中国に民主主義を持ち込むと分離独立の種になる

■中国で続く抗議
 中国で武漢ウイルス対策のロックダウンが行われ、水・食料・医薬品などの提供無しで行われている。しかも家屋に閉じ込めるだけであり外に出さない徹底ぶりを見せた。中国では政府機関が家屋の出入り口を外から封鎖する。これで火災になると逃げ出せないから、11月24日に東トルキスタンのウルムチで閉じ込められた住民が焼死。

 翌日にはウルムチで政府機関への抗議が発生。すると一部の抗議活動から中国全土への抗議活動に拡大した。それだけではなく日本でも抗議活動が行われ沈静化する気配が無い。初期段階はウルムチの焼死事件への抗議だったが次第に政治的な抗議活動に変化した。

■中華人民共和国の人民は幻想
 中国人と言うが中身は多民族。しかも純粋な漢民族は秦王朝以後消えている。端的に言えば歴代王朝に飲み込まれた国は“中華思想の民”にされる。これは今の中国共産党による北京王朝も同じで、モンゴル・チベット・東トルキスタン・香港など北京王朝により中華思想の民にされた。つまり中国には王朝は存在しても国民が存在しない。

 中国の歴代王朝から見れば民は奴隷か道具。私見では今の中国共産党による北京王朝は民を道具と見ていると推測している。奴隷と道具の違いだとしても中華人民共和国の人民は幻想の存在だ。

■不満が爆発
 中国共産党は武漢ウイルス対策としてゼロコロナ政策を実行している。中国は武漢ウイルスワクチンを開発しているがロックダウンとPCR検査を推進。基本的に疫病対策としてロックダウンとPCR検査はワクチンが無い時の対策。つまり中国共産党が行っていることは無駄。既にワクチンが有るなら使えば済む話だし、根本的に武漢ウイルスは弱毒化している。こうなるとロックダウンとPCR検査は経済活動を停滞するだけ。

 これは明らかだが習近平はゼロコロナ政策を掲げた。感染力が高くても弱毒なら風邪と同じ。だからPCR検査をすれば必ず陽性になる。完全に消すことは不可能だからゼロコロナ政策は初めから失敗が約束されている。それでもゼロコロナ政策を実行することは、習近平が理解できないか意図的に実行しているかの何方か。

 仮に習近平が意図的に実行しているならロックダウンを使った人民殺害が目的。理由は簡単だ。中国では人が集まれば易姓革命の種だから、ロックダウンを用いて人民の餓死・病死を意図的に行っている。習近平が文化大革命を称賛しているなら自己流の文化大革命を行なっても不思議ではない。

 だが予想外のことが発生した。東トルキスタンのウルムチで閉じ込められた住民が焼死した。この抗議活動が中国全土で行われ、さらに中国共産党・習近平への抗議活動に変化した。これは長引くロックダウンで不平不満が蓄積され、ウルムチの抗議活動をネタに中国共産党と習近平への抗議活動を行なったと推測する。

 途中の推測は不明だとしても結果としては易姓革命の種になった。こうなると習近平は人民解放軍を使って人民を抹殺するかBC兵器を用いて謎の病死で死んだことにするだろう。もし放置すれば易姓革命だから習近平も馬鹿ではないから何方かを選択する。

■中国に民主主義は毒になる
 中国の抗議活動で「自由」と「民主主義」を求める声が出ている。自由は民主主義の政治思想の骨幹だが条件を満たさないと衆愚政治や扇動政治に陥る。しかも多民族国家に民主主義を持ち込むと国家分裂の結果を生み出している。

人間としての条件
 制限の範囲内の自由:人間・個人主義
 無制限の自由   :獣・利己主義

社会
 制限の範囲内の自由を選んだ人間同士の共同体。

政治
 個人の利益よりも全体の利益を優先した多数決が民主主義。

 民主主義は人間としての条件を満たしていることが条件で、制限された範囲内の自由が個人主義であり人間の世界。ここで自由を無制限と誤認すると獣社会になる。これは自分の利益追求だから利己主義になり国家から利益を求めるので国家を消耗させるか破壊する。

 民主主義とは制限の範囲内の自由を選んだ人間同士の共同体であり、個人の利益よりも全体の利益を優先した多数決が民主主義なのだ。だから民主主義は「国民は公正無私の立場で選良を選ぶ」という仮説により成り立つ。人間は不完全な生き物と言う前提を無視しているので、仮説が崩れると衆愚政治や扇動政治に陥ることになる。

■民主主義が毒になった例
 実際に個人主義は容易に利己主義に変質する。個人の利益を優先する利己主義を追求すれば私利私欲を妨害する政治家は害になる。その様な場合の市民は私利私欲を満足させる政治家を求めることになる。

 強欲な市民が扇動政治を呼び込み権力を求める政治家が扇動政治で市民を操る。この時の選挙は「多数決が民主主義」になる。これでは無制限の自由が正義であり、多数決が民主主義であれば犯罪者でも正義になる。

 実際に古代ギリシャのアテネの市民は私利私欲を追求した典型例。市民の私利私欲を否定する政治家が市民の選挙(オストラシズム)により国外追放された。民主主義の欠点は愚者と弱者に権力を与えると「タカリ」のリーダーを作り権力を用いて私利私欲を追求する悪癖を持つ。

 民主主義は地縁・血縁関係の共同体の代表が集まり協議する。集まるのは利益誘導型の代表だから民主主義の原点である多数決の意味を忘れると個人の利益が共同体の利益になり国家の団結力が低下する。その典型が衆愚政治か煽動政治。

 多民族国家で民主主義を行うのは難しい。何故なら「民族+地域」結晶の利益代表が集まって多数決政治を行なえば、それぞれ我利を主張して誰もが欲求不満になる。国家としての団結力が薄れて最終的には空中分解する。

 典型的なのはユーゴスラビア。恐怖政治で多民族を一つに纏めたが恐怖政治が低下すると各民族で利益を奪い始め最終的に国家分裂に至った。他の典型例は2010年からチュニジアで始まったアラブの春。この時アメリカは民主主義を持ち込んで独裁から民主主義に変えようとした。すると欲求不満が蓄積されて最終的に失敗している。

■中国が民主主義を選んだ未来
 多民族国家だと国家の利益の奪い合いだから、多民族国家で国内に民族主義が芽生えれば民主主義が崩壊するのは歴史の経験則。つまり多民族国家の中国に民主主義は難しい。これは明らかだから今の民主主義を求める抗議活動は分離独立運動を含んでいる。

 モンゴル・チベット・東トルキスタン・香港が現段階で抗議することは分離独立の証。既に易姓革命だけではなく分離独立まで同時進行していることは明白。これは中国の民主主義が成立した後に分離独立するか、初期段階から分離独立するかの分かれ道。

 習近平がこの危険性に気付いていれば既に抗議活動を鎮圧している。そうなると習近平は危険性に気付いていないことになる。こうなると易姓革命と分離独立を止めることはできない。ならばモンゴル・チベット・東トルキスタン・香港は、抗議活動を行うことで未来を得ることができる。そして外国人だとしても中国からの分離独立を願うなら応援するだけでも意味が有る。

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