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「香港 ほんこ〜ん」vol.5(2022/6〜23/5)

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日本のマスメディアがきちんと追えきれていない香港の社会事情について、2022年6月から2023年5月末まで配信した香港関連の記事を集めたマガジンです。過去マガジンはこちらから:【…
「香港でいままさに何が起き、何が語られているのか」を知るためのマガジン。日常の注目ニュースから、わ…
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#ジミー・ライ

230131 【朝日新聞社「論座」・寄稿】:香港の「一国二制度」コモン・ロー主義は中国の大陸法に力ずくで書き換えられてしまうのか?

230131 【朝日新聞社「論座」・寄稿】:香港の「一国二制度」コモン・ロー主義は中国の大陸法に力ずくで書き換えられてしまうのか?

昨年12月に開廷予定だった、「アップルデイリー」(蘋果日報)関係者5人に対する裁判直前に、香港律政司がつきつけた英国人弁護士起用阻止の訴え。結局香港の司法で負けたものの、中国政府に泣きついた結果、「一国二制度」で守られてきたはずの香港司法制度を覆す動きにまで発展しました。

日本ではほとんど詳しい報道がなされておらず、たぶんほとんどの日本人が気づいていないこの、返還以降最大の司法の山場ともいえる事

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【ぶんぶくちゃいな】すり替えられる「一国二制度」、香港メディア王の運命は…?

2022年12月30日、北京で開かれていた全国人民代表大会常務委員会会議で、香港の李家超・行政長官から要請が出ていた、「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の法解釈が行われた。

法解釈とは、文章で書かれた法律を、現実の施行における具体的案件においてその条文の意味をいかに判断すべきべきかを明確化する作業のこと。国家安全法は香港で施行されている法律だが、制定したのは中国の最高議決機関である全国人

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221228 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の親中派が越えられない中国との「壁」、政府と足並みが揃わない理由

今年最後の寄稿となります。

「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の施行以降、親中派が我が世の春を謳っている香港ですが、ときどき親中派も中国政府、ひいては中国共産党のことをよく分かっていないなぁ…と思わされる場面に出くわします。

というのも、香港で育った香港人の「にわか」親中派は結局、自分が中国政府に近い(たとえば出身業界と中国との関係やビジネス往来)ため、さらに中国政府に従順になっていれ

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【ぶんぶくちゃいな】「メディア王を討て!」、司法で負けて中国政府頼みする香港政府

李家超・香港特別行政区行政長官が「世界金融サミット」で世界から集まった金融業界のトップエリートたちを前に、「最悪の時期は過ぎ去った」として「ホンコン・イズ・バック」を宣言してからちょうど1カ月。

エリートたちはこぞってそのまま次のサミット会議が開かれたシンガポールに移動し、李行政長官以下香港政府高官は続いて開かれた香港ラグビーセブンズ大会の観客席でマスクをはずし、ビールを片手に外国人観客と肩を組

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