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2023.6.15:24という歳
24歳になった。穏やかな風が吹くよく晴れた朝だった。
12歳のちょうど倍、母が母親になった歳。24歳になったら怖いものなどなくて心を乱されることもなくなりちゃんと仕事をして人の役に立っているのだろうなと漠然と思っていた。でも24歳になった私は、キウイの皮ほどの細やかな棘にすら心を痛めて世界が嫌いになる。いまだに自分の形が掴めない、怖い動画を見ると眠れなくなるしトマトだって相変わらず食べられない。
1人で生きていけるようになりたい、誰にも何にも心を乱されず自分の基準で地に足をつけて生きる、苦しくて仕方なかった22歳の誕生日、渦の中息継ぎをするのが精一杯だった。
そんな私でも大人になれたと思うことが一つある。許せるようになったことだ。不幸になれと恨んだいなくなった父、大学卒業したら縁を切ると決めていた母、見下して嘲笑ったあの子、いつもどこにいても疎外感を与える社会。あれだけ嫌いだったものや人をしかたなかったと思える。諦めに近いもっと明るい気持ち。幸せになれと思えないけど、不幸になれと思わなくなった。全てのエネルギーを憎しみに費やしていた数年前と比べると今はずっと生きやすくなった。渦から抜け出して泡を見ている。
心を乱された時人を頼れるようになった、いつかどこかに息継ぎを意識しなくても呼吸ができる場所がある。トマトは食べられないけどコーヒーは飲めるようになった。とりあえず明日も生きてみたいと思える。大人になれなくても夏はやってくる。私は明日も生きたい。
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