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【オーディブル感想文】汝、星のごとくby 凪良ゆう

読書が好きです。
最近はオーディブルも聞きます。
何となく、オーディブルでは、いわゆるビジネス書を1.5から2倍速で聞いて、小説は図書館で借りてきて紙で読むスタイルをとってました。
小説を倍速で聞くのは、小説の世界観を楽しみたいのに、急ぐってどういうことなのか、何がしたいのかわからん状態になるし、オーディブルを標準で聞き慣れていないため、小説を標準で聴くのに耐えられないのではないか、と思ってました。

でも、最近は小説をオーディブルでじっくり聴くことに決めて、標準で、時間がかかってもいいという体で臨むことに決めました。
そうしたら、ぴったりハマる感覚というか。物語の標準速度、すごくいいな!!と気づきました!!

前置きが長くなってしまったのですが、上記のような経緯があって、小説を聞きたいな、何を聞こうかな?という時に、「汝、星のごとく」というタイトルが目につき、印象的だったので、こちらを聞いてみることにしたのでした。

【あらすじ】
親に問題がある高校生の男女2人が交互にそれぞれの観点から物語を交互に進める構成で、17歳から32歳までのストーリーが紡がれています。
主人公が直面する問題は、いずれも共感できるテーマです。

ストーリーの内容も、物語の構成も、耳で聞いてわかるかな?と不安だったのですが、全然そんな心配は不要で、一読ならぬ一聞(?)ですんなり理解できました。構成力、文章力、朗読力(?)が成せる技なのか。。

【感想】
・島での生活を窮屈に思い、手に職をつけて経済的自立を果たしている女性(父親の不倫相手ですが・・・)を見て、経済的自立こそが、自由の土台、という主人公の考え方が出てきます。・・・これは、まさに所属しているコミュニティ、リベシティの両学長が仰ってることだなぁと、印象深く感じました。

・全体に渡って、心のうちの描写、語彙力、表現力が的確だったので、朗読の表現も相まって、深く、物語の中に潜り込めたような気がしました。
セリフのところは、セリフ調に朗読されるし、登場人物によって、話し方も変わって、方言もあって、朗読によって、よりエンタメ性が増大したように感じます。
オーディブル、すごいぞ!!

・小説の中で、現代社会の問題点がいろいろ出てきて、リアリティがある。
都会と地方、島の古い考え方、会社で女性はお茶汲みをして、男性より出世が遅いのが普通、不公平を諦めてしまう環境、経済的に困窮しないため夫に依存する、LGBT、経済的に成功した時の周りの変化、子供が親を世話するというヤングケアラーの話題、などなど。主人公たちを取り巻く環境は厳しい。
でも真っ直ぐに生きているから、読者としては、主人公の幸せを、ハッピーエンドを期待しながら聞き進めずにはいられない、という感じでした。

・プロローグとエピローグで、デジャブを感じました!プロローグだけ、後で内容を確認したい。(まだしてない)

総じて、ただただ面白いだけの作品ではなく、社会的問題の提議もあるし、語彙や表現の美しさ、ストーリー展開・構成の巧みさもあり、とても楽しめました。

さてさて、次は何を聞こうかな♪



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