3分で分かるワープスペース
皆さんお世話になっております。ワープスペースCEOの常間地です。「宇宙関連 Advent Calendar 2020」22日目ということで、「3分で分かるワープスペース」と題して書かせていただきます。ちなみに、日本人の読書速度は一般的に約500字と言われています。つまり、この記事は1500字が上限ということになります。ちなみにここまでで約150字なので、もう10分の1に達してしまったということになります。決してそういう作戦ではありません。そろそろ本題に入ります。
まずつい先日部分的なリニューアルをしました弊社の紹介動画をぜひご覧ください(約1分半。)
はい、ご覧いただきましたね?これでもう2分弱経過しました。(なんてセコイことは言いません。)
概要
動画でご覧いただいたとおり、ワープスペースは光で宇宙と地球を結びます。今年は様々なところで登壇や記事として取り上げていただくことが出来ましたが、端的に言えば、小型衛星による衛星間光中継衛星ネットワークの実現が私たちのVISIONです。当初サービスを供給させていただく対象は、低軌道地球観測衛星の事業者の方々ということになります。初号機は2022年中に打上げ予定です。
ワープスペースの光中継衛星は中軌道(高度8,000~10,000km)に投入されます。22年に1機、翌23年に追加で2機打上げられることにより、3機の初期コンステレーションが完成します。これにより、低軌道の全ての領域を光通信の通信可能領域におさめることが出来ます。
課題と手法
ワープスペースは、低軌道衛星-地上間通信におけるボトルネックという重大な課題を根本から解決します。課題をもう少し分解すると、まず一つは非常に物理的な課題ですが、地球に近い軌道を非常に高速なスピードで周回する低軌道衛星が、固定された地上のアンテナと直接通信をするにあたっては、いくつかの大きな非効率性を抱えることになります。
もう一つの課題は、現在通常、衛星-地上間で採用されている電波通信方式について、その利用周波数獲得の手続きが事業者にとって大きな負担になっていることです。そもそも有限資源である周波数帯が、人工衛星数の爆発的な増加に伴い枯渇してきていること。加えて、周波数の確保調整について、衛星1機ごとに手続きが必要であるということ。人気の周波数帯であれば特に数年の手続き期間が必要ということを含めて、宇宙産業全体においても重大なボトルネックになっているということです。
上記2つの課題に対し、中軌道の小型光中継衛星コンステレーションを確立することにより、低軌道衛星に対し、常時高速通信へのアクセス環境および周波数獲得手続き負担の大幅な軽減というインパクトを提供することが出来ると考えています。
産業、社会への貢献
ワープスペースの貢献としては、もちろんまずは直接的に地球観測産業の課題、特に低軌道の通信の課題を根本から解決することにより、観測頻度、地上にダウンリンク可能なデータ量の増大、これらに伴う地球観測データ分析メニューの拡充などを掲げています。実際に産業の約9割のプレイヤーから高い期待をいただいているところです。また、地球観測産業の課題を解決することによって、その先に繋がるエンドユーザー、つまり地球観測データを利用する様々なセクター、産業、そして地球経済圏全体への貢献に繋がると考えております。
最新状況
今年、衛星間光通信において私たちが必要とする要素技術それぞれの要求水準を、地上実証において証明することが出来ました。また、コアとなるシステム特許の出願も完了しました。複数回の事前特許調査を踏まえ、複数の光通信機を単一の人工衛星に搭載する際に必須となる通信機のスイッチングについて出願が出来たことは、非常に大きな出来事でした。そして、まさにこの年末年始から、小型光中継衛星初号機の開発が始まります。加えて弊社の特色である様々な仕掛けもしていきます。ぜひ今後とも、そして来年もどうぞよろしくお願いいたします!!!(1500字をちょっと超えてしまいましたが、ご容赦ください。)
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