220818 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】「映画を撮った時は合法だった」香港で上映できない香港映画の監督が現地に残る理由
今夏2本目の香港ドキュメンタリー映画『時代革命』(ホームページ:http://www.jidaikakumei.com )の上映が始まりました。昨年のカンヌ映画祭では覆面プレミアム上映が行われ、世界中をあっといわせた作品。2019年のデモの現場にカメラを抱えて入った監督の意欲と思いがたっぷり詰まった作品です。
8月13日に東京渋谷のユーロスペースで行われた初回上映後の監督挨拶に、わたしもzoomで通訳として参加しました。「怖れに負けたくない」という強い信仰心を持った監督の、しっかりとした言葉を皆さんにお伝えできたと思います。
上映開始とともに、どっと各メディアからも監督のインタビュー記事が発表されていますね。実はわたしのインタビューは4月の時点で行ったものですが、とても興味深かったのはこの映画の「取り扱い」方でした。すでに発表された記事にも「香港では上映されない」あるいは「上映禁止」という言葉が並びますが、実はポイントはそこではないと感じています。
このインタビューで監督は「撮影中はすべて合法だった」と述べています。現場にカメラを抱えて入ったこと、そしてデモ隊とともに理工大学の中に閉じ込められたことなどを語りつつ、それでも違法ではない形で撮影された映画が出来上がってみると、「法に触れるかもしれない」といわれるようになっている。それこそが、今香港の人たちが体験してきた現実なのです。
ならば、この作品のどこに「違法性」があるのか。ぜひ、皆さんにも映画館に足を運んでいただき、しっかりと検証していただきたいと思います。
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