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アグレッシブにやりたいことができる環境を。

メンバーインタビューの第二弾となる今回は、エンジニアの若手二人にインタビュー。いずれも大学に席がありながらも宇宙ベンチャーに飛び込んだ、チャレンジ精神あふれる二人。はたしてどんなお話となるでしょうか。
インタビュアーを交えた鼎談形式でお届けいたします!


1.まずお二人の自己紹介をお願いします!

木村さん
 兵庫県出身で大学は筑波大ではないところで工学部に在籍していました。もともと宇宙探査のロボットの開発に関わりたいと思っていたのですが、大学院進学の折に東北大学の人工衛星開発プロジェクトと出会いまして、そこで衛星って面白そうだなと思うようになったんですよね。
 人工衛星の開発に興味を持ったまま、JAXAもあることで業界を近くに関われるのではないかと思い筑波大学の大学院への進学を決めました。

そして修士1年生の頃、授業でCTOの永田さんと出会い、宇宙ベンチャーやってるよという話を聞いてWARPSPACEに関わり始めて、2018年11月ごろに入社して、今ここに至ります。

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(実は根っからのネコ好きな木村さん)

セレスタ・プラギャンさん
 ネパール出身で現在筑波大学理工学群工学システム学類4年時に所属。
もともとはロボットの勉強をしようと思い高校から日本に住みはじめました。ですが、実は理論物理の研究がやりたかった思いもありました。ただ高校3年生で進路を決めるにあたって、日本では理論物理学の研究者だと収入面や就職面で将来がなかなか大変そうだという事に気づき、物理学から工学に分野を変え、そして家から近かったということで筑波大理工学群に進学しました。

そして筑波大学の1年生だった頃に友達から結プロジェクト(筑波大学の衛星開発プロジェクト)を紹介されて入ってみたのですが、タイミングとして2号機が打ちあがった直後だったこともあり実際にモノを作れなかったんですよね。そういう手を動かしたくしてうずうずしている頃に永田さんから「WARPSPACEの手伝いをしてみないか?」、と声をかけていただいたので2018年末頃にアルバイトとしてかかわり始めました。

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(公式プロフィール撮影時からオフショット)


ー お二人とも実は社内では長い方になるんですね?
(木村さん)
インタビュー初回の東さんより先に入社してますね、意外と長く関わってます。笑

2.WARPSPACEではどんなことをしているか、教えてください!

(プラギャンさん)
基本的にはCTO永田さんのサポートですね。最初に担当したものが無線機のソフトウェア開発で、最近は地上局のソフト開発。
加えてたまに常間地さんの海外出張に同行したりしています。

(木村さん)
海外に連れていかれがちですよね、ギャン君。
ドイツとかも行ってましたよね?

(プラギャンさん)
行きましたね。ドイツ、ユタ、D.C.などなど。

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(D.C.に向かう機内にて)

ー 常間地さんの通訳しつつですよね。
ー ということは日本語、英語、ネパール語のトリリンガルですか?

(プラギャンさん)
いえ、そこにヒンディー語を加えてテトラリンガルになります。

(木村さん)
凄い!インドも行けるんですね!
弊社でここまでマルチな人いないんじゃないかな…?

(プラギャンさん)
実はヒンディー語って、書くとなると超めんどくさいです。笑


3.意外と知らない、エンジニアの仕事について。


ー 学部生(学類生)でありながら宇宙ベンチャーのエンジニアとして携わることについて、技術力の観点から難しいことはなかったですか?

(プラギャンさん)
開発していて分からないことや難しいことはたしかにありますが、大体調べていけば分かることが多いので、なんとかなっていますね。

これはいわゆる「スタックオーバーフロー型」と呼ばれる手法で、例えばソフトウェア開発の中で作りたいものに対して手段が分からなかったり、意味不明のエラーが出ることってよくあるんですけど、それを解決するためにQiitaとかで調べると、同じ所で躓いている方が「こうやって解決しました」と掲載していることがあるので、それを見ながら手法を考えていました。

ものによって正しかったり間違っていたりするので、いくつかの言語で調べつつ検証していくことで問題を解決していきます。開発関係の先行研究やHow toの様なものは日本語よりも英語で探索した方が資料は多いですし、特にソフトウェア分野での新しい資料はヒンディー語で探すと見つけられたりします。

ー 開発の二人から見てこれまで大変だった瞬間はありましたか?
(木村さん)
入社時点で構造系と3D CADからスタートしたのですが、その後のWARP-01のドキュメントが大変でしたね。
僕が入社したのが2018年の11月だったのですが、その時に実は12月末提出の資料がありまして。設計固まってないうえに永田さんは修士論文の執筆で忙しいという状況だったので、なかなか修羅場でした。

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(WARP-01ハンドオーバー後、CTO永田さんと共に。)

ー 設計、CAD、解析、資料と全部やっていたとは驚きです。
(木村さん)
そう、全部なんです。
あの頃僕が入ってなかったらたぶん間に合ってなかったんじゃないかな…笑
そしてWARP-01が落ち着いてからは組み上げやテストを担当しつつ、今度は地上局を作ることとなり、そこではソフトウェアの開発の手伝いをしていました。


4.アグレッシブにやりたいことができる環境を目指す。

ー 若くして宇宙ベンチャーという領域に飛び込んだ二人。その挑戦を振り返ってみて今、どうとらえているのでしょう?

