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「わせコマ1万ダウンロードの達成に隠された、地道な努力(前編)」熊谷豪晃さん_早稲田生インタビュー#047


突然ですが、みなさんは履修登録の際にまず何から始めますか?
私は初めて履修登録をした際、冊子を開いて「めんどくさ…見づら…」と思って以来、友達にすべて任せています(笑)

今回インタビューしたのは、そういった面倒な気持ちから自ら「わせコマ」というアプリを開発し、早稲田生のお助けマンとなった方です!

お話を聞いて、便利なアプリ機能の一つ一つに人の手が加わっており、地道な努力が隠されていたのだと感じさせられました。


立石:本日はよろしくお願いします。

熊谷さん:お願いします。

立石:まず最初に自己紹介をお願いします。

熊谷さん:早稲田大学文化構想学部3年の熊谷豪晃(くまがい たけあき)と申します、よろしくお願いします。
今は、早稲田大学生向けの総合情報アプリを運営しています。時間割とかサークルの検索とか、科目登録の際のシラバスの検索だとか、あとは空き教室の検索とか…そういった大学に散らばっている色々な情報を集めて、アプリとしてリリース しています。はじめは趣味範囲でやってたのが、13000くらいダウンロード数いっちゃって…笑

立石:え!凄いですね!

熊谷さん:何とかお陰様で…。今はそこに専念している感じです!それをサークルみたいな感じで2人でやっていて。他にも野球サークルとかボランティアとかやってましたけど、今そっちの方はあまり力を入れてないです。

立石:アルバイトの方はなにをされていますか?

熊谷さん:掃除清掃の…ビルメンテみたいな、泥臭い仕事をやってます(笑)

立石:そんなこと無いです(笑)
その「わせコマ」というのはいつ始めたんですか?

熊谷さん:もともとチームとして発足させたのは去年の10月ですね。 4~5月ぐらいに1万ダウンロードいったので、半年ぐらいですかね…。

立石:えー、早いですね!そんなにすぐに広がるんですね。じゃあそのわせコマは、また後でお話たっぷり聞かせてください。

ーーー「授業以外でも学べるのが早稲田の魅力」ーーー

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立石:次に大学受験に関する質問なんですが、熊谷さんはどういった形で早稲田大学を受験されましたか?

熊谷さん:自分は早稲田実業っていう系属校の出身なので、受験はあんまりしてないんです…受験の大変さっていうのを見る人にお伝えできるかわかんないですけど、自分も高校にいたときに早稲田大学がどういう大学で、どういうことが学べて、どういうことが出来る…みたいなのは色々調べていました。だからモチベーションの面では、「早稲田大学を目指す」という強い気持ちは他の受験生と同じでしたね。

立石:その早稲田実業から早稲田大学に行く人はどのくらいいるんですか?

熊谷さん:9割方いますね。

立石:へ~!

熊谷さん:だから、ちゃんと勉強を頑張れば、という感じですね。

立石:じゃあ周りもみんな目指している人たちっていう感じなんですね。
高校の時は野球をされてたんですか?

熊谷さん:軟式の方で3年間やってました。

立石:そうなんですね!大学のテスト前とか、いつもどんな感じで勉強してますか?

熊谷さん:大学入って、前期でまず自分が試験に向いているかレポートに向いてるか知るために半々くらいの割合で授業をとって、自分は試験が向かないタイプってわかったので全部レポートでやってますね。

立石:なるほど…!自分の向いている方法を探ったんですね。

熊谷さん:そうですね、最低限落とさないようにって。それよりは授業以外のところでも学べる事って多いですし、それが早稲田の魅力ですね。
授業以外のことで自発的に取り組んだら、それを周りが認めてくれるし応援してくれるので。座学とかでは学べないものがついてくる、というのもあると思います。だからそこまで授業全科目を履修することに意味があるのかというと…それは自分的には疑問ですね。

立石:とりあえず単位は最低限とって、座学以外の他の事にも注力するっていう感じですね。
今まで早稲田暮らしでインタビューしてきた人たちも、確かに授業以外で自分でいろんなことしてる人達がすごい多いなというふうに感じました。

熊谷さん:早稲田大学を目指す人は本当に人それぞれいろんな動機で入っていて、それぞれに色んな良さがあると思うんですけど、「いろんな人がいる」っていうのを認められるのが、また早稲田の良さだと思います。

立石:良いですね、すごく素敵な大学です(^^)

ーーー「アプリの裏に隠された努力」ーーー

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立石:次の質問なんですが、さっき言っていた「わせコマ」の活動についてお聞きしたいんですけど、アプリについて詳しく教えていただけますか?

