「CFO経験者と、CFOを輩出し続ける組織を創りたい」38歳で監査法人からスタートアップへ飛び込んだ会計士の野望。
※2019年5月にインタビューされた記事です
プロフィール
河上 修一郎
2005年よりKPMG 有限責任 あずさ監査法人国際部にて、自動車完成車メーカーをはじめとした国内外の大手企業など、数多くの会計監査業務やアドバイザリー業務等に従事。2012年より、中小税理士法人にて税務申告やアドバイザリー業務に従事。その後2014年より、有限責任監査法人トーマツリスクアドバイザリー事業部にてIFRS導入やIPO支援業務に従事し、2018年より株式会社WARCへ参画。公認会計士。
「一国一城の主」になりたくて独立。その先に待っていたのは…
山本:本日はコンサルティング事業部河上さんにインタビューさせていただきます。改めて河上さんのキャリアを教えてください
河上:大学を卒業した後、公認会計士の資格を取りました。その後、あずさ監査法人の国際部で会計監査やアドバイザリー業務を担当しました。30歳の時に独立し、地元の富山で知り合いと事務所を始めて、そこで2年間くらい税務の仕事をしていました。
山本:30歳で独立…結構早いですよね。独立されたのには、どのような理由があったのでしょうか?
河上:当時、一国一城の主になりたかったからです。
山本:なるほど…武士っぽくって素敵ですね!
河上:自分の力でやりたいという思いもありましたし、そもそも士業とはそういうものだと思っていたので、独立は当然の流れだと思って始めました。あとは、会計だけではなく税務にも挑戦したいと思っていて、1つのことに留まらず守備範囲を広げたいという気持ちが強かったです。
山本:初めて独立されてみて、結構大変でしたか?
河上:そうですね。やりがいはもちろんありましたが、一方でこれだけをやり続けていくことに限界を感じていた部分もありました。税理士事務所の仕事は超労働集約型の働き方で、手を動かした分だけ売り上げが上がる、という仕組みなので、なかなか事業規模がスケールしないというのがネックでした。
そこから、ずっとこの仕事だけを続けるのは難しいなという思いが強くなって、32歳くらいで東京に戻りました。
山本:確かちょうどその頃も、石倉さん(※1)が一緒に働こうと河上さんを誘われていましたよね。
※1:当社取締役・石倉壱彦。石倉と河上はKPMG 有限責任 あずさ監査法人時代の同期。
河上:そうでしたね。でも当時は、一念発起して始めた事務所を辞める決断をした後だったので、家族にあまり心配をかけたくないという思いもありましたし、そもそもベンチャー企業に入るという考えがありませんでした。
その後は、有限責任監査法人トーマツのリスクアドバイザリー事業部にジョインする決断をして、IFRS導入やIPO支援業務に従事していました。」
山本:独立したところから再び監査法人へ戻ってみて、どうでしたか?
河上:私がリスクアドバイザリー事業部に配属された頃は、ちょうど事業部の立ち上げ時期だったこともあり、やりたいことにどんどんチャレンジできる環境でした。特に当時はIPOに興味があって、IPO支援をやりたいと言っていたら実際に担当させてもらえたりしました。大きい会社の1つの部門ではありましたが、タイミングが良く攻めの仕事ができていたと思うので、非常に有り難かったです。
その後、4年ほど様々な経験を積ませていただき、そろそろ次なるチャレンジのタイミングかなと思っていた時に、ちょうど石倉に声をかけられて、WARCへのジョインを決心しました。
監査法人では得難い経験ができると確信し、WARCへのジョインを決意
山本:何度も石倉さんから一緒にやろうと誘われていたみたいですが、このタイミングだったのはなぜですか?
河上:当時携わっていた案件が落ち着いた頃、ちょうどリスクアドバイザリー部門に入って丸4年という節目だったのですが、会計士として成熟した、という自負がありました。
やりきったというほどでもないのですが、良いタイミングだなと思っていまして。この先ずっと監査法人で仕事をし続けることはないと思っていたので、そろそろかなと思いWARCにジョインすることを決めました。
それに加えて、実は私と石倉はバランスが取れていると思っていたので、また一緒に仕事ができたら面白いなと思ったところはあります。」
山本:石倉さんと河上さんは、だいぶ雰囲気が違う感じもしますけれど、だからこそお互いに 無いものを持っているのか、確かにバランスはとれていますよね。
河上:はい。石倉とは新卒の時の同期なので付き合いが長いのですが、端的にいうと、石倉は攻めのタイプで、僕が守りのタイプです。リスクがあったらそれを開拓するのが石倉で、彼が爆速でエンジンをかけてチャレンジできる環境を作り、僕はリスクを抑えながら上手くブレーキをかける役割といったイメージです。
性格がかぶる部分はほとんどないのですが、一緒に仕事をしていた時は相乗効果があったかなと思います。
長い付き合いの中で、石倉が積極的にリスクテイクしてチャレンジしたり、即決断して行動に移したり、人と会っては情報を取ってきてビジネスの種まきをしたりしているのを見てきたので、彼のそばで働けることは自分の財産になると思っています。
これは石倉に限定した話ではなく、WARCは良い意味で『エンジン』を持っている人が多く、自走する集団だという印象を持っています。」
山本:確かに、即決断即行動、みたいなタイプが多いかもしれませんね。そういうところに惹かれてWARCへのジョインを決められたのでしょうか?
