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【ぶんぶくちゃいな】成都! 成都!! 成都!!!

日本はやっとこさ、お盆を過ぎたくらいから気温が落ち着き始め、9月に入ると台風シーズンが始まり、いまのところほぼ直撃はないものの、気温はあの恐ろしく暑かった夏が嘘みたいに落ち着き始めた。

文字通りの「台風一過」という感じ。

同時に新型コロナ第七波に入り、8月末には過去最高の新規感染者数を記録したものの、全体的なムードとしてはここ2年半で最もコロナ前の日常に近づきつつある。筆者の友人もこの夏以降に無事に海外から日本入りを果たし、ある知り合いによると、アジア地区では少しずつ日本への観光再開ムードも広がり始めたという。

もちろん、今も感染したり、あるいは感染後の予後が長引いていたりする人もいるのだろう(あまり報道ないですね)が、社会全体が「コロナ共存」のムードに慣れることでひたすら感染に全力を注ぐのではなく、そうした人たちに目がもっと注がれ、特に医療業界が余力を注いでくれることを願うばかりだ。

少なくとも、我われは「コロナウイルスとの共存」を模索しつつ、歩み始めた。そのことにほっとした気持ちになっている人も少なくないだろう。

だが、そんな日本から中国のニュースに目をやると、そこに流れる重苦しいムードに息がつまりそうになる。今この瞬間にも、南方の深セン経済特別区、四川省、貴州省、新疆ウイグル自治区、黒龍江省などでもほぼ地域全体を封鎖した「コロナゼロ化」政策が進められているのである。

だが、その全てが「都市封鎖」を意味する「封城」とは呼ばれず、「原則居家」(原則的に家にいる)や「黙静」(沈黙して静かに過ごす)とトーンダウンした言葉が多用されている。だが、人々が暮らすマンション団地の入り口は閉じられ、許可証がなければ出入りできず、そしてマンション内で行われるPCR検査にほぼ毎日のように並ばなければならない――その全ては今春上海で行われた都市封鎖をそのまま応用している。

中国はいつまでそれを続けるのか。外部世界がすでに「共存」を模索している時に、中国だけで「ゼロ化」を目指すことの滑稽さに気づいていないのか。さらには政府お膝元のシンクタンクからは「鎖国賛成論」まで飛び出して、人々をびっくりさせた。それが、「自欺欺人」(「自分を騙し、そこから人を騙そうとする」の意、つまり「自己欺瞞」)だと本当に気づいていないのか…?

特に今年は、四川省に暮らす人たちにとってはつらい夏となった。まずは高温、そして渇水、山火事、さらには停電、そしてコロナによる封鎖、9月5日にはマグニチュード6.8の大地震も起きた。そんな四川省の人たちが過ごした「夏」を証言をもとに記録しておく。

●「熱中症」は「都会の病気」

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