熊谷さん:時間割アプリですね。一般的には、みんなリクルートのアプリとか使うじゃないですか。で、科目登録の時には大学のシラバスをわざわざ検索して、早稲田のホームページで見たりとか、サークルは各サークルのSNSを見るかもしくは早稲田で600円くらいで売っている本を買うか…いろんなところに情報が散らばっているので、それを1つのアプリとしてまとめた、という感じですね。
それから「空き教室検索」がうちのアプリの機能であるんですけど、曜日と時間を選択すると、「その時間帯のどこの教室が空いているか」というのを表示してくれるっていうのがあって。これって今までなかったものなんです。

立石:それは熊谷さんが実際に大学の履修登録をする時に、違和感や不便さを感じたんですか?

熊谷さん:そうです、毎回毎回不便に感じたんです。違う場所に行ったり来たりっいうのが面倒だったので、「全部まとまっていれば楽だな」って思って作った、という感じですね。

立石:なるほど!アプリを作る技術は誰から得たんですか?

熊谷さん:もう1人の仲間が理工学部の物凄い人で。自分も彼にプログラミング教わったんです。

立石:へ~!

熊谷さん:彼は独学で勉強して、自分も独学で彼に教わって…

立石:独学!?すごい…

熊谷さん:サービスを作るときに、もし仮にプログラミングができなくても誰かエンジニアを雇って、自分は「サービスを思いついて形にする」っていうことに注力する、っていう形でもできるかもしれないですけど、「本当にサービスを良くするんだったらシステム側の面でも自分が分かってなきゃいけない」っていうふうに思って勉強して、一緒にやってできたという感じです。彼がいたからできたことです…。

立石:へー!自分自身もちゃんと知っておこう、と思って勉強されたんですね。

熊谷さん:彼ほどではないですけど、でも基本的なことを押さえていればあとは応用なので、 そっちのほうが効率がいいですよ。「このページのここをこうした方がいい」とか、「こうしてください」みたいな話をする時とかも伝えやすいし、指示とか意見がぼんやりしないので。

立石:そうなんですね。このアプリを広める時って、最初は大変だったと思うんですけどどうやって広めたんですか?

熊谷さん:いや死ぬかと思いましたよ(笑)もういろんなところ回って大変でしたね。在校生にも広めたいし、早稲田大学の名前を謳っているから大学とも良い関係性を気づかないといけないしで。最初は大学に挨拶行って、職員とか教授とかと仲良くなるところから始めて。

立石:在校生や新入生に広める時はSNSですか?

熊谷さん:そうですね、新入生はSNSが多かったです。在校生の場合は1人1人当たるような感じでした。

立石:わぁ、もう本当に地道ですね…!

熊谷さん:だけど、やっぱり何の力が強いかっていうと口コミの力で。例えば100人ダウンロードしてもらって、その人がもう1人紹介するだけでユーザーは2倍になるっていうのが積み重なっていって、初期段階である程度在校生が使ってくれるとそれが謳い文句になって新入生の心にも響きやすくなるっていう感じでしたね。

わせコマ公式Twitter

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↑なんとフォロワー1700人越え!!影響力の強さを感じます…!

立石:へー!!なるほど。知らないところですごい努力があったんですね(^^)「口コミの力がすごく強い」っていうのは実際広めていっている中で感じたんですか?

熊谷さん:ものすごい感じました。アプリをリリースすると、1日のダウンロード数が見れるんですよ。ダウンロードした人数も見れるし、アプリを消した人数も見れるんですよ。最初は数も少なかったけど、ある時急に、自分は何もしてないのに増え始めて(笑)

立石:え~!!

熊谷さん:確か科目登録の時期だったんですよ。今まで地道に回った100人という人が、「これいいよ」っていう風に広めてくれて、一気に爆発的に広がる、っていう。だからその時は1番びっくりしましたね(笑)「僕何もしてないじゃん」って。

立石:急にって驚きますよね。想像できないです(笑)

熊谷さん:「地道な作業が1番大事」って学びましたし、「口コミの力って偉大だな」って思いましたね。広告宣伝費って実はほとんどかけてないんです。ポスターを全学部に貼って回ったことがありましたけど、数千円ぐらいで。

立石:直接言うことの大きさってすごいですね。
宣伝する時に、信頼関係を相手と築くために気遣ってることはありますか?

熊谷さん:ユーザーに対しては、大前提としてこっちは「アプリを入れていただく立場」。でも入れていただく立場はその瞬間だけで、結局「ダウンロードしてもらったら勝ち」っていう状況を作るのがユーザー獲得においては1番効果的かなって思います。

立石:といいますと…?

