入試問題からインプット

入試問題は各大学の先生や専門家が学生に読ませたい洗練された本、そしてその中でも1番読ませたい部分の抜粋であると考えられる。
問題はその文章の肝であったり、問題作成者が発するメッセージでもあると考えている。

世の中のありふれた本からフィルターをかけてくれた上での傑作と捉えてよい。
いろんな大学や学部の文章を読むことで偏りも少なくして知識として蓄えていきたい。

英語力も鍛えて英語も読めればより良い。

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2021岡山大学文
渡辺裕感性文化論終わりとはじまりの戦後昭和史1964年の東京オリンピックを現在の視点から分析しそこに我々が抱く国際化のイメージとは異なるものがあったことを考察した文章当時の東京オリンピックには今の我々の心性や感性とズレていると思う点がある閉会式で使われている蛍の光に白またオリンピック参加の歌手にしろ今の国際感覚とは相当にずれているまた陸上競技でスタート合図を日本語でしたことも同様である日本語で合図をすることが国際化つまり自国語による文化の確立が国際化だったのが嘘のような国際化は英語帝国主義的なあり方しか思い浮かばない今の我々に一石を投じてるように思われる文化の持つ多様性や日本文化の歴史や現在について新たな視界を開かせてくれるのではないだろうか


2021慶應法

政治は大多数を対象として行われるべきものであるがそこからは必ずこぼれ落ちるものが出てくる文学はそういう個々人を救うべく存在しているそしてそれが本質において前人間の救えにつながるのである良き政治は自己の欠如を補うこの文学の機能を肯定するが悪しき政治は文学文字ことを競いすることを強要するこの文学と政治との対立の根底には個人と社会との対立が潜んでいる現代の風潮はすべてを社会的なものに還元し個人の自立的な価値を世界を認めようとしないまた人々も個人的価値のそこに英語泉を見それを社会的価値に対して恥じるしかし実際は社会こそが醜悪な子がの赤裸々な闘争の場と化しエゴイズムを生み出しているのである政治と文化社会と個人との融合は理想ではあるがそれは両者の完全な一致を意味しないむしろ両者を泰然と区別しそれぞれが自らの存在と方法を是認し尊重しそれぞれの目的や価値を全うすることこそが理想なのである

2021慶應経済

岩井克人21世紀の資本主義論時代とともにの家大きなアメリカ小さなアメリカの全文

大きなアメリカはドルが世界中で流通する基軸通貨であることに支えられているドルが世界中で使われるのは世界中でどれが受け入れられているからという自己循環論法に基づくが基軸通貨であることでアメリカは自国の生産以上のドルを流通させ他国の製品を余分に買い 丸儲けができると言うシニョレッジを有する。それだけに普通の資本主義国として行動してならず基軸通貨国として全世界的な責任が課されている。10大国際関係は支配下対等かという二者択一で考えられてきたが求められるのはその何でもない非対称的な国際協調関係である非対称的な国際協調関係にかけられた21世紀の掛け金は大変に大きいこの事は言語についても言えるはずだ

身近な非対照的な関係としては医師と患者との関係がある国際連合の常任理事国と非常任理事国の関係も同じことが言える

2020東大

松嶋健ケアと共同性個人主義を超えて近代社会を問い直すものとしてのケアの論理の可能性を論じた文章近代社会は自律的で自由な個人としての市民が国民国家を形成しそこから逸脱する人々を排除管理して秩序を維持することをその原理としてきたこれに対しそうした人々に寄り添い強制することで新たな共同性を作り出そうとする試みは個人の主体性と自己責任を原理とする選択の論理とは異なる苦しむ人への共感をもとにその体は忙しい整えようとするケアの論理に立脚するものでありその実践は先に見た近代社会のあり方を問い直しじっとた個人と社会人間と環境などあらゆるものが相互作用し矯正する世界像上野可能性を開くものだと述べている

国家の医療からも既存の共同体からも排除される病において見知らぬ人々が互いに支え合うことを通じて形成していった人間的なつながり公共性を市民社会を守るためにそれを脅かす人々を排除し管理することでなくその人々の苦しみを理解し強制することだと捉え直すこと困難を抱えた人への社会的支援を当人が求め選択するものに止めようとする考え方は個人の自由と自立を自明視する人間観を前提としていること苦しむ人の性を感じし周囲の状況も踏まえて体を忙しい整えるケアの実践は国民国家の枠組みと自律的個人の自由意志を自明の前提とする近代社会を取り直し全てのものが関わり合い相互作用しつつ多様な共同性を片付ける世界のあり方を示唆するということ


2020関西学院大学全学部

五百旗頭薫嘘の政治生真面目な社会のふまじめな政治

身分制社会において行動の動機づけとなった人来と条例及び曲を導く作法について論じた文章。身分制社会においては各身分のほこりや自尊感情と結びついたそれぞれに異なる美徳があった。ところがこの美徳はしばしば情念によって妨げられたり取って代わられたりすることがあった。そしてこれを防ぐのに有用な手段が作法だった 。煩瑣な作法は微妙で複雑な身分間の差異を示しこれを実践することで人々は美徳とそれを有する身分を誇示していたのである

2020関西学院大学英語

幼児期の記憶

2020年岡山大学古田哲也不道徳的倫理学講義人生にとって運とは何かうんをどう捉えるかについて述べた文章を別の人生においては大きな意味を持つ運は倫理学においてありそうや予測などを裏切る厄介者として無視されがちであるしかし実人生では運の影響から目を背けるのでなく運の産物を自ら方作るものの一部として捉えている偶然性と必然性の両義性を持ち曖昧なものであるうんをどのように捉えるかは私たちの人生の個別性や地質を死なないことに直結してるのではないかうんとは偶然的作用と必然的作用の両名を意味するので出来事をどのように見つけるかは各人によって異なる結果となる運は一般的な義務や規範法の原理を考える際には捉え難いものだが偶然と必然という両義性を保ち曖昧であるうんを私たちの生き方の個別生徒それぞれの生き方の複雑性を反映したものと捉え人生の個別性の実質を手放さないようにすること

