小笠原さん

”この宇宙に、私たちがいることの不思議”を楽しんでいきたい ボディワーカー小笠原和葉さん

「身体と心はつながっている」を大前提に心身のケアをする人気ボディワーカーの小笠原和葉さん。元宇宙物理学者から一転してボディワークの道に入った経緯や現在の活動をお伺いしました。

小笠原 和葉(おがさわら かずは)さんプロフィール
出身地:
神奈川県川崎市
活動地域:関東
経歴:
東海大学大学院 理学研究科宇宙物理学専攻課程修了
東北大学医学部大学院研究生
SEとして国内ITベンダーに就職。その後、自身の健康への問題意識をきっかけに、フィジカルとメンタルとの関係性に着目、研究を始める。
自身でもボディワーカーとして活動する一方、意識や力ラダを含んだその人の全体性を、ひとつのシステムとして捉え解決するメソッドを構築し「プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®(PBM)」の体系を完成し、延べ約1700人が受講。2017年より、PBMプログラムの法人展開を開始。海外からも受講者が訪れる人気講座となっている。
身体性に着目したリーダーシッププログラム、メンタルヘルスプログラム等の提供や、製薬企業に向けたヘルステックコンサルティングなどの実績がある。著書に『理系ボディーワーカーが教える“安心” システム感情片付け術』(日貿出版=刊)がある。

保有資格
クラ二オセイクラル・バイオダイナミクスBasic3修了 
クラ二オセイクラルヒーリングアート(CHA)アシスタント・チューター
力リフォル二ア州認定マッサージプラクティショナー
sVYASA(スワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ・セラピー研究財団)
インド中央政府認定ヨーガ・インストラクター
ソマティック・エクスペリエンス(Somatic Experiencing®)プラクティショナー
宇宙物理学修士

こころとからだをひとつのつながったものとして考え、からだに意識を向けることで全体性を回復していく

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

小笠原和葉さん(以下、小笠原 敬称略):
”身体性”
というキーワードを通して、今の活動を啓蒙していきたいと思っています。
今、私のメインのアイデンティティーはボデイワーカーです。
こころとからだをひとつのつながったものとして考え、からだに意識を向けることで全体性を回復していくこと。からだの関わり方のゴールが、人生の在り方にも影響を及ぼせるようにアプローチをしています。
現在は大きいビジョンやゴールに意識を向けるよりは、世の中を通して「自分が今何を感じているか」に敏感になっています。
そんな中で、ご縁が広がり、出会いを通して新たな興味が生まれたりということが常に起こっています。

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

小笠原:現在の活動の軸は個人セッションをずっと実施しているのと、身体性、セラピーの中にあるものをメソッド化して伝える講座の開催、それ以外の仕事が3分の1になります。
講座やワークは1回につき、十何人ぐらいの規模で開催しています。
個人セッションだと1回に一人しか関われないので、個人セッション受けなくても、一般の人がセルフマネジメントの領域で共通で知っておいた方が良いことがいっぱいあるだろうなと思ったので、講座を開催するようになりました。

最近は組織開発の方達と色々なことを研究したり、そういうグループで勉強会を主催したり、呼んでいただくことが増えてきましたね。
今年からは医学部の研修室で脳科学、脳神経の研究に関わるようになり、脳がどのようにして情報を統合してこの世界を認識しているかなどを研究しています。

ボデイワークと心理療法をやる中で、世間的には上手くいっているように見えている人の中でも、問題が顕在化しない分、その人の苦しみが見えにくいことを感じています。
自分の問題を世間と切り離してやっている人もいますが、そういう人はギャップがでてきて、それは体の症状としてある日突然出る人もいますし、対人の中で出てしまう人もいます。会社の中ではいい上司だけど、うちに帰ると子供に暴力をふるう人がいたり、特定の部下にだけ厳しく反応したり、色々な形で出てくるのだと思います。
自分の本当の問題に気づくことが一手間です。
ハイパフォーマンスな人ほど、生々しい現象的な悩みや苦しみを切り離していく感じがするんですよね。そうすると感覚も薄くなっていくので、痛みも感じないけど喜びもモチベーションもパワーも全部ちょっとずつ失っていくような感じになっていきます。
その中で自分のハートに火をつけたり、やる気になることは構造的に難しくなります。

とくに、東京は環境刺激によるストレスが高いので、感覚を開いていると逆に満員電車に乗れなくなってしまいます。
本来は人体はPCやスマホを長時間見るような構造設計になっていないので、そのストレスに適応するために色々なことを感じなくしていく、感じなくすることで適応していくということが多いんじゃないかと思います。
都市生活をしていても、人間が本来持っている感覚を意図的に取り戻していけるように、個人セッションや講座などを通してお伝えしています。

小さい異変を感じられず、感じることができていないことが全ての争いや不快や暴力になり、不寛容につながると思います

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

小笠原:まず、私自身が自身のメソッドをフル活用しています。(笑) 私自身が使っていることを伝えているんですね。

人間は生きていること自体が大変ですし、エリートにはエリートの苦しみ、お金持ちにはお金持ちの苦しみ、社長には社長の苦しみ、主婦には主婦の苦しみ、子供には子供の苦しみがあります。
自分では大したことではないと思っていることも、実はすごく大きな傷を受けています。
個人が「自分が何を感じているか」を感じて、少しでもからだ側からケアしてあげることができたら違ってくると思います。
小さい異変を感じられず、感じることができていないことが全ての争いや不快や暴力になり、不寛容につながると思います。

