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朝のさざなみ読書会〜体験できていること自体が奇跡的〜

2023年12月、糸島市の前原商店街にあるカフェSAZANAMiさんで開催することになった「朝のさざなみ読書会」。12月22日に全4回のうちの3回目を開催しました。

前回の様子はこちら。

今回は、PART1「現実を直視する」の中から、第3章「『時間がある』という前提を疑う」、第4章「可能性を狭めると、自由になれる」を取り上げました。

この読書会では「グランドルール」といって、参加者皆さんで大切にしたいルールをお伝えしているのですが、その一つに「間を埋めようとしない」というものがあります。沈黙の時間は何も起きていない時間ではなく、言葉を味わったり、思いを巡らせたり、様々なことが起こっている大切な時間です。そこで、まだ言葉にならないときはそれをそのまま味わい、言葉にしたくなったときに言葉を発してほしいと思っています。

また、沈黙の時間を味わえるようになると、仮にその人が黙っていてもその場にいるだけで影響を与えていることにも気づいて面白いのでおすすめです。

ここからは、本の中で印象に残った部分を少し紹介したいと思います。

「失う不安」ではなく「捨てる喜び」

第3章の中で強烈に残った言葉が「捨てる喜び」。P86にこのような文章が出てきます。

「ほかにも価値のある何かを選べたかもしれない」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えるのだ。(中略)この真実を理解したとき、人は不思議な爽快さを感じる。
「失う不安」のかわりに、「捨てる喜び」を手に入れることができる。

「第3章『時間がある』という前提を疑う」P86

会社員を辞めて自由に時間が使えるようになった今、単純に自由で楽しいかというとそうでもないということがよくわかります。人に会いに行くか、発信をするか、勉強をするか、読書をするか、休憩するか。まさに、このnoteを書いているこの時間も、時間の使い方の選択を迫られている感覚があります。これがまさに「失う不安」。

本の中で、何かを選択するときに何かを諦めたような気持ちになるけれど、それは目移りするほど素敵なメニューから選べるチャンスがあるということだと書かれていたのも印象に残りました。今の私には時間があるからこそ、捨てることが惜しく感じるだけの選択肢があり、「捨てる喜び」に溢れた生活を送っているとも言えるのですが、どうしても不安に感じてしまいます。これから選択を迫られるとき、「失う不安」と「捨てる喜び」のどちらを感じているか観察してみると良いかもしれません。

一方で、これまでの経験を振り返ると、仕事を辞めると決めたとき、引っ越しすることを決めたとき、お金を払うと決めたとき、いつも不安を感じるのは決める前のことで、決めてしまえば前進するだけだ、という爽快感を何度も味わってきたことも思い出しました。

体験できていること自体が奇跡

第3章では、環境コンサルタントのジェフ・ライが、友人を若くして亡くしたときに物事の見方が変わったという話が紹介されています。それは「自分が何をしているか」や「それが快適かどうか」は、もはやそれほど意味がなく、生きてそれをしているという事実に意味があるということです。確かに死んでしまえば、時間の使い方に悩んだり、選択肢の多さに不安を感じたり、待たされることにイライラしたりすることもありません。

今、生きて体験できていること自体が奇跡であり、この限りある時間すら本当はなかったかもしれない。だから、選べなかった選択肢を惜しむ必要もない。その選択肢はもともと自分のものではなかったのだから、どれを選んでも間違いではない。

そんなことが書かれていました。限りある時間をこの視点で捉えることができると、どんな選択もどんな体験も愛おしく思えてきます。

優先順位が「中」のタスクは邪魔になる

第4章では、タスクを上手に減らす3つの原則が紹介されています。その中の第3の原則は「優先度『中』を捨てる」

優秀な投資家が自家用機のパイロットに優先順位のつけ方をアドバイスしたという逸話によると、投資家は「人生でやりたいことのトップ25をリストアップし、重要なものから重要でないものへと順番に並べ、上位5つだけを残してあとは捨てなさい」と言ったそうです。

優先順位が中位のタスクは人生の中でさほど重要ではなく、それでいて、重要なことから目をそらすくらいには魅力的。これは心当たりがありますね。

コーチングでも”やらない「やることリスト」”は自己信頼感を下げると言われていて、やらないのであればリストから削除するのが良いとされています。

最後に

今回も、音読が終わるたびに唸ってしまうほど心当たりがある話や心に響く話が出てきました。参加者みなさんと特に盛り上がったのは、限りある時間の中で「ノー」ということの大切さについて。人間関係を築く上で「ノー」ということが難しい場面もあるけれど、「ノー」と言うことで「ノー」と言っても大丈夫な関係を築くことができるし、自分のペースで生きる心地よさを味わうことができるんじゃないかという話になりました。本の言葉に加えて参加者の皆さんの感想を聞くと、さらに勇気づけられます。

次回は最終回。楽しみです。


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