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泣かない人生は歩めるのか
私は自分の母親の事を好きになれない。
大学を「実家からできる限り遠い場所」という理由で決めたくらい母のことが嫌いだった。あの頃と比べるとちゃんと会話もできるようになったし条件反射的に拒否反応が出ることも無くなった。
母のことは苦手だが、好きな部分もある。料理が得意だったり、趣味が合ったり。母のおかげで母子家庭で大学まで行けてるわけだし今の私がある。母なりに私のことん大切にしてくれているのは伝わる。とても感謝はしている。ただ、どうしても好きになることができない。
高松のことが好きなので帰省はとても嬉しい。実家には大好きな猫もいる。しかし、2週間くらい経つと心の雲行きが怪しくなる。札幌では意識しなくなった自己肯定感を意識し始めたらもうダメで、自分の全てが嫌になり何も手につかなくなる。
直接的に母から言われているわけではない。ただ、母の機嫌を察する癖、会話の大半を占めるネガティブな話題、真綿で首を絞めるかの如く吐き出される嫌味。察する事を求められて育った私は否定や嫌味に対して人より敏感で、だからネガティブな空間に対する耐性が人より低いだけなのだ。
環境が人に与える影響は本当に大きい。どんなメンヘラ脱出!自立した強い女になった!と思っても、根は深いので、環境が悪くなれば簡単に戻ってしまう。
ただ私はもう24才で、子供じゃなくて、闘える。
大学生活を通して、好きだと思える自分でいられる環境を作ってきた。だからこの自己肯定感最底辺の今の自分も俯瞰して見ることができる。絶対的に私を守ってくれる、好きでいてくれる人たちがいる、帰る場所がある。本来成長する中で知れるはずだった事をこの歳で知ることができた。家族で得られなかったことを、家族以外の人から幾つになっても知ることができる。毎日幸せになりたいと嘆いていたあの頃の私に伝えてあげたい。
母に対する恨みは消えない。嫌いなところは相変わらず嫌いだ。でもどうしたって私の母であることは変わらないから、上手に距離を取った上で大切にして付き合っていくことにする。
泣かない人生は無理かもしれなくても人を笑顔にできる人生は歩める気がする。
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