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さまぁ~ず信者から見る”審査員問題”について


キングオブコント2020をきっかけに再びざわつき始めた”審査員問題”

その問題の対象としてみなされてる方をまずここでハッキリと言うと


さまぁ~ず三村


です。そうだと思います。

そして、ココから先はキングオブコントを中心にお笑いショーレースの問題点と難しさを筆者なりの見解を書きます。


①さまぁ~ずの事

②キングオブコントで起きてる問題

③これからやってみてほしい改善策


の3本立てです。




ー ①さまぁ~ずの事 ー


大前提に、筆者は「さまぁ~ずを”笑いの神様”と崇める程の信者」という事です。

それはつまり「さまぁ~ず贔屓な事しか書かないんじゃないか!?」と思われるでしょうが、逆に考えたら「さまぁ~ず信者でも擁護出来ない部分がある」という見解で読み進めて頂けたらと思います。そして何よりそこまで思うぐらいにさまぁ~ずを長い事追っかけていたので、彼らの趣向は把握しているつもりです。

さまぁ~ずの特徴とはズバリ以下になります

・さまぁ~ずは日常に潜む笑いを好む

・さまぁ~ずは変化球を好まない

・さまぁ~ずは説明が下手くそ

・さまぁ~ずは思考回路がそっくりなコンビ


ある程度さまぁ~ずを知っている方なら、このざっくりな特徴を見て「あぁ分かる」と思うことでしょう。『さまぁ~ず×さまぁ~ず』を全部見たら、相当に理解が深まります。「限りなく純度100%に近いさまぁ~ずによるトーク番組ですから、是非!!」と、言いたいのですが、この前の9/21で最終回を迎えてしまいました。。。実に14年の放送期間。この番組への思いについては次ぐらいに絶対書きますが、その前にまさか三村がこんな形で波紋を広げる事になるとは。。。

上から順番にこの特徴が審査とどう絡んでいくのかを書いていきます。特徴について、そう言い切れる理由や詳細等を語ると、近いうちに書く『さまぁ~ず×さまぁ~ず』の記事で書くことがなくなるので割愛。



さまぁ~ずは日常に潜む笑いを好む

これはさまぁ~ず本人達がそういった芸風をしています。コントやトークを見れば一目瞭然です。そして、審査の基準として自分達と感性が似ているものを高評価する傾向にあります。バナナマンや松本人志にも同じ事が言えますが、審査員5人はそれぞれの好みがあり、ウケや完成度というベースになる得点からプラスアルファとして”自分好みか”という部分が+1~10点として点数に表れる感じ。

さらにさまぁ~ずの好みを細分化すると「エロ(下ネタ)」「おじさん」。さまぁ~ずをあまり知らない人でもこのイメージはあるはず。ここに”ゆるさ”を足せばさまぁ~ずが出来上がりそう。「エロ(下ネタ)」についてはこれまでのキングオブコントでサンプルになりそうなのは去年優勝した「どぶろっく」ぐらいなので、あまり参考にはならないですが、「おっさん」についてはキングオブコントで頻繁に出てくる要素なので、ファイナリストがさまぁ~ずの点数を狙うならココを重要視してみてもいいかもしれない。特に日常に居そうなおじさんの苦悩、濃いキャラしているおじさん、、、つまり、おじさん度が高ければ高いほど良いという事。2018年のファイナリストだった「だーりんず」のネタがいいサンプル。当時筆者もこのネタを見た時「さまぁ~ず好きそうだな。特にツッコミのサラリーマンの方」と思っていたら案の定点数が高かったです。

「隣に知らないおじさんが来るより"知ってるおじさん"が来たほうがいい」「おじさんはおじさんが一番嫌い」という名言を自身のトーク番組で残したことがありますが、それぐらい「おじさん」に対して見識が深い2人。

そして、今回のキングオブコントに関してはあまり”おじさん度”が高いネタはなかったので、この特徴が審査に大きく絡んではなかった様な気がします。



さまぁ~ずは変化球を好まない

この特徴は今回特に重要なポイント。最初の”日常に潜む笑いを好む”という特徴はさまぁ~ずの庶民感覚と親近感を醸し出している要因になりますが、裏を返せば変化球を好まないという解釈も出来たりします。

例えば、食べ物に関しても「冒険した感じの味付けはいらない」と度々さまさまのトークで2人揃って愚痴ったりしてます。『モヤモヤさまぁ~ず』や『さまぁ~ず×さまぁ~ず』を見ている人ならすぐにピンとくる部分。

