日本が安い国になっていくということ

日本経済はこの30年ほど停滞し、私たちの所得は減っていくばかりです。一方で世界の他の国は経済成長し、所得も倍増したりしているようです。こうして日本は相対的に安い国になっていて、コロナ前の外国人観光客の増加というのも、もちろん日本が観光に向いている国というのもあるでしょうが、旅行するのにリーズナブルな国と見なされるようになったことが大きな要因だったのではないかと思います。今、私の住んでいる国は経済発展真っ最中で、この2、3年で、物価は2倍にも3倍にもなりました。この国の人たちも大変そうですが、でも給料も上がっているのでなんとかやりくりしているようです。日本から給料をもらっている身としては、まったく給料が増えないのに物価ばかりが上がって大変です。また円安でドルで考えた手取りが少なくなっていますのでそれも困ります。今、外国人労働者の問題がありますが、日本がこのまま安い国のままだと給料面での魅力がなく、仕事先として選ばれない国になっていくと思います。それでも日本に行って働きたいという層は、こちらの国では低位の層になってしまいますので、そういう人たちは日本語能力も身に着けにくいし仕事の能力も低いし社会的な協調性も低いかもしれません。そういう人たちばかり日本に労働者として入ってくると、その人たちに対する日本人の感情は当然悪くなるでしょうが、それを促進しているのは成長できていない日本のせいということになります。現在のグローバル化、資本主義体制のもとでは適度には成長しないと何事もうまくいかないと思います。経済成長が人間にとってすべてではないとは思いますが、そういうゲームのルールのもとで暮らしているのですから、ある程度は仕方がないのでしょう。

(2022年2月5日、アメーバブログに投稿した記事)

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