「新型ウイルス 相談・受診の目安を公表」って、人をバカにしとるのか?

なんぞこれ? 今に至ってこのレベル? 厚労省ってバカなの?

症状が続く人はすぐに医療機関を受診するのではなく、まずは帰国者・接触者相談センターに電話で相談します。そのうえで、相談センターは、必要に応じて専用の外来への受診を調整します。

うーん、残念ながらこの辺はあまり役に立たないのではと思います。というのも、このところ感染が明らかになっている人たちはほぼみんな、「帰国者」でもなく「接触した」という自覚もないんです。そんな人たちが「帰国者・接触者相談センター」に自ら相談しようと思うでしょうか。

非常に残念ながら、体調が悪いとまずすぐ病院にかかることを考えるはずです。このときに何が起こるかを想定せずに今頃こんな頓珍漢な「よびかけ」をしても、本当に相談「すべき」な人には届かないと思います。行政側主体の説明でしかない。

自分は帰国者でもないし、接触者でもない。でも身体の不調が続くとなったら、まず行き慣れた、あるいは近くの呼吸器科あるいは内科の病院に行くでしょう。だが、その病院が感染症対応病院でないときはどうするのか。昨日ちょうど、病院に勤める友人(≠医者≠看護婦)と話をしていたのですが、その私立病院では「断る」という手段を取っているそうです。感染症の専門がないので。

でも、「断る」にしても患者は一度病院に来ちゃってるわけですよ。でも、感染症の専門がない町医者には当然のことながら感染症防護の準備が整っていない。そこに患者さんが来て、断られたらどうなる?――そのことを、現場にいる友人はものすごく心配していました。実際、中国ではこの繰り返しで院内感染が広がり、その他の病気を持つ人や通院治療をどうしても受けなければならない人が来れなくなったり、感染したりしています。

それを横目に出すのですから、もうちょっと現場目線の対応策を、これから病院にかかる人にわかりやすく発表すべきではないのでしょうか。これじゃ、これまでの「インフルエンザと同じ」対応とそれほど違いがあるようには思えません。だいたい、厚労相自身が「あくまでも目安なので、参考にして、かかりつけ医の方々などに適切に相談して受診していただききたい」とか言ってるんだから、みんなそりゃかかりつけ医のとこに行くわなぁ……

参考までに、神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎医師のブログを貼り付けておきます。

   さて、COVIDはなぜ抑え込めない、とCDCのトップにまで言わせるのか。根拠はいろいろでしょう。しかし、ぼくはその根拠の一つは「発症初期が軽症である」ことにあると思っています。潜伏期間ではなく。
   重症化した場合のCOVIDは発症7日程度で呼吸状態の増悪があると中国からの報告があり、日本の重症例もそういう事例が多いようです。初期は軽症なので受診動機が小さい。よって、「発症から受診までの時間が長くなりやすい」傾向をこのウイルスはもっているのです。発症から受診までの時間は「人」は「社会」の属性だとぼくは思っていましたが、そこにウイルスの特徴も混じっていたのです。よって、重症発症の多いSARSよりも本ウイルスは広がりやすい。
   そして、勤勉な日本人は風邪症状くらいでは休まない。

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