2020山形大学医学部

守屋淳訳現代語訳論語と算盤

道徳と経済活動の在り方について論じた道着と経済は水と油ではなく調和すべきものだということを主張しているまず論語を例にして道徳家の代表者である孔子が正当な経済活動利益の追求を否定しないことを上げ次に欧米の社会福祉の実情を背景に経済活動の必要性を指摘した上で個人の利益と社会の利益は不可分であることを述べる最後に社会の発展とともに道徳性は高まり欧米では正当な富谷正しい活動によって手に入れるべきであるという風潮が定着していることに触れつつ人間の弱点として利益優先になりがちであることを踏まえ道徳と経済活動を調和させることが必要だと説いている


2020山形大学医学部

三浦和夫現代のジレンマ

他の動物の生活生産様式と比較して人間の特殊性を論じている。人間は種固有の生活様式や生活環境を持たず他の動物と異なる環境に応じた自由な成形性を備えており、社会=文化的道具立てを決定因子として生活様式書定型化され世代間の連続性も維持してきた。自然環境、身体的制限、社会文化的環境に不都合が生じるとそれらを操縦制御し能動的創造的に行動してきた自由な生物である

2020岩手大学人文社会、教育

塩川伸明ナショナリズムの受け止め方言語エスニシティネーションナショナリズムの持つ二面性個人の可塑性と主体性のズレという観点から論じた。人間の持つ可塑性と主体性と文化が持つ束縛生との関係はその人にとっての限界の有無や変容の可能性について変わりうる要因と変わりにくい要因があり、しかもその要因の大小、高低に時間的なズレがあるということ


2020立教大学異文化コミュニケーション

憲法のイマジネーション長谷部恭男

意思決定に起きる理由について考察しなかったからという答えは選択した行動の理由そのものではない。その気の有無は理由とは別次元である。複数の異なる行動の選択肢にはそれぞれ十分な理由があり、比較不能である。そうした選択肢に直面して自らの意思で選択することを通して人々は生きる実感を得る。理由によっては説明させないところに意思決定はある

2020明治大学政治経済

中動態の世界意志と責任の考古学 國分功一郎

権力の関係を中道性という観点で考えることの妥当性を主張する文章暴力関係は能動と受動の対立の中にある権力関係において権力を行使する側行為するという点においては能動的と考えられているがその能動性の下で考えてられている行使される側の自由の受動性しても能動性としても理解できない権力の関係は能動性と中動性の対立によって定義するのが正しい。権力を行使する者は行為プロセスの外に行使される側は中にいるのである

学習院大学2020法学部プラス試験

人口減少社会の未来図で図の資本主義数より質重要 井上智洋 

AI のもたらす労働構造の変化について AI は知的労働の価値を高め頭脳資本主義が進展することを促す。それは人口減少問題はある程度克服することを可能にするが一方で労働市場の二極化をもたらし最終的には不要階級と不老階級の文化をもたらす。この歪みの解決のためにはベーシックインカムの導入とレバリズムから脱労働社会への労働観の転換が必要となる。

津田塾大学 2020 学芸学部 1
佐藤卓己 流言のメディア史

メディア流言は情報の歪曲による情報崩壊ではなく、曖昧な状況にいる人々がその状況について有意な解釈を行おうとするコミュニケーション、情報構築である 。

現代の人々は自らメディア流言を受け手=送り手としてコミュニケーションする一方で AI を用いた正しい情報、客観的な人物評価を望む。しかし快適な情報環境が良い世界とは言えず 極度に客観的な人物評価は自己肯定感を毀損することになり、曖昧さを受け入れて生きることも人間にとって重要だと考えている

この問題文の最後に 「私たち人間の最後の拠り所が曖昧さなのではなかろうか」とある

少し前のDXの記事で書いたが、AIやDXであいまいさを排除していった時に、ほんの一部の実力がある人間は生きやすくなり、そうでない人間は大きなダメージを受ける可能性がある。もし、この状況が加速するようであれば、やはり実力をつけておくことに越したことはない。

立命館大学 2020 全学部 1
福沢諭吉のすゝめ
福沢諭吉のイデオロギー批判の鋭さ
国学ー蘭学
攘夷ー開国
思想に飛びつきしがみつく人の危うさ
桃太郎を引き合いにだし、自己中心主義、独善的な物の見方という集団の無意識のイデオロギーを批判

神戸大学 2020 ▪️1
西郷信綱 日本古代文学史
文学における古典は時代の変化に伴って享受の中身も変わっていく。
あるものを失うことによってあるものが得られるという歴史的矛盾の中で時代と共に滅びず、現代人に対話を呼びかけてくるのが古典であり、この過去と現代に同時に属するものを複雑に入りくんだ歴史的人間活動として捉えるのが文学史である。


中央大学 法学部 2020 ▪️2
機械脳の時代 データサイエンスは戦略・組織・仕事をどう変えるのか?
加藤エルテス聡志(ダイヤモンド社)

機械脳の時代では、個人のキャリア開発の観点では、新たな技術を見据えて必要な能力を涵養することが生産的

中央大学 法学部 2020 ▪️1
坐の文明論ー人はどのようにすわってきたか
矢田部英正

日常動作と物質文化の様式は身体文化の中で密接に結びついて人の感覚や思考の素地を型作る。技術は人間と自然の関係をあらわすのであって物のデザインや制作過程は作り手の意図と生き方を雄弁に語る。

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