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惹きつける力

上手い役者、下手な役者、違いは何だろうと考えた時にこの「惹きつける力」の有る無しは大きい要素じゃないかなぁと思う。今回は照明スタッフとして見た時に感じる上手い下手について話します。もちろん、観客として見た時の、共演者として見た時の上手い下手はちょっとずつ違います。それはまた今度。

ぶっちゃけ、稽古場で照明スタッフが出来ることは限られています。音響のように実際音を出すようなこともできないので、アクティングエリアの確認と役者の立ち位置、そしてそれをどう魅せるか、あとはきっかけ探しです。

きっかけは、演出によって好みもあるし、きっちり自分で決める人もいれば、なんとなくで照明さんにお任せ~な人まで様々。他のオペさんがどのようにやっているかはわかりませんが、私は役者に合わせるのでこういう明かりだからこうして欲しいとは言いません。スポットから外れてたら少し考えろとは言います笑

きっかけ探しは、ハマるところを探しているわけで稽古場での演出の言葉とかでこうして欲しいんだろうなみたいなのは掴めます。

でも、そんなのを凌駕してここに明かり下さいと言わんばかりに主張する役者さんがたまにいます。

そんな役者さんを見ると、この人上手いなぁと思います。もうね、セリフのここ!とか、この動きでとか別に私と何の打ち合わせもしないんですが、ここで変えればいいのね!っていうのがビンビンくる。
たぶん、自分の中でここで光を集めてスポット!みたいなのがあるんだろうね。そういう主張は大好きです。

そして、そういう役者さんって自分の役の役割をきちんと理解してるんですよ。引っ込めるシーンではきちんと引っ込んで他を立てる。メリハリをつけてシーンを創っている。だから、ここは私のシーンだから明かり下さいができる。自分に惹きつけるという術を持っているんです。

上手い役者さんは、自ら照明をも動かします!


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