そして特に三村に関して言えば言っちゃあアレですが、相当に

”懐古主義

な人です。もっと悪い言い方すると”老害”的なアレです。。。

なぜそう思うかについては今までのバラエティ番組における三村の言動をプロファイリングして辿り着いた筆者なりの結論なのですが、ここで「この番組の時にこういった・・・」という風に検証していくと、非常に長い事になるので割愛。『アメトーーク』の芸人ドラフト会議で三村が出た回を見れば手っ取り早いかも。

要するに自分の若い頃に王道だったモノ・価値観を強く好みます。これに関して言えば大竹も同様。しかし、三村みたいな”懐古主義”な臭いをあまり出しません。つまり、根は似通っている2人ですが、

「新しい価値感、自分と全く違う感性と出くわした時に

どうリアクションするのか?」

ここに両者は大きな違いがあります。ニュアンスで言えば

三村の場合

「自分が好む価値観からズレているモノは基本的にウケつけない」

大竹の場合

「自分が好む価値観からズレているモノは受け入れはしないが”コレはコレでこういうモノもあるんだなぁ”と折り合いをつける」


こんな感じ。一見、”神経質”のイメージが先行する大竹の方が自分好みではないモノに厳しそうですが、それ以上に他人の目を気にする繊細さと合理的な考えを持つが故の神経質なので、新しい価値感、自分と全く違う感性に対してちゃんと熟考するタイプ。普段、表舞台で出す神経質やクレーマー気質はちゃんとパフォーマンス込みでやる人です。そして何より、そんな自分の懐古主義な部分を客観視しているからこそ、余計な表現をしない節があります。

逆に三村の方はTwitterとか『ONE PIECE』とか今の王道をやりたがるので、一見新しいものに対して受け入れの姿勢がある様に思えますが、そこには時々「昔の方が良かった」「今の若者は情けない!」といった懐古的ニュアンスが含まれる事があります。それを活発に発信していっているので”説教染みたウザいおじさん”感を出してしまい、批判されやすい。まぁ温故知新というか、そんなおじさんが居てもいいはずなんだけどね。

非常に抽象的な表現ですが、ニュアンスなので何とかして掴んでみてください!これをお笑いショーレースと紐づけしていくと、

三村は、自分の感性に忠実であり、自分好みの笑いを優先する(感覚的)

大竹は、自分の感性を優先にしつつ、客観性もいれてバランス良く(合理的)

こんな審査をしているのではないかと推測出来ます。これだけ見ると三村の方が悪く映えてしまうのですが、筆者的には三村の様な自分の感性に忠実な審査員は”一人ぐらい”居てもいいと思う派です。それを全面否定するなら「そもそもプロに審査員やらせるなよ。全部国民投票とかにしろよ」ってなるので、改善すべきはシステムであり、審査員ではないはず。

だから問題の火種になったニッポンの社長の点数についても三村の点数そのものに難癖をつけるのは絶対に違うし、それならマジで視聴者票とかにすべきです。まぁ正直得点演出の時に「三村 86!」ってなった瞬間に「はっ?」とはなりましたけどね(笑)


・・・と、ここまでがさまぁ~ず三村を擁護出来る部分です。しかし、そんなさまぁ~ず信者でも擁護出来ない部分というのが後にあります。



さまぁ~ずは説明が下手くそ

コレはもうずっと前からさまぁ~ずがメインMCを出来ない理由として本人達も語っているぐらい。だからさまぁ~ずの冠番組は超少人数体制もしくは進行が出来る女性アシスタントを傍に置くというキャスティングをしています。達者じゃないところが親近感であり、良さであるはずのさまぁ~ず。

しかしこれが審査員となるとある種、その点数の理由と感想を述べる”説明責任”の義務が出てきます。M1やキングオブコントが他のお笑いショーレースと一線を画すところはガチ感であり、予定調和やお決まりを一切排除した事でビッグイベントとなりました。

しかし、それをさまぁ~ずに求めるってそもそもお門違いというか、キャスティング権をもつお偉いさんに「そこは考えなかったのか?」と問いたくなります。さまぁ~ず好きじゃなくても同じ業界にいる者なら、そもそも”説明下手なさまぁ~ず”という部分は頭の片隅に入れてなかったのか?

