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Wasei Salon透明化プロジェクト No.2 金井塚悠生

こんにちは、Wasei Salonメンバーの三浦 希(@miuranozomu)です。

waseisalonメンバーの「好きなもの」や「大切にしていること」を紹介する "透明化プロジェクト" の第二弾として、今回は「HOTELSHE,OSAKA」の企画・広報や、映画「少女邂逅」の宣伝担当など、様々な仕事を手掛けているWaseiSalonメンバー、金井塚 悠生さんについて取材しました。

プロジェクトの概要や立ち上がりの経緯については、「透明化プロジェクト」発起人である小林やばこさんの書いたnoteをご覧ください。
「透明化プロジェクトを始めます。」

また、第一弾についてはこちらを。
「Wasei Salon透明化プロジェクト No.1 長田涼」


カンカンに晴れた日曜お昼の渋谷。『おはようございます~!』と陽気な声が響きました。飄々としたふるまいで『昨日大阪から来ました~』とニコニコしながら立っていたのは、今回の取材対象者、金井塚 悠生さん


やばこ
すごい、めちゃくちゃ本。

金井塚
そうなんです。本だらけ。

やばこ
今日持って来てくださった「好きなもの」は、全部本?

金井塚
そうですね。ひたすら、本。もともと、父が読書家っていうのもあって。もう、部屋中が本まみれでした。父からの影響はかなりありますね。

やばこ
どのくらいあったんですか?

金井塚
いや、もう数えきれないくらい。壁面にずらーっと。

やばこ
それはすごい(笑) 昔から本を読むことは多かったんですか?

金井塚
いや、特にそんなこともなかったですね。たしかに本は読んでたんですけど、別にめちゃくちゃ読んでたってわけでもなくて。小学生の時は、普通の子が読むような「ハリーポッター」とか「ダレン・シャン」とか。「少年探偵団」も読んだな。

やばこ
お父さんが持っていた本をかたっぱしから読む、みたいなのは無かったんですか?

金井塚
うん、全然なかった。むしろ怖くて避けてたくらいです。中学生になってからは、ミステリーとか恋愛モノとか。ただただ普通の本ばっかり読んでました。純愛ブームに乗っかって「恋空」とか「世界の中心で愛を叫ぶ」なんかも読んでました。

やばこ
「恋空」、懐かしいなー。

金井塚
中学校が男子校っていうのもあって、めちゃくちゃ憧れてましたね。恋愛。実体験で学ぶっていうのが環境的に無理なので、「最先端の奴はこういう恋愛してるのか…」みたいな感じで勉強してました(笑)

やばこ
ちょっと暑苦しくなりそうなので、カフェでも行きますか(笑)

金井塚
うん、そうしましょう(笑)


やばこ
小学生の頃は、ファンタジー的な作品。中学になって、恋愛小説。高校生になって、どんな本を読みました?

金井塚
高校の頃は、家庭がちょっと荒れてたり、自身少し病んでた時期で。その頃から、だんだんサブカルチャーに寄っていくところがありました。今でも大好きな本谷有希子さんとか、綿矢りささん、 金原ひとみさんなんかも読みましたね。

やばこ
割と女流作家が好きなんですね。

金井塚
そうですね。なんというか、「若い女の子の自意識」みたいなところに興味があって。

やばこ
中学のコンプレックス、ではない?

金井塚
ちょっとあるかもしれないです(笑) でも、なんというか、「世の中の "日の当たらない人" が持つ葛藤」みたいなところに共感するのが多いかなぁと思います。もちろん女の子は大好きですけど。

やばこ
日の当たらない人。

金井塚
僕自身そういう節があったのも事実で。引きこもった時期なんかもあったりして、割と "順風満帆" な人生ではなかったような気がします。そういう人の思いに共感したり、支えたりするのが好きですね。

やばこ
今、金井塚さんは「パラレルワーカー」として色々な仕事をされていると思うんですが、それらの仕事とは関係あったりしますか?

金井塚
すごく関係ありますね。僕、本当は編集者になりたかったんです。サブカルチャーが好きで、小説も漫画も映画もアニメも全部大好きなんですが、それらに共通するのが「アーティスト」とか「作る人」っていう部分で。

やばこ
ほう。

金井塚
自分の世界観を持っていて、その表現方法をちゃんと理解している人が好きです。いわば「アーティスト的」な人。そこに打ち込むことで、自分が満たされたり、使命感を感じていたり。僕にはそういうところがなくて、一種の "憧れ" にも近いと思います。そういう人とばかり仕事をしていますね。

やばこ
具体的には、どんな方ですか?

