ホリエモンにあこがれて(1)

自分の思想について考えてみると、ホリエモンに強く影響を受けている事に気づいたので、そのことについて書いていこうと思う。

ホリエモンを知ったのはニッポン放送の買収騒動のときだった。彼は無名の企業ながら当時はまだイケイケだったマスメディアに対して敵対的買収を仕掛ける挑戦者としてメディアの注目の的になっていた。

そもそも株のネット取引とかも始まったばかりかあるいはなかった時代だったはずで、(株券が電子化されるためタンスに死蔵された株が発生するかもしれないと問題になっていた記憶がある)株式会社が株主のものであるという意識も一般の人間にはほとんど普及してなかった時代であり、「金を使って会社の乗っ取り」を企てる彼は「金の亡者」としてヒール役になっていた。

彼のやっていたライブドアという会社がインターネットという良く分からないビジネスをやっていたことも彼に向かう視線が厳しかった理由のひとつであろう。当時、インターネットを家に引いていない家庭もあったはずだ。

彼の思想の中核には当時の西海岸のソフトウェアエンジニアの共通認識とも言える「カリフォルニアン・イデオロギー」的なものがあるようにみえる。要するに自由を抑圧する伝統文化を敵視し、テクノロジーを理想社会実現の手段として重視する考えだ。

たとえば今の「就活マナー」「社会人マナー」みたいなものを当時から彼は徹底的にバカにし、スーツは着ない、スーツを着てるのはバカ、勤めているのはバカぐらいの勢いで物事を語っていたように記憶している。

彼の語る「あるべき社会」と比較したとき「学校」という空間は非常に伝統的で後進的な空間だった。当時は「電話で回す連絡網」というものもあったし、ありとあらゆるものは「慣例」の名のもと禁止されたり、電子辞書のような効率的なものは「悪」であった。「学校」に対してぼんやりとした反発を持っていた私(気概がないので退学したり教師に表立って反抗したりはしない!)にとっては彼は理想の人物のように映っていた覚えがある。

この当時は相当に親の思想の影響下にもあった。親が彼に向ける視線はマスコミによるバッシングなどに比べるとかなりマイルドだったように思える。その理由のひとつに、彼が東大を中退していたことがある。受験に対して熱を持っていた親だったということもあって、とりあえず教育的には悪くないと判断されていたというところだろうか。彼の作った英単語帳「ホリタン」を買ってもらった覚えもある。

しかし2006年、彼は粉飾決算の容疑で逮捕されてしまう。


(続く)

そういえば本noteはエロゲになんでも結びつけることになっているので、ライブドアが関連していたエロゲ事業についてのページでも貼っておく。『Le.Chocolat』というところらしい。ライブドアはこの会社から販売事業の委託を受けていたようだ。『SWAN SONG』はかなり有名だが製作はFlying Shineであるはずだ。製作も販売も委託してたのならばイマイチ何の事業をやっていたのかが見えてこない。昔のVisual Art's 的な存在だったのだろうか?(エンジンの開発・広報とか?)『メイドさんしぃしー』はそういえば聞いたことがある。


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