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「関東出ちゃったよ、今井くん」 4年・今井悠太郎

「今井悠太郎 高輪高校」

9月21日、関東リーグ第13節 東洋大学戦のメンバー表には見慣れない名前があった。

普段、関東リーグのメンバー表に名を連ねるのは強豪校やユース出身の選手たちである。

しかし、その日は私の名前、出身チームがメンバー表にはあった。

高輪高校。

選手権で2回戦まで進むか進まないかぐらいのチームである。

お世辞でも強豪とは言えない。

高校時代は10番をつけていたが、少し技術があるくらいだった。

足はチームで1番遅いし、ドリブルで何人も抜きされるわけでもない、身体が特別強いわけでもなかった。

サッカー選手として目立つような武器は何もない。

では、何故そんな自分が関東1部リーグの試合に出場するほどの選手にまでなったのか?

まずはAチームに上がってからのことを振り返ってみたいと思う。

7月の下旬にAチームに上がってからトントン拍子であった。

8月中旬の金沢遠征でもある程度の結果を残した。

9月の上旬にはトップチームだけの菅平合宿にも帯同した。

なんとかダボスを乗り切ると、いつの間にか後期開幕戦(筑波大学戦)の週になっていた。

リーグ戦前日の練習前に雄大くんから「まじ頑張れ、お前あるぞ」と言われ、最後の5vs5で決勝点のアシストをし、初ベンチ入りを果たした。

そして翌週の東洋大学戦でスタメン出場を飾ったわけであるが

気づいたらいつの間にか関東リーグまで辿り着いていた。

おそらく、ア式に所属している大半の部員が関東リーグで活躍することを目標としていると思う。

しかし、私はア式に入って関東リーグ出場なんて目指したことはない。

なぜなら、高校時代の輝かしい経歴を誇る選手が毎年10人以上入ってくるチームで、私が試合に出ることなんてあり得ないと思っていたからだ。

また、大学サッカーはフィジカル重視と聞かされており、足も遅く、身長も175cmと至って普通の体格の自分には難しいと考えていた。

目標がないならば何故ア式の門戸を叩いたのか?

それはサークルに満足できなかったからである。

「サークルがダメなら体育会か」と軽い感じでア式に挑戦した。

ランテストをパスし、仮入部が認められた。

練習参加をした当初は毎日ボロクソに文句を言われ、何度もトイレで涙を流し、「入部できないだろうなあ」と思っていた。

しかし、頑張っている姿勢を評価してもらい、入部が認められた。

1年次の私は、去年や今年の入部基準であれば入部は厳しいレベルだった。

(下級生の頃の話は去年の部員ブログに綴っているので、興味がある方は是非ご覧下さい)

しかし、目標もなく、実力のなかった選手が3年の月日を経て関東リーグまで登りつめた。

ということは今いる部員のみんなにチャンスがあるはずだ。

下のチームでプレーする時間が長かった私が言うのだから間違いない。

俺より上手い奴、足が速い奴、身体が強い奴はBチームにだって数多くいる。

そんな人たちの希望に俺はなりたい。

希望になれるのは私しかいないはずだ。

しかし、1度しか関東リーグに出ていない私の言うことに誰が耳を傾けるだろうか。

「たまたま運が良く出た」と言われればそれまでだ。

先日、私が敬愛してやまないヒロシくんと話す機会があり、その時にこんな言葉を頂きました。

「1度目は美談、2度目が本物」

本当にその通りだと思います。

だから私はもう1度関東リーグのピッチに立ち、結果を残す必要がある。

そうすれば下のチームで悔しい思いをしている選手、先が見えない選手の希望となれるだろう。

「今井でもできたらなら俺でもやれる」

1人でもそう思ってくれる選手が増えることを願って、あと3試合の内に必ず俺は結果を残す。


ここで締めたいところですが、あと2つ伝えたいことがあります。

1つ目は総監督の小柴さんに対しての感謝です。

これまで私は本当に素晴らしい指導者の方に恵まれてきました。

小学校の時は北コーチ。

中学、高校は恩師の竹原先生。

そして、大学では小柴さん。

私が試合中に不必要なファールをした時はダッシュを命じられたこともありました。

グラウンドで下ネタを言って何回スクワットをさせられたことでしょうか。

練習前に女の子の話で盛り上がり、色々なことを教えて頂きました。

そんな小柴さんにはサッカー面でもたくさんの有難いお言葉を頂きました。

「お前はこのままじゃ絶対に後悔するぞ。」
「関東リーグに出るか出ないかどうかで今後の人生は大きく変わるぞ。」
「俺はお前に出て欲しいんだよ。」

言われた時はおちゃらけて返事をしていましたが、本当に心の底から嬉しかったです。

本当にありがとうございます。

小柴さんがいたからここまで踏ん張ることができ、関東リーグに出場できました。

今年で勇退される小柴さんに、関東リーグでゴールを奪い、感謝を伝えたいです。

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最後に、現在残留争い真っ只中のチームを代表して闘っているトップチームのみんなに伝えたいことがあります。

東洋大学戦にスタメン出た時、俺がしょうもないミスをしてピンチになってもポジティブな言葉をかけてくれてありがとう。
「緊張しないでいいよ」と言ってくれた人もいたよな。まあ、全く緊張してなかったけどね。
交代するまでの60分は本当に楽しかったし、何のプレッシャーもなくプレーできました。
間違いなく関東リーグの他チームの選手と比べても能力は遜色ないよ。
でも、ただやっぱり少し劣勢に追い込まれるとみんな落ちちゃうよね。
そんな時には2年の時の罰走であんなに盛り上げていた俺がいなきゃなって思うんだけど、、
必ず次節からはメンバーに入って雰囲気明るくするから楽しみに待っててよ。
普段通りの力を出せば絶対に残留できると信じてる。
他人事みたいになってるけど、本当にこれまでみんなに迷惑をかけた分、点とってチームに貢献することを約束します。

みんな愛してる、頑張ろう。


今井 悠太郎(いまい ゆうたろう)
学年:4年
学部:文化構想学部
経歴:高輪中学校→高輪高校

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