見出し画像

”男達”のフィールドはどこへ?親愛なる『内村さまぁ~ず』を振り返る 前編


16年間


長い月日でしたね。実に2006~2022年の間、頭を空っぽにしてみる事の出来るバラエティ番組『内村さまぁ~ず』。放送開始時は筆者もまだ小学生とかだったのでまだお笑い沼に浸かる前でした。ちゃんと見始めるようになったのは2010年頃から。筆者にとって笑いの原体験であり神様であるさまぁ~ずと出会い、さまぁ~ず×さまぁ~ず、神さまぁ~ずシリーズ、モヤやま、リンカーン、内Pを見ていく流れの中で自ずと内さまもローテーションに入ってました。当時はTOKYO MX局の放送から内さまを堪能。深夜の23時頃にリモコンで9の数字ボタンを押し、一日の終わりを笑って過ごしていた思春期時代を思い出します。今はAmazonプライム会員になれば、全話がいつでも見る事が出来るので良い時代になったものです。気軽にあの頃の、あの回の、あの件を見返す事が出来るんだから贅沢。Amazonプライムでいつまでも残しておいてほしいものです。

今やabemaTV、Amazonプライム、Netflixなどのインターネットを介して見るタイプのバラエティ番組は世間ではお馴染みになっていますが、それも20年前となるとやはりテレビが主流であり、ネット番組なんかは殆ど世に知られない立ち位置でした。そんなネット番組開拓期の頃から現在まで生き残り続けてきた内村さまぁ~ずはネット番組のパイオニアと言ってもいいぐらいではないでしょうか。少なくとも2000年代に配信されていたバラエティ番組で現在まで残り続けたのは内村さまぁ~ず以外ないでしょう。

最初は”ミランカ”(現在はサービス終了)という映像配信サービスから始まり、TSUTAYA 、DMM.com、J:COM、ShowTime(現:楽天TV)などを渡り、現在のAmazonプライムへと繋がっていきました。同時に地上波テレビでもTOKYO MX局などで放送をしたり、DVD発売はギネス記録を更新したりもしました。とにかく日本の放送・配信の歴史と共に歩んできた感が強いのが『内村さまぁ~ず』という番組コンテンツの特徴です。

ミランカ配信時代の内村さまぁ~ず

「一旦、お休みです。来年には復活するかも」というニュアンスで終了したので、また新たなプラットフォームを開拓して再開するかもしれません。内村さまぁ~ずの行く所に日本の放送・配信の未来があるのかもしれない。

なので今回の終了はそこまで悲観する事でもなさそうです。休養期間といった感じでしょうか。ただ、最初に湧いた率直な気持ちは「頼むから、これ以上筆者からさまぁ~ずを奪わないでくれ・・・」でした。去年の『さまぁ~ず×さまぁ~ず』に引き続き、また頭を空っぽにして見る事の出来るバラエティ番組が途絶えるのは死活問題です。去年からちゃんと社会人として働きはじめた事で改めてさまぁ~ずの番組の存在の大きさを実感する日々でした。現在はモヤさまと紙とさまぁ~ずが仕事終わりの癒し。

ちなみに筆者は内さまをAmazonプライムで2年ほど前からイチから見直し、2021年7月辺り(#370)まで見終えました。今年の放送分は#385の小木出演回と#404の真空ジェシカとランジャタイ出演回(最終回)だけ気になったので先に視聴。ランジャタイと真空ジェシカって絶妙に内さまっぽくないのに、それがゲストの回が最終回って随分と飛ばしましたね。まぁ再開前提だからランジャタイと真空ジェシカがゲスト回で一旦最終回でも別に良いか、という判断なのかな。