金井塚
「HOTEL SHE, OSAKA」の龍崎翔子さんや、映画「少女邂逅」の監督・枝優花さんなんかがそうです。強い気持ちを持っていて、それを形にしようと努力している人。そういう方々に寄り添って、宣伝や広報といった形で、世に知らしめていきたいなぁと。

やばこ
まさに、"編集" ですよね。

金井塚
そうですね。ただ、単純に「知らしめる」とか「広める」といった感じではなくて、「"文化圏" を作る」と言う方が近いかもしれないです。

やばこ
文化圏?

金井塚
たとえば映画監督なら、これまでに触れてきた映画に影響されて、新しい映画を生み出したりするじゃないですか。それって、文脈を共有している人にとっては当たり前なんです。「あっ、この人はあの監督から影響受けてるな」といった感じで。

やばこ
うんうん。

金井塚
でも、それって、文脈を知らない人からすれば、何の関係もないじゃないですか。事実として「Aさんから影響を受けたBさんの映画」であっても、知らない人からすれば「Bという人が作った映画」でしかないというか。

やばこ
わかります。

金井塚
僕は、その "知らない人" が、前提する文脈が無くても楽しめて、そこから新たなインスピレーションを得て芸術活動につなげられるような、そういった「文化圏」を作っていきたいんです。だから、単純な「広める」という行為には興味がないんです。そこからどんどん派生していってほしい。

やばこ
なるほど。知っている人も、知らない人も、みんなが楽しめるものを作っていきたいと。金井塚さんは、編集マインドを持っていながらも「作る」と口にしますよね。それはどうして? 言ってしまえば、"作り手" ではないのに。

金井塚
まさに、そこなんです。憧れの気持ちから、プレイヤーになりたいという心が表れているんだと思います。

やばこ
ほうほう。

金井塚
正直、作り手のことがうらやましいんです。できることなら、僕もプレイヤーになってみたい。自分の思いを書いたり、撮ったり、演奏したり、何かの "形" にしてみたい。でも、それができなくて。小説なんかも、書いたことはあるんです。でも、途中で書けなくなっちゃって。今では、「サポート」や「編集」といった形で関われていて、すごく幸せだなぁと思っていますね。

やばこ
これまで話してみて、金井塚さんは「人に興味がある人間」なんだなぁと思います。「サポート」という言葉に "距離" が無いというか。親身になって接して、ちゃんとプレイヤーの右腕役になってる。リスペクトあってのことですよね。

金井塚
ありがたいです。たしかに、リスペクトはありますね。すごくある。でも、100%そうなってしまうと、ただの "ファン" と変わらないじゃないですか。「すごいなー、近づきたいなー。あ、近づけた。やったぁ、嬉しい。何でも手伝うぞー」じゃ、何も生まれない。リスペクトを持ちつつも、ちゃんと彼や彼女の力になれる、 "編集者""サポート役" でありたいとは思いますね。

やばこ
最高だなぁ。本当に良い話を聞けた気がします。こんなに自分のことについて話したことって、あります?

金井塚
うーん、あんまりないですね。今日再認識したことがひとつあるんですが、やっぱり僕、関西人なんだな。しゃべりたがりなんだな、って思いました(笑)

やばこ
最後にオチ付ける感じ、ずるいわー。ありがとうございました。

金井塚
たくさんしゃべっちゃってすいません。ありがとうございました。

取材を終えて

映画や小説、アニメや音楽など、様々なカルチャーに興味を持っている金井塚さん。今回持って来ていただいた本も、アイドル「欅坂46」が特集されたクイック・ジャパンや、自身が宣伝に関わったという映画「少女邂逅」のパンフレット、秋葉原通り魔事件をまとめたアンソロジー「アキハバラ発―〈00年代〉への問い」など、多岐にわたるものでした。

様々な事象に興味を持ち、それぞれに愛をもって接している姿勢は、まさに "パラレルワーカー" にふさわしいもの。正直、まとめるのが大変だったのは否めませんが、続きは彼に直接聞いてみてください。きっと、止めどなくどんどん出てくると思います。

聞き手:小林やばこ(@yabaco_)文・構成:三浦希(@miuranozomu)写真:土田凌(@Ryotsuchida


インタビュー本編はこちらで終了しますが、この先の有料コンテンツでは、金井塚さんが愛着ある、思い出の場所や人に教えたいおすすめスポットを紹介しています。


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