事業を起動に乗せて、拡大できる可能性がちらほら見えています。

そんな世界はもちろん経験したこともなく、その対応のためにフリーランスは今年度で廃業の予定。さよならフリーランスです。

さらに本来やりたかったことを実現するための道筋も見えたことから、今までの技術や経験は活かしつつも、新しい世界の扉を開けていこうと、一歩を踏み出しています。

フリーランスから法人成りの考え方は、安定した世の中なら先が読めるのでありだなぁと思えましたが、生活スタイルを筆頭に、人々の行動が一気に変化し、モノの価値よりも経験値のほうが重要視される世界において、新しい考え方じゃないと生き残れないんじゃないかな。と思った次第です。


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