筆者のしんみりとした思い出はさておき、今回はオススメ回の紹介を中心に内村さまぁ~ずの思い出を振り返っていきます。





神回確定ゲスト


TIM、ウド鈴木、鳥居みゆき、有吉弘行

筆者的な神回確定ゲストはこの4組ですね。内さまヘビーウォッチャーなら特に鳥居みゆきは満場一致じゃないでしょうか。出川哲朗狩野英孝もこの4組と同等に神回確定ゲストですが、彼らはまた個別でピックアップするのでここでは割愛。


TIM

内Pメンバー5人集結!(ふかわは欠席)

「内村光良」「さまぁ~ず」とくればやっぱり次はTIMでしょう。ふかわりょうも足したら内Pレギュラーメンバーの完成です。『内村プロデュース』が2005年に終了し、翌年にウッチャンとさまぁ~ずだけ居残って継続したみたいなノリの番組が『内村さまぁ~ず』なのでTIMが出演する時は内Pファン界隈からしたら激アツであり、実家のような安心感がハンパない。#193で初めて5人揃って並んでいる画を見た時は感極まって泣いてしまったのは俺だけじゃないはず。

オススメ回:#17、#82、#139、#193、#219、#268、#291、#327、#346

#17はゴルゴ松本のみ出演の回。ゴルゴにとっては内さまが始まって以来最初のゲスト出演だったので、まだまだ内P時のノリ全開だったのが印象的。企画内容もフリップ大喜利にシチュエーション大喜利などやっている事もまんま内Pだったで内Pファンには最高の思い出回です。
#82もゴルゴ松本のみですが、ここから恒例の電流の件をはじめ、多才なゴルゴの趣味を見て笑う定例行事が誕生します。次回以降(#193)からは相方のレッド吉田も帯同し、迷走ぶりに拍車がかかるゴルゴの趣味が痛快です。世間を一度は感動させた漢字講座をはじめ、最初はちゃんと特技としている趣味だったのに徐々におかしくなって果てには「雲を念力で消す」とか言い始める始末(#139に収録)。

雲を消すゴルゴ松本



ウド鈴木

ウドにバカにされる内村

相方の天野君と出演する時は「俺たちちょいとムチャするぜ!」シリーズが鉄板であり、こちらもオススメですが、真骨頂はウド鈴木が師匠である内村をコケにする時の回。優しいイメージが定着しているウドが内村相手には悪魔的なドSぶりを発揮。一方同じく温厚のイメージのウッチャンもプライベートで唯一ウド鈴木だけには何度か怒った事があるとの事。内さまって、ウッチャンがコケにされる回が面白くなりがち。内さまあるある。

オススメ回:#96、#124、#180

#96はレギュラーお三方の持ち味をウドが引き出すという企画。一人ずつ順番に大竹、三村と良さを引き出そうとするも、終始グダグダでいつも通りのウドって感じです。がしかし、内村の順番になった途端に急に牙を剝き始めます。「尊敬している」というテイでずっと小バカにしまくるウドのSっぷりが新鮮です。ウッチャンも「コイツだけにはバカにされたくない」とムキになるも、よりドツボにハマっていく構図が見事だった。
#180ではいよいよウドの悪ノリにさまぁ~ずの2人も乗っかり、文字通り完全に内村をおもちゃにしちゃう回です。
#124は全内さまの回の中でも1,2を争うほど笑った回です。ウド鈴木と鳥居みゆきのエキセントリックコンビが司会を務める忘年会。この2人の司会進行が終始シュール&下ネタで溢れ返っており、正しく”カオス”と呼べる神回。シュールな笑いが好きなアナタに超オススメ。


鳥居みゆき

鳥居みゆきと小林Dの旅ロケがお馴染み

まさか、こんなに内さまと相性抜群だとは夢にも思いませんでした。TIM、ウド鈴木、有吉などはお三方と旧知の間柄でありフィーリングが合っているのでそりゃ面白くなるわけですが。逆に全く嚙み合ってない事でシュール具合に拍車がかかり、かえって面白く仕上がったのが鳥居みゆきの回。芸風的にまともにやり取り出来ない事は分かってはいるけど、なんとか絡もうとしてはスルーされたり、変なカウンターを喰らってタジタジになるお三方。そして番組名物小林ディレクターとの相性が抜群でした。

