「仕事が遅い」自分がどうやって欠点を克服したか?
自分のさまざまな欠点について、小さい頃から悩まされていました。人より上達が遅いところ、外見の悩み、人付き合いの距離の取り方が下手、、書き出してみるときりがありません。
克服しよう!と奮起して改善できるものはまだ良い方で、触れるのを避けてきたものが大人になった今でも自分の足を引っ張っているように思います。
心理カウンセラーは「あなたが欠点と思うところを長所なんですよ!」と簡単に言うかもしれません。結果的にそれが事実だとしても、そんな簡単に腑に落ちていたら誰も苦労はしません。ここまで何十年も、その欠点を乗り越えられずにいるから苦労しているんだ!
と、思ってました。
私が自分の欠点(と思っていること)をどうやって前向きに捉えられるようになったか、書きます。
仕事ができるようになりたかった
30代後半に2回目の転職をしました。その1ヶ月後に一回りほど年下の中途社員Sさんが入ってきたのです。
Sさんは、プログラムを読み解く力も、プログラムを書くスピードが早い人でした。1ヶ月程度先に入った私の業務知識と10年間のプログラマー経験などあっという間に追いつかれ、急ぎの仕事は彼に回るようになっていました。
私は"真面目に"働いていました。朝は早めに出社し、残業制限ギリギリまで残るのはあたりまえ。休みの日も出社はできなくても少しでも業務を回せるように自宅で設計の検討をしたり、自分なりに頑張っていました。
しかし、仕事のスピードは相変わらず追いつけず、Sさんが先行して機能を実装し、私がその拡張・協力会社メンバーへ展開する、という役割分担になっていきました。
職場ではどうにか過ごしてましたが、心の中では、「年上なのに業務量で勝てない」とか「新規設計を任せてもらえない」とかで穏やかではありませんでした。
そして、四半期ごとに定期評価があり、チーム内でパイを取り合うわけですが、5段階中の2の「もう少しがんばりましょう」ばかり。
どれだけ時間をかけても勝てる気がせず、「どう頑張れば良いかわからない」という言葉が正直な気持ちでした。
自分に足りない能力を高める方法を探す日々
時間をかけても良い働きができず、能力を高める方法を探す日々でした。そもそもこの仕事に向いていないのでは?なども思い始め、とにかくいろいろなサービスを試しました。
・プレゼンが上手くなる講座
・能力を高める催眠術
・天職を見つける通信講座
利用した人たちが感激した感想を見て期待し、数万円を奮発して飛びつきましたが、自分にはしっくり来ませんでした。どれもその場ではできた気になるのです。しかし、翌日、翌々日と時間が経つにつれ、受けたことすら忘れるのが常でした。
そして、打つ手が無くなった頃、ちょうど知り合いに紹介してもらったセラピストの女性に相談しに行くことになりました。
自分の本質を思いだす
そこへは、自分は仕事が遅いがどうしたら良いかわからない、もっと自分に合った仕事があるのでは?というテーマで相談しに行きました。
対面して、自己紹介の流れから今の自分の状況、今までやってきたこと、楽しかったこと、洗いざらい話しました。初対面の方でしたが、私の言葉を遮ることなく、じっくりと聞いてもらいました。
一通り話し終えると、彼女からは「ゆっくりコツコツ、階段を一歩ずつ味わいながら踏みしめていく姿が見えますね」と言われました。
初めは、自分は仕事が早くなりたいのに、なんでゆっくりなの?と思いました。
それから「何で仕事が早くなりたいんですか?」「早くないとどうなるんですか?」と質問に答えるうちに、自分が今まで取り組んできたものは全て、じっくり続けてきたものばかりだったことに気づき、ハッとなりました。
中学から始めた吹奏楽部での楽器
無謀な目標を立てた大学受験
誰もいないところから立ち上げた18名のバンド
どれも初めからうまくいった訳ではありませんでしたが、好きでコツコツ続けてるうちに夢が叶ったものばかりでした。そしてそれに取り組んでた日々は充実していたな、という思い出も蘇りました。
やりたいことを、人と比べずにコツコツと取り組むことが、自分の今までの人生でも最も充実していて、自分が発揮できるやり方だったことを思い出すことができました。
いつの間にか、仕事は早くスピーディーにこなすべきだ、という思い込みに囚われてましたが、自分の本質は、コツコツじっくりにあった事に気づきました。
そして、今までそうだったように、これからもそれを大事にしていこうと思うことができました。
足りない能力を身につけるより元の良さに気づく事
その気づきから、仕事が遅いことにだけ囚われてた気持ちから離れ、徐々に堂々と振る舞えるようになりました。
大きな変化は、仕事の遅れで後ろめたい気持ちがあって報告しにくかったことが、不備をすぐに報告するようになりました。そのことは上司も気づいてもらえたようで、そこから信頼されるようになってきました。そして退職直前にはその伸びを評価してもらい評定5をもらうことができました。
昔から、欠点は無くさないといけない、人に好かれない、とあたりまえに思ってましたが、それからは考えが変わりました。
どれだけ自分本来のやり方を認識しているか、自分を受け入れているか。それこそが、人生をよく生きる、自分の最大限のパフォーマンスが発揮できる方法だと思います。
自分の欠点だけは山のように浮かんでしまう人。
その欠点を治したい気持ちは、もっと楽に過ごしたい、人生をよく生きたい気持ちの現れだと思います。そして、その欠点と思っている事がもつ意味に気づけた時から、よく生きる人生が始まるのだと思います。
成長とは何かを身につけることではなく、囚われを手放すこと
押してもダメなら引いてみな、ってことです。
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