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なぜか理解されない私の弱さ、生まれつきの弱さについて

本日は「なぜか理解されない私の弱さ」というテーマで、生まれつき持っている人の弱さについて考えてみようと思います。


■生まれながらの弱さ

遺伝的に弱いタイプというのがあるわけですよね。
僕らはなんとなく知っているんですよ。
生まれつき頭がいい人がいるとか、生まれつき怒りん坊がいるとか、泣き虫がいるとか。なんとなくですが実感としては強い。

だけどなんか努力すれば変わっていくんじゃないか、性格も変わっていくんじゃないかっていう現代の常識にとらわれている。

そういう常識という嘘に支配されてしまっていて、なかなかそういう風に言えないんですよ。

遺伝的に、生まれつき決まっているんだということは言えないんだけれども、そう思えないんだけども、実際、科学的には結構わかってきていることがあります。
もちろん人間の能力、才能、学習による変化というのは、まだまだ未知のことが多い。

生まれた時に全て決まるかというそういうわけでもないし、20歳の時にひきこもりだったらもうこの人は一生ひきこもりなのかというとそういうわけじゃなくて、治療によって変化していくわけですよね。
もしくは学習によって変化していくわけです。

ただ、そうは言ってもやっぱり弱さはあったりするので、ひきこもりの人は働けるようになってもどこか人間が苦手だったり、コミュニケーションが苦手だったりするところがあるわけです。元々持っている弱さみたいなね。

今回は、どういうポイントが生まれつきなんだろうということを話してみようかなと思います。

つまり、究極的に弱い人をこちら側に置いて。
理想の患者というかすごい弱い人ですね。究極というのは机上の空論のような弱さを置いて、こっちは仏様のような強い人を指して、こうなっていくと。

本当はこんな単純な一直線じゃないですけど。
人によっては生まれつきここからここ。

生まれた時にここで、成長の過程でこっちまでとか。
伸びしろがすごく長い人もいたりするんですよね。

だけど、持っている強さ弱さ、この弱さですよね。
この弱さについて考えてみるということです。

■体力、バイタリティ

知られてないけれども実際、活きが弱い人とかいるけど、どういう弱さが先天的に決まるのか。こういう弱さを持っているとうつになりやすいとか、不安障害になりやすい、どういうポイントなのかを、あくまで僕の臨床感覚をベースにお話ししようかなと思います。

例えば、体力やバイタリティーですね。これも結構違いますね。
生まれつき虚弱な人は結構います。
焼き肉食べたら体を壊しちゃうとかお腹が痛くなっちゃうとか。
週3勤務で結構へとへとになっちゃうとか、1日10時間寝ても疲れが取れない人みたいなのがいますね。

こういう人はよく聞くと、小学校の時からやっぱり体力がなくて学校へ行きたいけれども、体力がなくて不登校になっちゃうとか、体力がなくて体育の授業いつもヘトヘトになっていいたりします。

だから昔から体力がないんじゃないですかとか聞くんですけど、でも20歳ぐらいの時は結構ありましたよ、3食ご飯食べれましたしとか、あの時の自分みたいに戻りたいんですみたいな言い方をよくしますけ。

でも20から22歳くらいはみんな元気なんで。

でもそれでも人並みだったというか、人並みよりちょっと下だったとか考えるとおじさんと同じくらいだったとか、おばさんと同じくらいだと考えると、やっぱり生まれつき弱いのかなという人ですね。

週3しか働けない人もいるんですけど、なかなか知られていないですよね。
だから家族からもっと働けと怒られたりとかすることもあるんだけども、実際、低血圧やめまいがするとか、週5で働こうとすると潰れちゃうみたい人がいます。

もちろん逆もいるんですよ。
僕とか医学部結構いますけど、週7で働いても全然大丈夫みたいな。

僕より体力ある人なんか、当直して緊急オペやって論文を書いたりしても全然元気みたいな人もいますから。これは結構差があるなと思います。

■不安になりやすい人

後は不安障害の仲間なんですけども、不安になりやすい人っていますよね。何事に対しても。人に対して対人関係とかなりやすい人がいます。
なった後に切り替える力が弱い人っていますよね。支配されやすい。

ここもややはり生まれつき違うなと思います。

もちろんトレーニングによってこれで不安じゃないんだなとか、学習によって抑え込むことができるんだけども、そもそも感じやすい人感じにくい人ってありますよね。

不安になりやすい人の逆は何かと言うと、問題に気付きやすい人なんですよ。
不安とかぼんやりしたものじゃなくて、こういう課題があるんだなとか、こういう風に思えばいいんだな、この問題は解決しなきゃいけないなと思って、支配されるんじゃなくて抱える必要があるんですね。

