お笑い人事部長四天王「さまぁ~ず・くりぃむ有田・有吉・千鳥」後半
続きとなる後半は有吉人事部長と千鳥人事部長の紹介です。
有吉弘行
テレビバラエティ界に新卒入社した直後にビッグプロジェクトを任され、見事に成功。大きな成果を出した事で一気に出世コースまっしぐらだったはずなのに、その後はテレビバラエティ界で成果を出せず解雇される。テレビバラエティ界だけでなく世間からも後ろ指を指される中、内村社長、さまぁ~ず人事部長、ダチョウ俱楽部特殊技能士に目を掛けてもらいながら再就職を果たし、見事な成り上がりで天下を取った経歴を持つ男。
現在のテレビバラエティ界においてはトップオブトップに君臨しているので、本当は人事部長ではなく、ダウンタウンや内村光良らと同等の社長クラスではある。
過去にボロクソに扱われた経験を糧に逆襲へと繰り出した「毒舌王」時代。当時のテレビバラエティ界の人材を監視、精査、淘汰していたその姿は正に人事部長としか言いようがない働きぶりだった。
そこから徐々に毒による制裁人事を控えめにし、MCのポジションへと移り変わっていくと同時に人材を生かす事に重きを置くようになった。かつて内村社長にしてもらった事を参考に『有吉の壁』を設立。大ブレイクを果たしたもう中学生をはじめ、とにかく明るい安村、パンサー、ジャングルポケットなどの旬が過ぎた人材にはカラダを張らせる事で新境地を開拓し、ネタが強いシソンヌやチョコレートプラネットにはキャッチーなコントキャラを存分に披露する機会を設けたり・・・とにかくあらゆる芸人の強みや新たな一面を引き出しまくっている「引き出し王」へとなっていた有吉人事部長。
本人の特長としては、不器用だったり、燻ぶっている人材を目に掛ける傾向にある。放っておいてもショーレースで結果を出したり、地肩の強さで売れていきそうなエリート系の人材より、一本立ち出来るか怪しい人材を支えたがっている様な一面がある。
芸人以外にもマツコ・デラックスやフワちゃん、みちょぱなどの個性的なタレントとの親和性も高い。多様性を尊重し、新しい価値観と人材を生かそうとするその姿は、さながらスタートアップの社長の様な風格。
千鳥
今や若手芸人達側から一番「ハマりたい!」と思われている(気がする)お二方。『チャンスの時間』『相席食堂』『千鳥のクセがスゴいネタGP』などお笑い純度と業界注目度が激高な番組を多く抱えている。
大阪時代で培った実力と名声を携え、満を持しての上京。しかし東京本部は浪花節全開の2人を簡単には受け入れてくれなかった。大阪のテレビバラエティでは鉄板だったコンビ芸も通用せず、挙句の果てには『帰ろか・・・千鳥』特集まで組まれてしまう始末。
しかしそこから大阪時代の2つ名だった「ロケの帝王」の顔が徐々に見え始め、気付いたらテレビバラエティのド真ん中に君臨し、人事部長へとなっていた2人。ここ数年で千鳥人事部長の芸風を参考にする若手芸人もかなり増えた印象。とりわけノブ部長のツッコミ術をベースにしたツッコミが急増し、テロップで文字を起こされに行くようなツッコミを乱用する”ノブ現象”が散見されたテレビバラエティ界。それだけ今の若手、そしてテレビバラエティ界に大きな影響を及ぼす存在になっていた千鳥人事部長。
さまぁ~ず・くりぃむ有田・有吉と、関東の非吉本系の芸人が現在のテレビバラエティ人事部長の座を占める中、貴重な関西の吉本系の人事部長でもある千鳥。特に大阪吉本芸人はまず千鳥人事部長のお墨付きを頂く事が全国区テレビバラエティへ羽ばたくカギとなる。大阪吉本芸人の人材は豊作なので、千鳥人事部長は大忙し。
ここまで4組のテレビバラエティのおけるお笑い人事部長を紹介してきました。4組共通して言えるのは紆余曲折を経て、現在の地位まで辿り着いたという事です。これまでの道のりによって生じた説得力や深み。そして今の地位に来てもなお”お笑い芸人”であり続ける事に特にこだわっている4組だと筆者は思っています。
そんな苦労の道のりを支え、導いてくれた上司の存在が大事なのは言うまでもありません。それはどの企業、どのコミュニティでも同じく言える事。そして、そんな素敵過ぎる上司に恵まれていた事もこの4組の共通点です。しかもその素敵過ぎる上司とは同一人物です。最後にその人物を紹介して終わります。
内村光良
どんな相手に対しても圧をかけず、否定をせず、穏やかに見守り続けてきた男。そんな内村の元で伸び伸びとお笑いをやり、羽ばたいて行った芸人は数知れず。改名をきっかけにブレイクしていったさまぁ~ずとくりぃむしちゅーをはじめ、東京のテレビバラエティ界で露頭に迷っていた有吉や千鳥も自身の番組で根気良く起用していった事でブレイクへの道のりを紡いだ。現在の人事部長4組は彼なくしては「有り得ない」と言っても過言ではない。テレビバラエティ界の名誉人事部長。
ー 追記 ー
一般企業の人事部長ならびに管理職クラスの方も内村光良名誉人事部長の様に「圧をかけず、否定をせず、穏やかに見守り続ける」という事をしてくれたら良いのになぁ、なんて思いました。
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