221228 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の親中派が越えられない中国との「壁」、政府と足並みが揃わない理由
今年最後の寄稿となります。
「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の施行以降、親中派が我が世の春を謳っている香港ですが、ときどき親中派も中国政府、ひいては中国共産党のことをよく分かっていないなぁ…と思わされる場面に出くわします。
というのも、香港で育った香港人の「にわか」親中派は結局、自分が中国政府に近い(たとえば出身業界と中国との関係やビジネス往来)ため、さらに中国政府に従順になっていれば悪いようにはならないと思っていて、よくわからないけど中国政府に「操を立てて」見せてるケースがすごく多いんですよね。そういう連中が展開する論を見ていると、「いやー、それは中国の判断材料にはないわ」という話がよくある。ただ、彼らはそういう旗振りをして「自分は中国政府の利益に忠実です!」というのを見せたくてやっているところもあり、あまり意味のある内容がないことも多く、しかし今や政治を牛耳っている彼らですから、香港社会は振り回される。
最近また、そんな親中派の鼻息の荒さ(特にこれは第三者をいじめることに発揮される――「中国政府に代わってお仕置きよ!」と叫んでみせることで、自分の権力を再確認し、政治的な立ち位置を表明し、記録させるという二重三重の計算によるもの)が、中国政府には大して重視されていないんじゃね?という場面がときどき見受けられるようになりました(もちろん、ネット上の言論ならまだしも、今や新聞どころか風刺漫画でもそこを堂々と突くことはほぼできなくなっています)。
今回の記事でそう感じたケースをご紹介しました。どちらも実際は非常に根っこが複雑で解説し始めると止まらなくなるのですが、「香港がいま置かれている状況・入門編」くらいの気分でお読みください。
それでは、また2023年にお目にかかりましょう〜。良いお年を。
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