色の数。
住んでいる国や地域によって、虹の中に見える色の数は違うと聞く。
日本では『虹は七色』というのが一般的だけれど、
世界的に見ればそれは違う。
アメリカでは赤・橙・黄・緑・青・紫の六色の方が一般的だし、
地域によって虹は三色という人もいる。
赤、黄色、紫の三色だ。
どうしてこの三色に見えるのかはよくわかっていないが、一つ確かに言えるのは、「親が子供に『虹は三色』と言い聞かせた結果、子供は三色見えるのだと信じて疑わなくなってしまった』ということだ。
もし私たちが、『虹は七色』という先入観なく虹を見た場合、
おそらく私達に見える色の数は七ではなくなるだろう。
何十、何百と見えるかもしれないし、
逆に一色しか見えないかもしれない。
これって、人の個性と同じだ。
人それぞれに幾つの個性を見出すかは、人によって違う。
「君の個性は誰にでも優しい事だね」と言えば、その人の個性は優しいの一つだけになる。
しかし、「君は個性豊かで優しい人だね」と言われれば、何重と個性を想像することができるだろう。
つまり、何がいいたいのかというと。
虹の色の数を限定するとその数の色しか見えなくなるのと同じで、
人の個性もあまり限定しないでほしいということだ。
……という話を、晴れ渡った空の元、知り合いに話したら。
こう返ってきた。
「でも、お前の個性は一つだけだろ」
「な……っ!? 話聞いてた⁉」
私は驚く。
すると彼は、甘い声で囁いた。
「……全てにおいて魅力的、たったそれだけだ」
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フィクションです。
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