見出し画像

ミライシコウ〜5年後の自分と交差する時

歩道が広いお気に入りの散歩道を歩く私
反対側から人が向かってくる
初めは点のような大きさだったが
だんだんだんだんその形が近づいてくる

彼女は光沢のある白っぽい生地に幾何学模様が入った、ウエストがキュッと絞られたワンピースを着ている
ハイウェスト、おとなしめのAラインが子供っぽさを相殺している
足元はこれまた白っぽいキラキララメが入っているパンプスを履いている
ヒールは高くなく、歩きやすそうだ、歩く速度も早めか
姿勢がよく、体幹が良さそうなのは、無理に靴擦れするような高いヒールを滅多に履かないからだろう
手に持っているバッグは、スマホが入ったら他に何が入るんだろうというくらい小さい
自分に必要なものがわかっているからこそ、このサイズでOKなのだろうか、身軽で自由に見えた
キラキララメが入っていて可愛いバッグは、パンプスとコーディネイトされていた
また、彼女は大きなつばの帽子をかぶっており、こちらもホワイト
大きめのサングラスは手に持っている、かけていないのは日差しに背を向け歩いているからか、ファッションというより、機能面で物を使うタイプのようだ
髪型はセミロングで軽く巻かれており、綺麗にセットされている
彼女は、どこぞやの社長か、経営者のように見受けられた

隣には、品の良いスーツ姿の男性が並んで歩いている
仕事上のパートナーにも、プライベートのパートナーにも見える
はたまた両方当てはまるのか
2人は夢中で話すというより、散歩をメインに穏やかに会話をしているふうに見られた
彼女は穏やかな表情を浮かべ、会話の時々ににっこり笑顔になる

私と彼女たちが距離を詰めてすれ違う
その刹那、私は彼女に質問してみることにした
「どうしたらあなたみたいになれるのでしょうか?」
「やりたいことをやること、そして、おそれずにやること」

彼女は微笑を浮かべ答えてくれた
そして軽快に通り過ぎた

私はなんだか不思議な気持ちで歩き続けた

・・・・・・・・・・・・・・・・

5年後、私は知ることとなる

交差した彼女は、5年後の私であったことを



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?