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【第1回】芸人マーケティング論~中川家はM-1の勝ち方を最初から知っていた~

大学生の時、友達に「俺芸人になりたいんだけどコンビ組まない?」と言われたことがあった。当時は大変驚いたが、「こういうのって普通断らないよなぁ」と思い、受け入れることにした。
何をするにしても、仕組みを分解して攻略することが好きな僕はひたすらお笑いを研究した。が、後日その友達は突如「ロンドンでスケボーしてくる」と言って、芸人になる話は頓挫してしまった。

その頃から売れる芸人と売れない芸人の違いは何か。
どうしたらアメトーークに出れるのか。
どうしたらダウンタウンになれるのか。
えっ?面白いかどうかって誰が決めてんの?

といったことを真剣に自問自答したりしていた。
お恥ずかしいお話だが。

昔の「売れる」と今の「売れる」の定義とか「面白い」と思われて不特定多数のエボークトセットに入れてもらえる方法とかひとまず今は置いといて、今回は漫才師の永遠の宿題「M-1優勝する方法」を当時僕がひたすら分析したものを下地に記していきたい。

M-1優勝を目指す芸人さんや普通のお笑いファンとは別の目線を持ちたいと思っている方々に読んでもらいたい。

2000年代最強の漫才フォーマット

漫才の起源を調べたことはないが、人間が二人(以上)で会話を始めてそれを誰かが面白がればそれはもう漫才だろう。
だからもしあなたが漫才師を志したときは、あなたがどんな掛け合いの中で笑いを生む発言をしたか(もしくはしようと思ったか)を思い起こさなければいけない。

「今の掛け合いおもしろいね」
「なんでおもしろかったんだろう」

ファミレスでそれをひたすら積み重ねて作った漫才はきっとあなたのボケが生きている。
それを抽象→具体化してきたのが2000年代M-1を制した漫才師達だろう。

中川家」「ブラックマヨネーズ」「チュートリアル
M-1を制した彼らは一様に、最強の漫才フォーマットを会得し優勝した。

中川家はそれを最初から知っていたに違いない。

「俺たちは『聞きボケ』漫才これしかない」

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