2024.8.9:うたうことがすき

7歳の頃から10年続けた合唱の30周年コンサートにOBとして出演した。

私にとって、ホールの景色といえばステージ側からの景色で、楽屋はかくれんぼするのにちょうど良くて、ライトは汗をかかせるものだった。

音大卒の母に育てられたので、音楽活動が当たり前だった。休日の一日練、満席のホールに響く拍手、毎月出演できるコンサート、コンクールの刺すような視線。日常になっていた音楽まみれの生活がものすごく贅沢だったことをやめて初めて気がついた。


合唱をするのは、8年ぶりだった。

スポットライトが着いた瞬間、私の居場所はやっぱりこっち側だと感じた。歌は細胞とか血液とか、私の構成要素だ。
だからこんなに歌えるんだ、と妙に納得した。

リハも含めて4時間、歌いっぱなしだった。終わる頃にはへとへとだっだ。歌ってこんなに体力使うものだったのか。ちゃんと歳はとっている。


歌っている時ずっとワクワクしていた。邪念なく素直なきもちで何かを楽しめたのはいつ以来だろう。

難しい言葉はいらない。私はやっぱり歌うことが、音楽がすき。

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