すぐ解決できないからこの問題は時間がかかるなとかね。
野菜を育てるのと一緒ですよね。

水をやって農薬をやったら明日には育ってとか、肥料をあげたら明日には芽が出るかと、そんなわけじゃないですよ。時間はかかりますから。

すべての問題とは言わないですけど、ある種の問題というのは抱えないといけないことってありますよね。時間が経っていかないと解決していかない。

最善策を取っても、時間がどうしてもかかるものってありますので、こういうことがちゃんとできるかというのが強さかなと思います。

あと不安に鈍感な人もいますね。これは不安に気づいてないだけであって、こう不安に鈍感なだけなんですよね。無意識に溜め込まれているんですよね。
どこかのタイミングで爆発しちゃう人っています。
これも生まれつき鈍感な人はいますね。でも、無意識下に溜め込まれている。

これの反対は何かというと、不安を感じる。
すぐに対処する、溜めこむんじゃなくて感じてすぐに対処できるということ。
爆発するんじゃなくて、小出しで消化するということですよね。

強い人というのは逆に生まれつきそういうのが上手いですね。ここの対処能力ですね。不安という曖昧なものから言語化していく。
素早く言語化して、「不安」を言葉にして「問題」に変えてあげる。
混乱するのではなくて対処するというか。

だから言語化能力と問題解決能力を上げていくのは一つの重要なファクターだし、小さい一個一個ですけれども、その小さい一個一個を解決していくと爆発しないんですよね。

ストレスとか問題を曖昧にしないで、気付いたらパパパパッとやっちゃうと結構良いんですけれども、これが苦手だったりするとあれかなと思います。

■ASD/ADHD

後はASD的な要素ですね。自閉的というか、他者と交流すること、交流して変化することを好まない人っていますよね。より自閉的な人。
やはりこういう生まれ持ったそこへの苦手さとか、弱さっていうのもありますね。

変化を嫌うとか、自分のこだわり。
あとは知識の偏りがある、情報量が少ない。

「なんで益田先生よく知ってるんですか?」というと、知らないうちに覚えていたりすることも結構いっぱいあるんですけど、僕は。
医者って結構雑学王が多いんですよ。豆知識みたいな。
普通に生活でも入っていく人たちが多いですね。

でも、逆に普通に生活しているだけでは全然入っていかない、常識とかが入っていけない、そういう人たちっていうのは損だと思いますね。意識して勉強しなきゃいけないんで。

あとはコミュニケーション能力、会話能力。やっぱりお喋りって得ですよね。アウトプットするので。感情表現がうまいとかね。

これもやっぱり生まれつき得意とか好きな人もいれば、そうじゃない人もいるので、ここも差だなと思ったりします。
こういう弱さがあったりしますね。

あとはADHD的なものとして集中力とか、感情のコントロール、衝動性ですね。
感情のコントロールが生まれつき得意な人もいれば、苦手な人もいる。
集中力とか注意力。

これは似ているんですけど、メタ認知、客観視する力だったり、客観的に物を見たり違う視点から物を見たり、自分の考えに固執せず、別の角度から物を見る力とかね。

あと哲学的な飛躍、常識を疑う力。何かに固執する事がなくて自由に物を考えられる力は結構あるといいなと思います。

■忘れる力

トラウマ、忘れる力ですよね。
忘れる力がある人とない人もいます。

トラウマに支配されていて、どうしても忘れられない、こだわってしまう人もいれば、比較的すぐ忘れることができる人たちもいます。

つまり忘れる力は、もう一方のことを言うと、具体的なものから抽象化する。
抽象化して情報圧縮する力でもあるんですけど、この情報圧縮する力が弱いといつまでも具体的な情報を覚えていて、しかもそれが他の情報を圧迫する。

記憶に干渉しちゃって、他のことが覚えられないみたいなことが起きたりします。

だから早く具体的なものを抽象的に押さえておく、圧縮しちゃうと本当はいいんだけれども、それがなかなか苦手とかあったりします。
結局IQ的なこととも似ているという話ですよね。

ここら辺は境界知能とか、いわゆる地頭と言われたりしますけども、こういうものは鍛えても伸びにくかったりするし、されど鍛えていかなきゃいけないし、そういうものが生まれつきの持っている弱さだったり、臨床的な岩盤になってきますね。

普通の人だったらこれぐらい説明して「ああ、なるほど」と済むところが、病気や障害が重いとなかなかいかない。

進もうとしても知的な能力でぶつかることもあれば、トラウマのせいで回避しちゃう、素直になれなかったり。感情的な抵抗があって育っていかないんですよね。
でも臨床しているとそういうことをよく考えたり感じたりします。

■伸びる人もいれば伸びにくい人もいる

だから逆に、人によっては伸びる人もいれば伸びにくい人もいるんですよね。
これがわかっているとあまり人のことにイライラしなくなっていきますね。良くも悪くも。

この人は不安になりやすい人なんだなと。だからそれで慌てているのは甘えとかじゃなくて仕方がないんだなとか。

鈍感で不安を感じないよ言ってるけど、この人は鈍感なんだなと。だから後で爆発する。それは早く言語化してやれよとか周りは思うかもしれないけど、やっぱり難しいんだろうなとかね。

