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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2022年11月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】移民労働者が支える国の個人と家族の物語/西尾善太『ジープニーに描かれる生: フィリピン社会にみる個とつながりの力』(風響社)

フィリピンという国について、もともと確固たる知識を持っているわけではなかった。それこそ、まだフィリピンどころか世界についてもあまり基礎知識を持っていなかった頃にフィリピンでは軍を巻き込んだ政治権力闘争が激しく、大統領候補として人気の高かったアキノ氏が帰国した途端、空港で暗殺された事件だったり、その意志を継いだ夫人のコラソン・アキノ氏が大統領に選出されたこと(確か、アジアで初めての女性元首だったはず

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221130 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「30万円で家が買える」中国の元炭鉱街へ、ローン地獄を逃れ移住する若者たち

過剰ともいえる、自らの新型コロナ対策でどんどんと疲弊する中国経済。すでに3年近く続く非常事態下で、企業体だけでなく、個人の生活も大きな見直しが迫られています。

そんな中で突如、若者たちの間で「家を買って快適に過ごそう」という話題が注目を集めました。舞台は昔は炭鉱の町としてブイブイいわせていたものの、今や寂れて昨年末には中国で初めて財政破綻を公表したと話題になったほぼ最北の街、鶴崗です。

もちろ

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