インドでヘアカットと顔剃りをされる小林D

オススメ回:#89、#124、#160、#212、#246、#280、#313、#314、#388 

記念すべき初登場の#89。お三方と関係性があまり築かれていないので親睦を深めよう的な回。流しそうめんをしたり卓球をしたり。当然翻弄されっぱなしのお三方ですが、とりわけココでもウッチャンだけぞんざいな扱われ方が多く、内さまファンの心をくすぐります。
#160以降は番組名物ディレクター小林Dと鳥居みゆきの2人で旅ロケを行い、そのVTRを見ながら出来事をクイズにする『世界ふしぎ発見!』スタイルが恒例となります。#160は鳥居の休日、#212は鳥居の地元凱旋、#246と#280は国内旅行、#313~#314では遂にインド旅行までセッティングし前後編にまで拡大する事に。大自然クイズを除いて、内さまで2週を跨ぐ事ってなかった記憶です。内さまにおける鳥居みゆきの評判は相当なものだったのでしょう。

※#388は未視聴ですが、きっと神回でしょうから載せました



有吉弘行

今や芸能界トップオブトップの有吉弘行。まだ再ブレイクする前のムチャクチャ芸風時代(#27)、毒舌開花時代(#42、#84)、MC定着時代(#219)、芸能界トップオブトップ時代(#336)の有吉を堪能出来ます。ムチャクチャ芸風時代から順に追って見ると#219できっと感慨深い気持ちに浸ることでしょう。面白さで言うならやはり毒舌開花時代のキレ味は最高です。それに比べると直近出演の#336(2020年)ではすっかり柔和な雰囲気になっており、その落差がまた面白いし味わい深いものになってます。

オススメ回:#27、#42、#84、#90、#219、#336

初登場は#27。毒舌&あだ名で再ブレイクする前の有吉という事で非常にレア度の高く貴重な回です。単独ライブを開くのだが、不安なのでお三方に助けてほしいといった回です。この時はまだ喋りも拙く、終始グダグダで酷い有り様をお三方にツッコんでもらう待ち状態だった有吉。有吉の壁を見た後にコッチを見るとかなり新鮮に感じます。ただ後半はさまぁ~ずと共に大喜利対決を行い、そこで後にブレイクのキッカケとなる毒舌&あだ名が繰り出されるので、やはりこの回は永久保存版レベルに貴重な回。

軌道にノリ始めた#42と#84の毒舌開花時代は触れるもの皆傷つける有吉が見れます。イライラとかを発散したい時はこの頃の回がオススメ。ブラックだけど爽快でめちゃクチャ笑えます。パンチライン「南原と友達」もこの時です。
そこから次の出演まで結構な開きがあり、すっかり日本一忙しいタレントになった頃に登場したのが#219。『内村さまぁ〜ず THE MOVIE エンジェル』舞台挨拶の裏で久々にシンプル大喜利対決をする有吉とお三方とレッド吉田。あぁ内P、あぁ青春。

コレまた月日が開いて#336。すっかり芸能界トップオブトップになってから久しい有吉が童心に還りたいと言わんばかりの雰囲気で登場。この回は「どんな事でも縛りがあれば面白く出来る」といったガチガチのお笑い度高めな企画でした。あの頃の内Pの様な探り探りな雰囲気があって最高です。
さまぁ~ずが通常以上にはしゃいでボケまくっていたような気がしたのが印象的。後半の目隠しチャンバラ、LINEトークしながらかくれんぼ、シチュエーションコントがめちゃクチャ面白かったです。



またまた長文書いてしまったので、一旦区切りで後編に回します。

M-1前までに後編を書き終えたい。


サポートしてくれたら、よりお笑いコラムの虫と化します。 本業として食っていけるように努力致します。