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『アドラーの友人』:アドレリアンの分類

前回の記事から、順にアドレリアンの分類について書いています。
今回は「アドラーの友人」というタイプについて。

アドラーの友人

このタイプの特徴は以下の通りです。

・アドレリアンだとは自認していない
・アドラーの功績を認め、一部あるいは多くの部分で概念・技法を保守的に取り入れている

例えば、有名な理論家の中ではアブラハム・マズロー、ロロ・メイ、アルバート・エリス、ヴィクトール・フランクルなどがこれにあたります。彼らはそれぞれアドラー心理学から大きな影響を受けていることを明言している一方で、自らがアドレリアンであるとは言っていないとされています。つまり、個々に独自の理論や概念を打ち立てている。

論理療法を打ち立てたアルバート・エリスは北米アドラー心理学会員でもあったわけですが、野田先生が研修会で話しておられたところによると、野田先生がエリスと会った際に「どうしてアドラー心理学だと言わず、自分の理論だと言うのか」と尋ねたところ、「だってそんなことしたら儲からないじゃないか」と言われたと話しておられました(もちろん深刻な話ではなく、笑い話として)。

各理論家とアドラーの間には様々なエピソードがあり、また思惑があるようです。特にマズローやフランクルとアドラーの関係は、伝記等を読むととても面白いですが、それぞれが枝分かれするように影響力のある理論を考え出したことから、いかにアドラー心理学の理論が画期的だったかを思わせます。

次回はアドレリアンⅡについてです。


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