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反出生主義者としてAbemaさんにインタビューを受けてニュースデビューしました。

結婚RTAした反出生女、インタビューされる

 フォロワーのフォロワーくらいまでしか読まないと思って書いたこの記事がややバズってから3年が経ちました。お久しぶりです。
 あの時に『この手の女は自分が大好きだからどうせ子供産む』とバカにしてた人たち?覚えてますか?
 残念だったな!こっちは本気だ!
 反出生主義者に対して「反出生以前に相手がいないんだろwww」という低レベルな煽りをする輩がおりますが、相手がいた上で反出生の女がここにいるので覚えとけよマジで。


 さてさて、タイトルの通り、既婚で反出生主義者なのが珍しかったらしく下記の企画でAbemaニュースさんにZOOMインタビューを受けました。30秒ほどではありますがその様子が放送されるようです。

 ある日突然Twitter(頑なにこう呼ぶ)のDMに
『Abemaニュースの者ですが、noteを読ませていただきました。反出生主義について是非お話し聞かせてください』
的なメッセージが飛んできまして。
 いやいやいや!?急だな!?と思いつつ、まあこれも良い経験になるかなーと、軽いノリで30分くらい記者の方とお話しさせていただきました。
 こういうインタビューって内容を恣意的に編集して放送して燃えがちですけど、私を取材してくださったAbemaの記者さんは丁寧にお話を聞いてくださり、事前に色々と気を遣ってくださいました。
 ここで改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

 で、反出生主義的な考えについて赤の他人に話すことが初めてだったので、インタビューを受けたお陰で見えてきた自分の気持ちもあり、このタイミングでnoteに書いてみます。

生育歴ハッピータイプの陽の反出生主義者もいる

 反出生主義には、己の誕生を否定するタイプとこれ以上の出生を否定するタイプの2種類があります。私はバリバリの後者です。
 前者の方は虐待サバイバーだったり何かしらの障害を持っていたりすることが多いみたいです。
 私はというと全然そんなことはなく、両親は良い人だしすこぶる健康だし、出生ガチャでいうとSSRです。

 ただ番組中でも取り上げられておりましたが、父と祖母がしっかりとした不仲で、血の繋がりの呪縛をひしひしと感じて成長しました。
 で、東日本大震災で被災して「えっ、人間ってキショいな」という場面をちょくちょく目撃したわけです。まあでも、このくらいの困難は人生に付きものなのでそんなに気にしてないです。震災の話は引きが強いので番組内でフィーチャーされてるけどあくまで一因ですね。

 己の母親の過干渉に悩んだ父は、それを反面教師として家庭を築き
『家族も所詮は他人。だからお互いを尊重して生活しようね』
といった感じで地方の父親としてはなかなかにレアな先進的考えを体現してくれてました。
 休日は色々なところに連れて行ってくれて色んな体験をさせてもらったし、欲しいものは大抵買ってくれたし、大きくなったら都会に出ても良いと言ってくれました。(結果的に実家の居心地が良すぎて結婚するまで居座ってましたが…笑)

 こんなに良い家庭で育ったからこそ、自分とは真逆の環境にいる人のことを考えてしまい、今後この世に人を産んで良いのか考えるきっかけになったのだと思います。

血縁という呪いがある

 私は豊かな環境でのびのびと成長してオタクになったわけですが、そうじゃない人もたくさんいます。

 私が出生を無条件の慶事と認識できない理由はそこにあるんだと思います。
 産まれた時点で困難が用意されていた人々の悲痛な声が黙殺されず可視化できるようになった今、「それでも産んでくれたのは親なんだから感謝しなきゃ」なんて言えるわけありません。
 産まれた命が健やかに育つ権利より産んだ親が子に暴力を振るう権利の方を優先させる国で子供なんか産まない方が良いです。

 2006年に熊本の慈恵病院がこうのとりのゆりかご、通称“赤ちゃんポスト”を設置した際に『育児放棄を助長する』『無責任に子を産む親が増える』という批判がありましたが、自分には子供を育てられないと判断して他者を頼れる人間は正常だと思います。 
 児童相談所をはじめとする役所は、子供は血の繋がった親が家庭で育てるべきという無言の圧力を放っている気がします。
 しかし、包丁を振り回す母親や性行為を強要する父親にどうして貰えば良いのでしょう。