(木村さん)
実は僕自身、既に大学院修士課程は中退していまして、なので完全にこの会社・業界に本当に思い切って飛び込んでいることになるんですけども。

飛び込んでみた感想としては、WARPSPACEが会社として「スタートアップ」であることと「宇宙ベンチャー」であることの2点が、とても価値ある大事なことだなと感じています。

スタートアップであるが故に非合理的なルールに悩まされることがなく、常に合理的で働きやすく、成果の出やすい形にルール作りがなされているところが、いいところだと思います。
これは最先端の最先端でチャレンジをする宇宙ベンチャーである我々や自分自身にとって、宇宙を切り開いて目的に近づくために大事なことだとも思うんですよね。

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(社内制度を活用し、メンバーでお寿司を食べに行くことも。)

今自分は26歳ですが、ある程度金銭面を無視しながら、やりたいこと・興味のあることを率先してできる今の期間が、自分の人生の中でも価値のある時なのかなと思っています。


(プラギャンさん)
僕の場合は「結構恵まれた環境にいるな」という意識が強くて、
仮に工学部出身で開発系の仕事に就いたとして、一般的には開発の全体のうち一部分を「ここやってね」とやらされるイメージがあるんですけど、すると自分の能力は全体のパーツの一つでしかない様に勝手に感じています。

けどここWARPSPACEで任される仕事は、全体の一塊のものがぽーんって来て、手段はどうでもいいから目的を達成するものを作りあげる。そのために自分なりにいろいろ試行錯誤して、勉強しながら自分の手でやることが、自分にとってすごい良いことだし、楽しいと感じています。

もし大きな会社で最初から最後まで開発のプロジェクトを見ようと思ったら、それにふさわしいポジションが必要で、すると今度は手を動かせなくなっちゃうんですよね。宇宙ベンチャー、スタートアップという環境だからこそ、全体を見つつ自分の手で開発していけるんだな、と思います。
しかも永田さんというスーパーマンみたいな人の傍でできることは、とてもうれしいですね。

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(結プロジェクト出身者としてCTO永田さんは憧れだと語る。)

ー プラギャンさんの様に言語的能力が高く、その上で開発力もある人材。ー 海外企業とのやり取りが必然的に増える宇宙業界にとって、とてつもないポテンシャルを持った人材だと思うんですよね。

(プラギャンさん)
最近ではBizDevの部分でセールスだったり、海外の企業とのミーティングに参加したりもするんですけど、やはり専門的な用語を使わないとコミュニケーションが取れない場合もありますね。

そういう時に工学系の知識がありつつ、通じる言語で会話ができる能力は今後必要になると思っています。僕自身開発が好きなので、どっちもできる様な方にはぜひ入ってきてほしいなと思います。


(木村さん)
言語能力と人材についてで言うと、日本でものづくりの道を歩んできた人がそうそう持っている能力ではないよなとは思いつつ、ちゃんと勉強していけば「そう成る」ことはできるんじゃないかと思っていまして。

おそらく本当に大事なことは、技術的な側面もコミュニケーション的な側面も総合して、いろんなことにチャレンジして身に着けていける人物像だと僕は思います。

勿論プラギャン君みたいな能力を既に持っている方はすごい大事だとは思いつつも、所謂スタートアップやベンチャー向きと呼ばれる人、いろんな視点から何でもできる、アグレッシブなマインドを持っている人にぜひ加わってもらえたら僕としてもうれしいなと思いますね。

最後に、WARPSPACEの9つの行動指針「Compass of Behavior」について伺いました。

Our Compass of Behavior
01. Leap
02. Goal oriented
03. Decide with fact
04. Chase one chance
05. Resilient spirit
06. Respect your crew
07. Love family
08. Adventure
09. Be attractive

5.それぞれの大事だと思うCompassを教えてください。

(プラギャンさん)
僕は「09. Be attractive」ですかね。
企業の展示会とかを見ていて思うのですが、会社のビジュアルだったり、デザインだったり、プレゼンテーション能力というのはやはり見せ方の面でとても大事なことで。

ちょっとした遊び心とか、きれいに見せることへの配慮がないと、どれだけすごいことをやっていても魅力を感じられないことがあると思うんですよね。弊社の「赤い衛星」も勿論、自分たちがアピールしたいものの良さを知ってもらう前にまず目を止めてもらうこと。そのためにattractiveな見せ方をすることは大事だと思っています。

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(衛星の色にこだわりを見せたのも、エンジニアの二人だった。)

(木村さん)
僕としては「02. Goal oriented」かなと思います。
とにかく我々の目標に向かって行動すること。これが全ての行動のベースになるべき考え方だと思っています。例えば「01. Leap」とか「08. Adventure」とかもとても良い指針だと思うのですが、そういう指針も最終的に我々が目指すゴールに向けて「Leap」し「Adventure」していくことこそが大事だと思うんですよね。

今自分自身がやってることが最終的なゴールにちゃんと向かっているかどうかということを念頭に置いて、その最終目標に向かって手段をどんどん検討していくことが、仕事や会社の進め方として非常にスマートだと思います。



最後までお読みいただきありがとございました。

2020年のクリスマスに向けて実施したアドベントカレンダーにも、木村さん・プラギャンさんそれぞれの記事が掲載されています。
こちらもぜひご覧ください。



インタビュー/執筆/写真:川原涼太郎

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