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全部を放り出したいとき

悩み事は少ない方だけど、悩むときはくよくよ同じ思考を行ったり来たりして、悩む。

人間関係が面倒になる時期がある。誰にも会わずに連絡も取らずに、ひっそりと身を潜めておきたくなる。

抱えている全て、関わっている人や物全てを投げ出して新しい環境にいきたい、と思う。

そんなとき、おまじないのように思い出す詩がある。
いつだかツイッターで見かけた、谷川俊太郎さんの「捨てたい」という詩だ。

私はネックレスを捨てたい
好きな本を捨てたい
携帯を捨てたい
お母さんと弟を捨てたい
家を捨てたい
何もかも捨てて
私は私だけになりたい
すごく寂しいだろう
心と体は捨てられないから
怖いだろう 迷うだろう
でも私は一人で決めたい
いちばん欲しいものは何なのか
いちばん大事なひとは誰なのか
一番星のような気持ちで

捨てたい、と言い切る潔さ。お母さんと弟を捨てたいだなんて、そんな悪いことは考えてすらいけないと思っていた。でも読むと、すっきりした気持ちになる。

そして、そんな風に全てを捨てたくなるときって、本当に大事なものやひとを考える絶好の機会なのかもしれない。

そう思うと、マイナスだった思考が、プラスに変わるような感覚があった。
そのことに感動して、それからこの詩を手帳に書いて必要なときに思い出すようになった。

普段詩に触れることはあまりないけれど、もし好きな詩を聞かれたらこの詩を答えよう。
好きな詩を聞かれることって中々ないか。

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