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5月1日までの睨み合い

■世界は強弱論
 世界の国々は平等ではない。世界には国際条約が存在するが、強国に都合が良いルールなのが現実。今の平和は強国に都合が良いルール。今の平和を否定する行為は悪と見なされる。これが国際社会。

 イランはアメリカに反発するので今の平和を否定する国と見なされる。世界には正義と悪は存在しないが強弱の世界が存在する。世界の現実は「勝てば官軍負ければ賊軍」なのだ。

イラン外相、米大統領は「戦争に誘い込まれる恐れ」
https://jp.reuters.com/article/iran-usa-idJPKCN1S10AO

■アメリカの要請
 アメリカはイランの革命防衛隊をテロ組織と認定。さらにイランとの貿易禁止も世界に求めた。革命防衛隊は宗教組織の私兵だが国際社会では義勇兵扱い。だから国際社会はシリアで革命防衛隊が活動しても黙認する。

 イランとの貿易禁止は踏み絵。イランとの貿易禁止を使うことで、アメリカの「敵か?味方か?」を問うている。だから中立は難しい。何故なら強国アメリカの要請だから、世界は強国の要請に従うのがマナーになっている。

■集団的自衛権のルーツ
 集団的自衛権や国際条約などは白人世界の価値観で作られている。平和は強国に都合が良いルールだから、受け入れるのも国際社会のマナー。世界は理屈ではなく経験則の世界であることを受け入れる必要が有る。

 白人世界で戦争が発生し、第三国が他国の戦争を悪用して火事場泥棒をする国が横行した。利用された国は怒って火事場泥棒をした国に報復。すると後に火事場泥棒をした国も報復。

 報復合戦で白人世界は疲弊した。すると白人世界も馬鹿ではなく対策を考えた。理想と現実の最適解から、時の強国が常に存在することを利用することにした。時の強国が軍隊派兵を要請すると、要請を受けた国は軍隊を派遣する様になる。これは「自国は火事場泥棒ではない」ことを示すため。これが今の集団的自衛権のルーツ。

 世界から戦争を無くすことはできないが、可能な限り無駄な戦争を回避する解決策を見つけ出した。それが集団的自衛権であり国際社会のマナー。これに反対することは、強国に敵であることを示すことになる。

■先に開戦した国が悪
 国際社会では軍隊を用いて先に開戦した国が悪の国にされる。理由は今の平和を否定する行為だから。戦前の日本が悪の国にされたのは、日本から軍隊を用いて開戦したから。国際社会では宣戦布告は飾りで、宣戦布告後に開戦しても無意味。

 国際社会では宣戦布告はするが、常に相手国から先に開戦する様に仕向けている。そのために法律論や経済制裁で怒らせている。日本もABCD包囲網やハル・ノートに怒って開戦。これで日本は平和を否定する国になった。

 当時の日本は国際社会のマナーを知らなかった。だから怒って開戦したが、イラン・中国ロシア・北朝鮮などは知っている。だから国際社会の抜け穴を使ってアメリカに挑んでいる。

■義勇兵
 軍隊を用いて開戦すると直接的な戦争になる。国際社会では直接的な戦争を否定する。代わりに各国は間接的な戦争を抜け穴として使っている。何故なら間接的な戦争を用いて国防と外国への干渉を行うからだ。そうでなければ国防できないし外交もできない。

 だが間接的な戦争ならば国際社会は黙認する。代表的なのがアメリカの義勇兵であるフライングタイガース。中身は正規兵でも義勇兵と称すれば世界は黙認する。さらにアメリカが蒋介石に行った物資支援も間接的な戦争。

 間接的な戦争ではアメリカが先に始めていたが、国際社会は間接的な戦争を黙認する。だからアメリカは日本に対して行った。中国共産党も知っており、朝鮮戦争では人民解放軍を義勇兵として派遣した。だが義勇兵と称したので国際社会は黙認。

 最近ではウクライナ東部の戦闘にロシアの義勇兵が参加した。ロシアの義勇兵の装備は正規軍なのだが、ロシア政府が義勇兵と称すれば国際社会は黙認した。何故なら多くの国が使ったことが有るか、今後使う可能性が有るから批判しないのだ。これも国際社会。

 イランの革命防衛隊は宗教組織の私兵。だから国外に出しても直接的な戦争には該当しない。何故なら義勇兵扱いだから。アメリカは革命防衛隊をテロ組織に認定したが同調する国は聞いたことが無い。これはアメリカの主張に無理が有るからだ。

■戦争準備
 イランとアメリカの対立関係は悪化している。だがトランプ大統領はイランとの戦争は考えていない。根拠は物資の移動と集積。戦争するとなれば2万人規模の師団で、一日で2000トン消費する。一個師団を空軍が対地支援すると4000トン消費。海軍まで参加すれば一日の消費は10万トンなど軽く消し飛ぶ。

 兵力量で消費量は変化するが、一日10万トン以上必要だと見た方が良い。ならば戦争前に生産・移動・集積を行うことになる。これには最短で半年。最長で1年間必要とする。

 これは隠すことができないから、物資の移動と集積は戦争準備の証になる。だが今のアメリカには見られない。つまりトランプ大統領はイランとの戦争を考えていない証。同時に北朝鮮との戦争も考えていないことを意味する。

■イランが妨害したら
 だが空母艦隊を用いた対地攻撃は行う可能性は有る。何故なら航空機や大砲を用いた越境攻撃は間接的な戦争に該当する。だから空母艦隊を用いた懲罰的な攻撃は行う可能性は高い。

 イランがホルムズ海峡を封鎖するかアメリカ海軍の行動を妨害すると、アメリカは懲罰として空母艦隊による対地攻撃を行うことになる。これなら間接的な戦争だから今の平和を否定しない。むしろ今の平和を否定するイランを懲罰可能。

■イランの選択
 今の状態ではイランの選択で決まることになる。それだけアメリカに追い詰められた状況であり、イランが怒れば戦争になる。イランが我慢すれば戦争にはならない。その様に追い詰められている。

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