そしてこの説明責任において5人の中で断トツで上手いのがバナナマン設楽。今回のキングオブコントをサンプルにするとロングコートダディやジャンポケ、空気階段に対するコメントとかメチャクチャ分かりやすい。プロ目線で細かい演出やテンポ、微妙なニュアンスとかを見ながらも、きちんと視聴者にも伝わるようにスラスラ言えるんだから、カッコいい。なので、仮にちょっと設楽の点数だけ浮いてる場面があっても、視聴者やファイナリストは腑に落ちるのでしょう。

当然、松本人志もこういったコメントは抜群に上手いですが、こちらの場合は結構ボケるので、たまにブレる事も(笑)。ただ、節々でちゃんと的を射たコメントをするから、点数が浮いていても批判の的にはならないのかなと思います。

三村の場合、案の定コメントが視聴者から見てもヘタなのが伝わるので、仮に松本人志みたいにボケたコメントをしても、説得力に欠けるというか、ボケがボケに聞こえないんですよね。。。

今回、ニッ社の点数以外で引っ掛かる所と言えば、空気階段のネタについて三村が「これまでずーっと同じ感じの点数付けで「これはイカン」と思い、一度下げてみた」とコメントした時です。筆者も「それは流石にダメだろ・・・」と思いました。ガチ感が大事なキングオブコントでそんなバラエティノリな審査は要らないはずなのですが、そこを履き違えてしまった感は否めない。今回のみならずこの5人体制になってから度々三村の点数やコメントについて視聴者から「ん?」という箇所が見当たりましたが、それが今回は特に酷かったという事でしょうか。

ただ、三村は誰よりも笑いにうるさく、アツい男だという事はさまぁ~ず信者である筆者は知っています。だから審査もバラエティノリではなく、ちゃんとガチでやっている事は分かるのですが、それが世間にあまり伝わってないと思うので「三村、どういうつもりだよ。。。」ってなるのも無理はないです。一度Hulu配信の『鬼三村』を見てもらった方が話は早いかな?

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さまぁ~ずは思考回路がそっくりなコンビ

もう既に前の説明でさまぁ~ずの2人は思考回路がそっくりな似た者同士のコンビだという事が無理やりにでもお分かり頂けたかと思います。

よく「さまぁ~ずは仲良しコンビ」というイメージを持たれていますが、この特徴が非常に関係してる気がします。そこに「いやっ実はね・・・」なんて裏事情を信者が自慢げに語る必要なんてないぐらい、ひたすら仲が良いコンビです。

「でもそれって5人中2人が似た者同士っていう割合だから、少し偏りが出ないか?」

こんな風に思えてしまいます。これはさまぁ~ずだけでなく、バナナマンにも同じ事が言えますが、コンビの片方ではなく、両方を審査員にするっていうバランスの悪さはなぜキャスティング段階で気掛かりにならないのだろうか?

筆者はバナナマンフリークではないので、日村と設楽がどれだけ”笑いの感性・思考回路が違うのか”が分からないので置いておきますが、少なくとも何度も言っている通り、さまぁ~ずの2人は非常にそっくり。そりゃ高校の時からの仲だから当然と言えば当然。

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芸人の総数が圧倒的な吉本興業からは松本人志一人だけ、という何とも不思議な体制で暫く行わているキングオブコントですが、逆に5人中4人がホリプロであり、コンビが2組も占めているアンバランスさはファイナリストのネタチョイスにも非常に影響してくる様な。厳密に言うとホリプロ(さまぁ~ず)とホリプロコム(バナナマン)なので微妙に違いますが、事務所関係者以外からすると、ほぼ一緒。ファイナリストからすれば「バナナマンやさまぁ~ずを照準を置いたネタをやった方が稼げる!」となっても不思議ではない。「キングオブコントはそんな簡単なものではない」と言われたら、そうかもしれませんが、やはり気になります。

裏を返すと、出場を試みる芸人からすれば、さまぁ~ずやバナナマンの好みからは外れてそうな人達にとっては無理ゲーと思われてしまう仕様になってるという事です。

やはりキングオブコントで起きている”審査員問題”は「さまぁ~ず三村が・・・」とか言う、人の問題より、システムの問題が非常に大きいと思うんですよね。


では次回は


②キングオブコントで起きてる問題

③これからやってみてほしい改善策


です。システムの問題詳細と改善策!!

それと、次回に筆者が思う審査員・三村としての最大の問題点を書きます。

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