 日本は法治国家で虐待を罰する法律や養子縁組のシステムがあるんだからそう極端に悲観的に物事を見るなとお叱りを受けそうですが、親が子を害することに寛容と言わざるを得ない司法に私は納得できません。

 日本の人権意識はだいぶ良くなってはいます。他人に対してデブだのブスだの言えば怒られるのも仕方ないという風潮になり、昔の本や映像作品には『現代の価値観では許されない表現が含まれますが、差別を助長する意図はございません』の注釈が付きます。すごい進歩です。
 子供の権利についてももう少しマトモに考えてくれるようになると信じていたんですが、こども家庭庁や共同親権のニュースを見るたびに「あーあ」って感じになります。

 だから、今の段階では『昔からやってるから』『それが自然だから』という惰性を根拠にむやみに子供を産めないと思います。
 私は何の不自由もない環境で大事に育てられてラッキーだっただけで、それが当たり前のことだと勘違いしてはいけないんです。 


人間なんかむやみに殖やすものじゃない

 上記の思考で反出生主義者なんですけれども、やたらと繁殖を勧めてくる人たちの無責任な言動については下記の通りに反論します。

 ①動物が子を産むのは自然なこと
→不自然だらけの文明社会で生きてるのに繁殖の時だけ都合よく自然を持ち出さないでください。

 ②子供がいないと国が滅ぶから
→じゃあ貴方はお国のために生きてるんですね。ご立派です。私はそんなの嫌なのでご遠慮します。

 ③先祖伝来の墓や土地を守る後継ぎが必要だから
→教科書に載ってる武将や旧華族の末裔の方ですかね?こんなところで平民に絡んでちゃダメですよ。

 ④この世に生を受けた以上、何者かになりたいから
→子供という他者の命を使って自己表現をする大人は気持ち悪いです。

 ⑤老後の世話をしてもらうため
→論外です。子供の人生は親のためにあるわけではないです。

そもそも、世界全体として人口は増大しているんだから、今まで散々甘い蜜を吸ってきた先進国と呼ばれる国の人間は遠慮すべきではとも思います。

 以上です。 人によっては気分が悪くなったことでしょう。ごめんなさい。 

 一応言っておきますけど、ちゃんと考えた上でしっかり準備して覚悟完了した人が子供作るのはなんとも思わないです。そもそも、他人の人生に口出しする権利を誰も持っていないからね。

 私がたまたま地獄を楽しく生きれる素質があっただけで、その生存者バイアスを次の世代には押しつけたくないだけです。完全にこっちのエゴです。

こんな世界でも私は楽しく生きたい

 反出生主義者に対して「そんなにこの世が嫌なら死ねよ」などと言ってくる不埒者が稀にいる(お前みたいなのがいるから子供産むのが余計に可哀想になるんだよ)のですが、私は今ものすごく楽しく平和に生きてるのでお気になさらずって感じです。
 ってか、京都めっちゃ良いとこだよ。地方出身で「結婚して引っ越してきました〜」って女は一律お客さん扱いで余計な詮索してこないしそれ以上興味も持たれないみたい。

 夫と結婚したおかげで楽しく生きれてるのは実際マジでそう。
 明日に希望が持てない時代だから助け合える人間を自分で選んで家族に加えるべき。んで、選ぶの失敗したら気軽に離婚したら良いと思う。
 何事も1回で成功することなんてないんだから。

 1度きりの人生だし、人生なんて死ぬまでの暇つぶしだし、国が滅ぶとか命のリレーとか、謎の使命感を持たずに適当にやっていきましょうよ。
 私はそのようなノリで生きてます。ある向きからは無責任かもしれないけど、こんな性格の女が子供産む方がよっぽど無責任ですからね。

 まあ、なんというか、反出生主義者が死ぬ間際に
「こんなことなら子供産んでみても良かったなぁ」
と、後悔できるくらいに急速に世界が明るくなったら良いんじゃないですか。マジで。


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