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早稲田卒ニート191日目〜雑な仕事〜

雑にやったことはバレる。

それを見破る経験よりもまず初めに我々は恐らく、見破られる経験をこそしたのではなかったか。夏休みの宿題というのは、いい思い出だ。今日やらなくてもいいことは明日へ持ち越し、それを続けていくうちにいつの間にかなし崩し的に最後の1週間を迎え、やがて答えを写す。バレないように途中、わざと誤答を差し込んでおくのを決して忘れない。全てがマルだと怪しまれるが、適度なバツを入れておけば通用する。と、小学生のときには、または高校生のときにさえも思っていた。が、それは通用したのではなく、いちいち言うのが面倒だから教師が黙認しただけに過ぎない。

そんな経験を積んで大人になり、いずれは相手の雑さを見破ることになる。職人の世界であるバーテンダーにおいても、例えばメジャーカップを一回ごとに洗わない、計量におけるわずか1mlのズレを気にかけない。たとえ仙台にで名店と称される店であっても、どれだけ口コミが良くても、そういう店はある。

これから腕を磨いていこうと必死に修行している若手バーテンダーならば話は違う。既に修行を積んで独立した、そして何年も続いている人気店であっても、かくしたことは往々にして起こる。だって1杯1000円以上するんですよ?と言いたい。しかし客はその場で正直に現実を突きつけたりはしない。それがかえって、向こうさんの腕がそこで停滞する悲劇を引き起こしている。やはり、最初は辛いことであっても、駄目なものを駄目とキッパリ断定してくれる存在を持てることは、有り難いことと思わなければならない。たとえ幾つになったとしても。

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