河上:WARCにジョインを決めた理由としては大きく2つあって、1つ目は何もない状態から自分の手で作りあげられることです。会社が整っていない分、自分でできることの範囲が広いと思ったのです。実際に働いてみて、コンサルティングサービスの事業部長を担当させて頂いており、かなり幅広く業務に携わらせてもらっています。
2つ目は、CXO経験ファウンダーの石倉と山本さんが経営しているということが大きいです。
ベンチャー企業を中心に、成功も失敗も多数経験してきた2人が創業した会社に飛び込むことで、自分も他の会社ではできないような経験ができると思いましたし、自分も石倉や山本さんと近しいことができる能力がつくのではないかという期待がありました。会社をあげて、『CFOを人材を輩出しよう』ということを掲げていますが、『自分もいつかはCFOに』という強い気持ちがあったので、WARCへのジョインを決めました。
気持ちが固まったら、あとはほんの少しの勇気だけ
山本:とはいえ、監査法人を飛びだしてベンチャー企業に入社するには、勇気が必要だったのではないでしょうか?
河上:確かにそうですね。だからこそ、誘ってくれた石倉にはとても感謝しています。次のチャレンジをどこでどうしようかと悩んでいた時期は、色んなことを考えてなかなか踏み切れない部分もあったのですが、その時に石倉に言われた言葉が印象的でした。
『(河上は)色々な良し悪しのバランスを見ながら、行動をためらってしまうタイプだとは思うけれど、その枠はぶち壊した方が良い。人の能力が開花するのはリスクのある環境だから、うちの会社に来るべきだ』といったようなことを言われまして…。
山本:石倉さん、そんなことを言っていたんですね!
河上:それを聞いて、この年齢になってもなりたい像や叶えたい夢があるので、ここでチャレンジしたいと強く思いました。
山本:河上さんくらいの年齢になっても…というのは少々語弊がありますが、挑戦するのに年齢は関係ないということですね。
河上:個人的に、会計士のチャレンジで一番ベストだと思う時期は、30代後半から40代前半でです。理由は、スペシャリティを自分の中で確立してからの方が、ベンチャー企業に入った時に自分のバリューを発揮しやすいと思うからです。会計士として専門性がついて、脂がのってくるのは30代中盤からだと思います。
そして最終的には、決めだと思います。腹を括って一歩踏み出せるかどうかにかかっています。もちろん僕も若くはないですし家族もいて、決断するのには色んな抵抗がありましたが、一方で監査法人に居続ける自分も想像出来ませんでしたし、40代目前で挑戦する最後のチャンスだと思ってジョインを決めました。
山本:河上さんのように、年齢に捉われずに挑戦する人がWARCに集まってきたら良いですね!最後にどんな人と働きたいですか?
河上:僕の担当しているWARCのコンサルティングサービス事業に加え、M&Aアドバイザリーサービス事業も、監査法人やコンサルティングファームでの経験が活きる仕事ばかりです。
実際に、監査法人やコンサルティングファームだと、ファイナンスや会計などの狭い専門領域の仕事しかできないところが多いですが、WARCの事業は顧客(主に成長中のベンチャー企業)の事業によりそって、経営者とともに課題の定義からソリューションの実行まで深く入り込めるので、魅力的に思います。
そしてWARCの企業像としては、CFO人材をたくさん輩出する企業にしたいと思っています。『何がなんでもCFOになるんだ!』といったような強い志さえあれば、若い人はもちろん年齢が高めのベテランの方も大歓迎ですし、是非そういう方と一緒に働きたいと思っています。WARCマフィアでCFO人材がたくさん輩出されればいいと思いますし、いつかは自分も、とも思っています。私もその部分は磨きたいと思っているので、一緒に高め合うように仕事ができる方と一緒に働けたら良いと思います!」
山本:そうですね!そんな会社にしていけるよう、一緒に挑戦し続けていきましょう!本日はありがとうございました。