僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルーから読み解く差別とは?

ブレディみかこさんの著書は二冊目なんだが、イギリスで暮らす彼女のエッセイは大変面白い。

飾らない筆者の視点から見る、外の国からみた日本、日本人が外国人と結婚し他国で暮らすリアルが記してある。

普段日本で暮らしている私達は自分のアイデンティティを深く考えることはないが、イギリスで暮らす彼女と彼女の家族は嫌というほど人種間の隔たりを突きつけられている。多国籍な人種が共に暮らすということは思ってる以上に様々な問題があるようだ。

この本を読んでいて感じたのは、

日本人の私達は無意識的に差別している

ということ。これは自分にも思い当たる節があるのだが島国であるここ日本では

新しい文化や考え方に対して抵抗力が強くあり、仲間意識が強いことから一旦仲間から排除されると一緒になってその人を叩きまくる。

これって日常生活に溢れてんなぁと思ったのだ。

彼女の息子がイジメを受けてる友人に対して言った

「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。。。罰するのが好きなんだ」

というセリフ。12〜13歳の彼女の息子は人種、貧富の差、LGBT、女性軽視など様々な問題を日常的に見てきているので、家族間の議論も非常に大人びており私達がはっとさせられることが多い。

筆者は保育士の免許を持っており、幼児期の世話をしていて感じるのは

子供達は全く差別意識など初めから持っているのではなく、その多くは親や周囲の大人達の考え方に影響を受け染められていくという現実。

子供を育てていく上ですごく大切な権限を大人が握っていることがわかる。

彼女の息子が中国人の子に仲間意識を待たれて、喧嘩を仲裁してもらった時に何故か悩んでいたシーン。

自分は日本人とアイルランド人の両親から産まれたから意識していなかったが中国人の彼からしたら同じ東洋人として強い仲間意識を持たれていたことに疑問を感じる。

息子はそもそも自分は何かに所属(カテゴライズ)されている意識がなく、そもそもカテゴライズする必要性を理解できない。カテゴライズすることによってより仲間意識が産まれ分断が強くなるんじゃないかなといったシーンに思わず唸った。


私も少し感じていた違和感。

私も大好きなビヨンセのライブ映像を観ていて思ったのだが、

今まで一番多くの差別を受けてきたのは黒人

その中でも黒人女性が一番差別を受けてきた。といった訴えとともに黒人のサポートメンバーに黒人の観客が多くいる中で訴えている映像を観て何だか昔観た色んな人種がいたメンバーでやっている時より違和感を感じてしまった。


差別を訴えるのは大事だけど、その人種の主導者以外の意見が通らなくなるとそれは新たな差別のスタートになってしまうのではないか

という懸念を感じたからだ。

私達はこれからの時代とてもグローバルな社会を生きていかなければならない。

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