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【ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼「ChatGPTをめぐる中米AI競争」(後編)

前編はこちら:

米「ニューヨーク・タイムズ 中国語版」の袁莉・編集長が聞き役を務めるポッドキャスト「不明白播客」の後編をお送りする。ゲストは米スタンフォード大学の中国経済及制度研究センターの高級研究員、許成鋼教授。許教授は清華大学機械工学部の大学院を卒業する際に同学部で初めてコンピュータ補助設計についての論文を発表した。

この後編では、許教授は米OpenAIが発表したChatGPTの世界的ブームで、中国もAI研究開発に大きな意欲を見せる中、中国が本当にその競争にどこまで打って出れるのか、テクノロジー及び経済的な視点で語り、中国経済と先端テクノロジーの関係を論じている。

まずは、昨年はっきりと習近平が口にした「挙国体制」によるテクノロジー研究は可能なのか? どこまでいけるのか?についての許教授の解説からどうぞ。



◎ポッドキャスト「不明白播客」:経済学者許成鋼に訊く「ChatGPTに見る中米人工知能競争」(後編)

●挙国体制の「ブレークスルー」のその後

許:挙国体制で立ち向かえば勝てるだろうという人もいます。でも、これまでも挙国体制は採られてきた。それで成功しましたか? 半導体の分野では明らかに成功していないんです。

挙国体制の一例として、人工知能の分野には「北京智源人工知能研究院」(BAAI)という巨大企業が存在しています。

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