現代人は自分の現在地に気づいていない方が圧倒的に多いと感じています。
「自分の体がどれだけ緊張しているか」、「どれくらい呼吸が浅くなっているか」、「どれくらい疲れているか」を自覚せずに、皆「こんなもんだ」という感じで生きていると思います。
身体ワークを通してお伝えしていることは、「体ってこんな楽な状態でいられるんだ」、「休まるってこういう感覚のことか」ってしっかり体験してもらうと、日頃の平均値がいかに不自然なところにいるかに気づくことができます。
まずは体に感じてもらうこと、体験してもらうことが大切です。
そして、形のないものに対して評価しにくいと思うので、科学的な理論、生理学的な理論を緻密に伝えて、脳で納得してもらうということも意識しています。理屈で納得できると、リラックスして体験してみようという姿勢になります。本人の許容量のペースで、何年もかけて変化していくことが大事なので、講座をやるときも皆さんの変化の許容量を見ながら、大事にしています。

現代、トラウマ治療も体からのアプローチが流行って浸透してきています。
脳に語りかけても、その人にとってはそれが世界の全てなので、認知を変えるというのはすごく大変で痛みを伴います。
「ココロの問題だと思っていたトラウマは、100%生理学的な問題だった」
という結論からスタートするトラウマ療法「ソマティック・エクスぺリエンス」の理論に出会い「やはり"カラダから"なんだ」と確信を深めました。
神経システムにアプローチするように変えたら皆がトラウマが治っていくんですね。
体からアプローチしていくことで、認知を今の最高な状態にし、可能性のあるものの見方を取り戻すことができます。

体の内側にいる自分の時間が長くなっていくと、自然に思考が変わっていき、次第に私の人生が変化していきました。

Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

小笠原:元々は理系で大学院まで宇宙物理学を学び、ブラックホールの研究をしていました。その後宇宙開発等を扱うシステム会社に就職したのですが、小さい時からあったアトピーが、仕事のストレスや生活のリズムの変動で悪化し、普通の生活さえもできない状態になりました。
アトピーで血だらけで、会社に行けなくなり、痛くて寝られないし、動けない。
休職して、いろんな治療法を探していろんな病院に行きましたが、強い薬を飲んでも一時良くなるけど本質的には良くなりませんでした。
そのうち、呼吸が浅くなり、と体が冷えていることに気づき、「これはまずい」と思い、近所のヨガスタジオにいってみました。
ヨガを通して、息を吸って吐いて、のびたりちぢんだりしているうちに体が劇的に良くなってきて、自分の感覚が目覚めて私がここにいるという感覚が戻ってきました。

その後、体のこと心のことを一通り勉強しました。
そうするうちに、自分が何がやりたくて、何に向いているのかを自分の感覚で評価できるようになり、「体と心の繋がりってすごいな」と思いこの世界に入りました。

しばらくは派遣で仕事をしながら勉強して、少しずつ今の活動にシフトしていきました。
やればやるほど体が良くなっていくし、「私やっぱエンジニア向いてなかったな」とわかってきました。エンドユーザーの顔が見えない中で淡々とPCに向かい続けるというのが、スキルはあったけど、喜びは感じられていなかったんですね。

ボデイワークの先生が良く「私たちは体の外でうまくやることを教育されて生きてきた、体の内側で自分が何を感じているか感じる訓練はしていない」と言っていました。
特に日本人は、自分にさえ問いかけないし、ストレスを感じていることすら感じることが苦手です。

体の内側にいる自分の時間が長くなっていくと、自然に思考が変わっていき、次第に私の人生が変化していきました。

Q.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

小さい時から星が好きな子供でした。
小学生の時にハレー彗星がきたことがとても印象に残っているのですが、その頃から天体望遠鏡を買ってもらっていたり、星の本を図書館で読んだりしていました。
大学院まで宇宙物理学という学問を学び、ブラックホールを観測し研究しました。科学というものがどのような手続きを踏んで、観測データから理論の構築とその検証をしているかを学べたことは面白く楽しかったです。
また、ブラックホールは目に見えないので、何か見えないものを検証していく手続きを学べたことは今の仕事に役立っています。
この世界は原理原則があります。そこに主観が入るとなんでもありになる。
どうやって主観を排除して、検証していくかというのは科学をやって学んだことだと思います。

元々、「私は人間に興味があった」っていうことはここ数年で気づきました。物理学科で研究していた時よりも、体のことを研究している今の方が知りたかったことを知れているのはなんでだろうと思うようになり、現象を見ている自分自身を一番知りたかったんだなというのがようやくわかりました。
宇宙の中にいる自分とか、宇宙と自分との関係とかそういうことが知りたかったことに気づき、人間を探究した方が知りたかったことに近づいている感じがします。

最近、世間ではブラックホールに興味がある人が多いことを知ってびっくりしています(笑)
自分がいる宇宙のことを知って、自分の存在の謎をときたいと皆が思っていることだと思います。

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小笠原和葉さんの詳細情報についてこちら↓↓
●HP http://pbm-institute.jp
●ブログ https://ameblo.jp/kazuhaogasawara/

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編集後記
今回、インタビューを担当させていただいた岩永です。
からだとこころ、その関係性について探究し、メソッド化し伝えている小笠原さんの背景にある、見えない世界を科学的に実証し論理立てて伝えていく緻密さや細やかな感性に感動しました。からだとこころも、宇宙を追求してきたことと同じように、追求し検証し、常に新しく創造と破壊をしている姿勢にこちらも引き込まれ、学ぶことがとても多かったです。
これからも小笠原さんのご活躍を応援しています!

この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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