熊谷さん:どういうことかというと、10月にチームが発足して初めの1ヶ月でひたすら機能をブラッシュアップしていたんですよ。もうこれまでにないくらいしっかり!
まずは機能の軸を固めて、機能性を上げてエラーも無くす、っていうのをひたすらやりました。そこまで完璧なものができたら、あとは入れてもらうだけなんですよ。だから最初は「入れてよ~、これマジでいいから」ってお願いするんだけど、入れてもらったら後は向こうが「これいいじゃん」って使ってもらうだけなので、そういう状況を作り出すというのは1番初め念頭に置きましたね。

立石:確かにアプリの機能がちゃんとしていたら、使う人はずっと使い続けますよね。

熊谷さん:大学に対して信頼を築くには、とりあえず「自分の熱意と目的を明確にした上で ひたすら丁寧にお願いする」といった感じですね。自分もサービスが大きくなるにつれて今まで話に行く立場だったのが、例えば「お話しませんか」って言って下さる方が増えてきたんですけど、その中でも「何が言いたいの」って思う人と「あ~、物凄い熱意が伝わるな、何が言いたいかわかるな」っていう人が両極端で。協力しようと思うのは熱意と目的が伝わってくる人じゃないですか。そこに丁寧な喋り方と心遣い、誠実さがあればなおさら良しっていう感じですね。

立石:大学側にそれが伝われば信頼感も高まりますね(^^)

熊谷さん:それから、うちは個人情報を今一切保持していないんですよ。メールアドレスとか全然引き出していなくて。大学のメールを使うのはやめてくださいっていう風に言われてるので、うちはそれをクリアにするっていうのは念頭に置きましたね。

立石:確かに個人情報使わなくて良かったら安心します。

熊谷さん:そんな感じかな…。ゲームとかだと「飽きた~」とかありますけど、ツールだと日常的に使うし、機能で示さないといけないので、そこをきちんとブラッシュアップしました。

立石:実際みんなそれでずっと使ってますもんね。すごくしっかりした機能なんだなっていうのがわかりました。

熊谷さん:ありがとうございます(笑)


ーーーーーーーー実際にわせコマをインストールしてみました!ーーーーーーー

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↑授業は、学部・曜日・時間を入れて検索することができます。
把握しきれないくらいあるサークルは、いくつかのジャンルごとで知ることができるので便利ですね!

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↑ こちらはわせコマ独自の機能である、空き教室検索(これについては後編で詳しく)。エリア・ジャンルごとの飲食店検索なんかもあるんですね。

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↑おそらくみんなが知りたいであろう授業に対する学生の本音もこのアプリで知ることができるそうです!まさに早稲田生のためのアプリですね(^^)

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ーーー「わせコマを通して」ーーー

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↑ベトナムへボランティアに行った際のお写真。
みなさん楽しそうです(^^)

立石:次の質問です。このわせコマを作ってよかったなって思うことを教えてください。

熊谷さん:そうですね、まずは便利な機能をこれだけの数みんなに提供するのは最初の目標でもあったので、その目標を達成できたのは嬉しかったですね。10月に1万ダウンロードを目標にして、無理かと思ってたら4月に突破できたんですね。

立石:へー、すごい!

熊谷さん:ただ、その後コロナっていうのもあって低迷していて…今13000ダウンロードあっても、全員が使っているわけではなくて、やっぱり消している子も中にはいるので、そういうのを見るとやっぱりダメだったのかなって思ったり…

立石:そんなそんな!笑

熊谷さん:そういう低迷期が何ヶ月かあって…でも、この前新入生の子と関わる機会があってその子に「このサービス、早稲田生全員使ってると思ってました~!」とか、「僕の友達はみんな知ってます!」とか言ってもらえて。本当に嬉しいなって…。救われますね。

立石:その言葉すっごく嬉しいですね!(^^)

熊谷さん:それから、すごくいい関わり合いができるようになりました!今こうやって取材を受けているのも、これをやらなかったらありえない話でしたから。
あとは大学の教職員の方、早稲田の商店街役員の方、企業の方とかもよくしてくださっている方がいるし、学生同士の交流に関しても、早実出身だったからやっぱり内部で固まるんですよ。でも徐々にコミュニティが広がっていって、同い年ながらも「この子考え方とかやってることすごいな」って思う子もいるし、もちろん先輩でも後輩でも…。

立石:わせコマを通していろんな人との関わりが増えたんですね(^^)

熊谷さん:今はアプリに1円も収益を発生させてないんですよ。だけどまあ、お金には変えられない財産がありましたね。

立石:そうなんですか!わせコマが熊谷さんの代名詞みたいな感じですね(^^)



前編はここまでとなります。
後編では、アプリ開発の裏側や熊谷さんの普段の生活について深掘りしていきたいと思います!

インタビュアー:立石恵梨奈
構成・編集  :立石恵梨奈
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