コミュニケーションが苦手なんだな。じゃあもっと人と喋りなよとか、もっと自分で感情を言わなきゃいけないよってみんな言うんですけど、言ってすぐできるものじゃない。こういうのもトレーニングは大事だよねとか。

集中しなさいとか、感情をコントロールしなさいと言ってもできないから、

生まれつきできない人もいるので、じゃあどうやってトレーニングしていくのか、薬物治療をしていくのかということなんですよ。

忘れた方がいいよって言いますよ。
本人だって忘れたいけど忘れられない。

忘れられないんだったら忘れるためにはどういうトレーニングをしたらいいのかとか、例えば具体的な生々しい情報は、語り直していくことによって抽象化していく、記憶を整理していくのか。

メタ認知とか哲学的な飛躍というのも、パッとわかる人もいればやっぱわかりにくい人もいるんですよね。

わからない場合はそういうトレーニングをしていく必要があるんですね。
違う視点から見る練習とか、客観的に見る練習。哲学的な学びも大事ですね。
なんだかんだでトレーニングを僕も受けてますね、ちゃんと。

客観的にものを見るために実験をしたり、理系的な知識を受けたり、科学リテラシーを学んだり、また同じことを実験したり論文書いたりするわけだし。
哲学的な飛躍、自由になるために、哲学の思考実験とか哲学書とか。
簡単なやつでいうよ、子供哲学教室みたいなやつはよく読みます。やっぱ好きだから。

あと科学哲学とかね、結構分厚い本を一回読みましたけど。
そういうトレーニングをすることで、今の自分があるなと思います。

でも、それは患者さんたち全員にやれとかそういうことを言いたいわけではなくて、弱さ、私はダメなんだではなくて、生まれつきのものもあるし、それに加えて好きだからトレーニングもしているんですよね。

だからやっぱり苦手な人とどんどん差が開いていっちゃうというのもあるので、得意になれとは思わないんですけども、苦しみが減るくらいの努力が大事になっていくんですよね。

■苦しみが減るくらいの努力が大事

だからこれって結構むずいんですよ。
精神科の治療は、薬の力によって脳を変えてあげる治療、次に精神療法やカウンセリング。

学びやカウンセリング、相手との信頼関係とか学び、会話とか学びを通じて自分が変わっていくことで、不安や困難を乗り越える治療。
3つ目が環境調整。

福祉とか色々な力を借りて、周りの人の助けを借りて不安やも困難を乗り越える治療。この3つですね。

薬で変える、自力で変える、他力で変える。

この自力で変えるとは何かというと学びなんだけれども、学びのポイントとしてはこういうものがある。

でも、これはある種生まれ持った弱さでもあるし、成長はする。だけどどれくらい成長するかというのは、伸び代は人によって違うし、何をやっても伸びにくい、本当にちょっとずつしか伸びていかないこともあったりする。

それを周りの人は結構知らない。

ましてや精神医学とか臨床の経験が乏しい人とか、本当にこういう問題にぶち当たった時に、何度も言い換えたりしてもなかなか成長できなかったり、変わっていけなかったり。

いわゆるカウンセリング不毛期みたいなところですよね。半年くらい同じテーマをずっと喋っていて、半年とか1年経ってきてようやくちょっとステージが変わるみたいな経験をしないとわからないことでもあるなとは思います。

でももちろん人間は変わっていくんですけどね。変わっていく人もいる。
でもやっぱり本当に重い人。例えば重度の知的障害のある自閉症の子とかですね。
変わっていかない部分はありますよ。

トラウマが苦しくて、どんなにやってもトラウマを抜けていかない。だからもう離れるしかないみたいなこともありますから、そういうことなんですけどね。
ちょっとイメージしてもらったらなとは思います。

自分の弱さを受け入れて、どれくらい成長するかわからないですけども、伸びしろはどれぐらいかわからないけれども、医師にもわからないですけれども、それでも進む。

予定説みたいな運命論と似ていますけど、キリスト教の。そういうことだと思います。

■本日の宿題

生まれつき本当にこういうものが決まってた時に、自分の劣等感に支配されず学び続けていく、変わっていくためには何が必要だと思いますか、というテーマで考えてください。

僕の結論は、他者からの愛情だったり、信頼関係だったりすると思います。
これは小さな成功体験を積むとかではなくて、愛情とか社会からの愛とかだとは思うんですけども。

じゃあそれって神様の愛以外あるのかとかそういう話になるのかもしれないけど。
でも僕はそうなんじゃないかなと思っています。皆さんは気持ちを持っていくためにどういうものが大事だと思いますかね。

小さな成功体験でも良いし、夢でも良いし、他人からの愛情でもいいし、なんか具体的にいろんなものを書いてもらっていいかなと思います。
もちろん匿名性を保った上でお願いします。

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