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【ぶんぶくちゃいな】To Die or Not To Die? ジャンボの「命運」と香港新政府

7月1日、香港は主権返還から25周年を迎える。

6月25日早朝には、習近平・国家主席が1日に香港の中心部にある香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで行われる返還記念式典に出席すると国営通信社「新華社」が伝えた。この日は返還記念式典に続いて、新行政長官らの就任式が行われ、その場で李家超・次期行政長官とその閣僚たちが国家主席に向かって就任宣誓をすることになっている。

習近平の公式な香港訪問が実現すれば、5年前の返還20周年及び林鄭月娥・現行政長官就任式の時に続いて2回目となる。英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」(SCMP)によると、5年前の訪問も6月25日に正式に発表されたが、当時は習近平が6月29日から7月1日まで香港に滞在し、市内各地の視察を行うと発表されたが、今回の新華社の発表は「習近平・中国共産党中央委員会総書記、国家主席、中央軍事委員主席は香港の祖国海帰25周年式典及び香港特別区第6次政府就任式典に出席する予定である」と伝えたのみ。つまり、そこからは習がいつ香港に入るのか、何日滞在するのか、さらには滞在中に他のどんな予定をこなすのかについては全く触れていない。

これを受けて、「習は自身が香港入りするのではなく、オンラインで式典に参加するという意味ではないか」という声も出始めた。

習が香港入りを忌避する理由はまず、香港の政治ムードに警戒感があるからとも考えられる。2020年に「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)が施行され、「ほぼ壊滅的になった」という香港の市民社会だが、そこまでしても警戒が解けないのはどこか心にやましいところがあることの裏返しだろう。

もう一つ、香港の新型コロナ事情がまだ十分に安心できないことだとも言われている。今春には1日数万人の新規感染者が続き、これまでに罹患した市民はすでに人口の半分を超えたという専門家もいる。そこにまた、今月に入って再び新規感染者数が増え続けていることも懸念材料だ。23日にはそのさなかになんと次期政府の新閣僚から二人の感染確定者が出た。

●習近平降臨を待ち望む香港政府

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